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インターネット接続 押し寄せる無料化の波


 無料でインターネット接続を提供する企業が虎視眈々とタイ市場を狙っている。実現すれば既存の接続業者にとっては大きな脅威だが、高い接続料に悩む消費者にとっては福音となる。


 無料インターネット接続業者(ISP)としては、世界最大手のネットゼロに次ぐ規模のフリーインターネット・ドットコム(http://www.freeinternet.com/)。米国ワシントン州に本拠を置き、ハワイ州やアラスカ州を含む北米千五百都市をカバー、利用者は数百万人を数える。

 フリーインターネット・ドットコムのサービスは無料でありながら、利用者のプライバシーも保証しているのが特徴だ。無料とはいえ、有料プロバイダーと同等かそれ以上のサービスを提供する。無料メールやチャットサービスに加え、巨大なショッピングモールを備える一大コミュニティとなっている。

 すでに北米では無料ISPが市民権を獲得しており、ヤフーやKマートなどの大手企業も参入している。将来的には企業向けやブロードバンド(広帯域)市場をのぞいて、無料ISPが主流になる可能性もある。無料ISPは欧州や南米の一部地域では普及が進んでいるものの、アジア地域においてはまだ浸透していない。

 フリーインターネット・ドットコムはマレーシアにアジア統括事務所を置き、当初シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ブルネイでサービスを開始する計画だ。タイではタイ電話公社(TOT)と協力して事業展開をおこなう予定。

 こうしたサービスがタイに移植された場合のインパクトは小さくない。ネット人口の拡大に寄与することもさることながら、電子商取引の提供基盤となる仮想コミュニティが誕生することになるからだ。

 しかし、こうした無料ISPは北米の巨大市場だからこそ成り立つ事業で、タイのような矮小なマーケットで採算が合うのか疑問、という声もある。その一方で、割高な接続料に阻まれてインターネットの普及が遅れている国こそ、大きく成長する余地があるとする見方も存在する。

 もう一社、タイにおける事業展開を計画しているのがネットワークタイランド(http://networkthailand.com/)。当初、他の接続業者の設備を利用して無料ISP事業をおこなう予定だったが、タイ通信公社(CAT)はこれを違法であるとして認めない方針だ。ネットワークタイランドはすでに現地法人を設立しているが、その成否はタイ通信産業の自由化にかかっているといえる。

 無料ISPはネット人口の裾野をひろげ、デジタルデバイドの解消に貢献するはずである。インターネットの普及が国際競争力のカギを握るとタイ政府は言うが、本気でそう考えるなら無料ISPの登場を容認すべきであろう。

(山岡 耕志郎)



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