総 合

邦人男性、暴行受け死亡

商売上の怨恨の疑いも  チョンブリ県


 今月十六日、チョンブリ県で日本料理店を経営する日本人男性が暴漢に襲われて死亡した。被害者はチョンブリ県シラチャ市内で、タイ人の妻プラピットさん(四〇)と共に日本料理店「しま」を営んでいたキネブチヨシオさん(五一)。キネブチさんは十六日夜八時頃、店の前で長女ミホちゃん(一〇)と遊んでいたところ、バイクに乗ってきた二人の男性に暴行を加えられ、病院へ運ばれる途中で死亡した。犯人はバイクを降りると真っすぐヨシオさんに近づき、止めようとするミホちゃんを足蹴にして暴行し、再びバイクで走り去ったという。

 キネブチさんは、妻のプラピットさんや店の従業員によりすぐ病院に運ばれたが、治療設備がないとしてパヤタイチョンブリ病院、国立チョンブリ病院、私立チョンブリ病院の三カ所を回された後、知人が要請したバンコクのプララーム9病院の救急車で同病院に運ばれる途中、脳内出血で死亡した。

 タイ字紙デイリーニュースの報道によれば、店で料理を担当している従業員サハットさん(三〇)やプラピットさんは「事件直後、シラチャ警察署に通報したが、ただのケンカとして取り合ってくれなかった」と語っているという。また同紙はキネブチさんの小指が詰められていたことも報道した。プラピットさんは夫がかつて暴力団に属していたことは認めているものの「現在は足を洗って真面目に事業に取り組んでいる。過去の経歴から誤解しないで欲しい」と語ったとされている。

 一方シラチャ警察署では、「当初、捜査の要請を拒否した」とのデイリーニュース紙の報道を否定、「最初からきちんと対応しており、すでに容疑者二人の見当もついている」と語っている。同署は捜査を進めているが、二十二日現在、犯人はまだ逮捕されていない。

 亡くなったキネブチさんはバンコクで十七年、シラチャで三年、日本料理の宅配など飲食業を営んできた。シラチャでは最近競合会社がなくなり、順調に業績を伸ばしていたところだった。

 在タイ日本大使館の話によれば、タイで殺人事件の被害者となった邦人はここ二年いなかったという。邦人の犯罪被害は年々増加傾向にあり、同大使館の援護件数は九三年以来毎年、世界最多となっている。被害者の八割以上は旅行者で、ひったくりやスリにに遭うケースが最も多い。また二年ほど前は、不況の影響で日系企業への脅迫が増加、大使館が介入できない商売上のトラブルを訴えてくる在留邦人も少なくなかった。経済が回復してきた現在でもこのような問題はなくなっていないため、同大使館では在留邦人に対し「常に身辺の安全確認を怠らないよう」注意を呼びかけている。



[BANGKOK SHUHO]