製造拠点としてタイが復興
新規進出企業も相次ぐ
経済回復の兆しを見せているタイで現地化を進める大手外国企業の動きが目立っている。増資により生産能力の引き上げを図る企業が多いなか、新規に工場を建設してタイ進出する企業も増えており、経済危機以降沈んでいたタイが再び注目を浴び始めたようだ。
タイ味の素は二十億バーツを投じ、AFTA(アセアン自由貿易地域)での製造拠点としてタイの製造及び流通施設を拡大する。このうち十億バーツは調味料製造工場と、飼料用リジン製造工場の拡張に費やされ、年間生産能力を合計二万三千トンから三万トンに引き上げる。また五億バーツを投じて包装工場の新設し、流通センターも三店オープンさせ流通綱を充実させる計画だ。
キャノン・ハイテク・タイランド・リミテッドは、オフィス機器の製造をコスト面で優位なタイに移し、輸出拡大に乗り出す。プリンター・ファクス・コピー機の生産能力を引き上げ、それに応じて従業員数も六百人増員させる。総生産の九九%が輸出向けで、今年の売上高は三百三十億バーツを見込んでいる。
自動車メーカーも、欧米を中心にタイで現地生産を開始する動きが相次いでいる。これは自動車の現地調達比率規制が今年一月より撤廃されたことが強く影響している。
これまでタイの地場企業に組み立て生産を委託していたBMWは、十三億バーツを投じて建設したラヨーン工場で五月から3シリーズの生産を開始した。同社は二〇〇五年にさらに二十五億バーツを投資して生産能力を年間四万から六万台に引き上げる計画だ。
BMWと同様に、ジェネラル・モーター(GM)とアウディもタイで操業を開始した。GMはミニバン「シボレー・ザフィラ」で新規市場開拓を狙う一方、アウディ社は初のタイ仕様車「アウディA6」を発表し、高級車市場拡大を目指す意向だ。
またトヨタ自動車は、二〇〇二年より中国で生産される新型小型車を、タイと台湾でも同時期に開始することを発表した。排気量一三〇〇CCの小型セダンで、燃費や安全性は日本仕様と同じ水準を保たせながら、機能の簡略化でコストパフォーマンスを狙う。
タイ自動車協会は二十日、タイの部品メーカーの支援プログラムが日本とドイツの協力により実施されることを発表した。各自動車メーカーの水準に見合った高品質な部品作りを支援し、現地調達率を上げるのが目的。これによりメーカーは輸入部品に掛かる為替リスクが低減し、安定した経営が行えうことが可能になる。
この他にも米コーヒーチェーン店「スターバックス」が、同社のオリジナル商品の製造場所をシアトルからタイへ移動する方針を打ち出したり、ファーストフード店「ダンキンドーナッツ」がオリジナル・マグカップをタイで製造開始するなど、様々な分野でタイの製造拠点としての株が上がってきている。
(工原 友博記者)
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