週間ニュース


●6月8日(木)

国際機関への要請
 国防省は、五月事件で肉親が行方不明になったまま人々に対し、国際機関への支援要求を再考するよう求めた。これらの人々で構成される委員会は先に、国防省が開示した調査報告書が厳しい検閲で内容の六〇%あまりが黒く塗りつぶされていたことから、国連人権委員会に、行方不明者の安否、所在を確かめるため助けを求めることで合意したとされる。国防省は、声明を発表して、国連への要請を控えるよう呼びかけたもので、また、この声明では、五月事件の際、無防備の一般市民に発砲した問題について国防省は自己弁護を試みている。このほか、同省はこの声明の中で、事件で行方不明になったのは当局の調べでは十五人であり、市民グループが主張している三十八人は誤りだとしている。

再度の投票
 タイ選挙管理委員会は、今月四日に九県で行われた、上院議員選挙の第三回目の投票でも当選圏内に入った候補に選挙違反があったとして、今月十八日に東北部の四県で四回目の投票を行うと発表した。同委員会は、四日の投票で当選県内に入ったものの、当選認定を拒否された三人については、第四回目の投票に立候補できないとの判断を示した。

電話盗聴問題
 社会活動家のウィラ氏の自宅の電話が盗聴されていた事件で、警察当局は、タイ電話公社の技術者を逮捕しようとしている。警視庁のチョンラック副長官は、「公務員のレベルでC五の技術者が盗聴の細工を行った。有罪が決まれば、最高で五年の懲役刑になる」と説明した。同副長官によれば、このクロンチャン電話交換所に勤務する技術者は、どのような理由で電話を盗聴したのかはまだ定かではないが、これまでに何度も警察に苦情を訴えたことがあるという。また、ウィラ氏がサナン元副首相兼内相の資産隠しを指摘した人物であり、また、先に憲法裁判所の審理でも疑惑について証言していることから、サナン氏の関係者が盗聴を命じたのではないかとの見方もある。これについて、ステープ運輸通信相は、サナン氏の関与がはっきりすれば、罪は免れないと明言した。

幼児の帰国
 米国の司法当局者によれば、米国に中国人の女を不法入国させるためのカモフラージュに使われたタイ人の幼児はまだタイに帰国させることができないという。同担当者は、タイに戻ってから世話が十分に行われると確信できないうちは、米国側にとどめておくことになると説明した。この幼児の母親が事件に関与していたとみられることから、すでに死亡している父親の親が先月、渡米し、この幼児を引き取ると司法当局に申し出たことから、一度はタイに帰国させることになったが、ロサンゼルスのタイ人コミュニティーが、再び人身売買の道具に使われる恐れがあるとして、帰国を遅らせるよう司法当局に要請し、現在に至っている。

民主党の公認候補
 与党第一党・民主党関係筋によれば、同党からバンコク都知事選に出馬しているタワッチャイ候補の当選を目指して、チュアン党首(首相)が積極的に支援を有権者に呼びかけることが予想される。同候補は先に行われた世論調査では、候補者中第三位の人気だった。タワッチャイ候補によれば、チュアン首相は、公務に差し支えないよう早朝および夕方に同候補とともに有権者に支援を呼びかけることになるという。

選挙費用の超過
 バンコク都庁のプラサート助役は、有権者に対し、都知事選の候補が選挙に規定以上の資金をつぎ込んでいないか厳しく監視するよう呼びかけた。都知事選の選挙費用は、上限が先の改定により候補一人二千百万バーツに引き上げられている。しかし、プラサート助役によれば、大々的な広告やテレビ、ラジオのスポットなどに十億バーツ以上も注ぎ込んだ候補がいるとされる。


●6月9日(金)

首相の責任
 ラムカムヘン大学の講師グループによれば、電話盗聴事件では、チュアン首相は単に知らなかったでは済まされないという。この事件の背景についてはまだ不明な点が多いが、これら講師は、「チュアン首相は国防相として諜報機関を監督する立場にあり、責任を回避することはできない」と主張している。チュアン首相は、この事件に関わらないよう務めているように見受けられるが、責任を認めるべきだという。

運河の汚染問題
 バンコク都庁は、都庁が行った埋め立てがサムットプラカン県で運河の汚染につながっているとの指摘を否定した。これは新上院議員二人が指摘したものだが、都庁公共清掃課によれば、都庁は問題ないと考えているが、調査を指示しており、数日中に結果が明らかになるという。

学童に牛乳
 ソムサク教育相によれば、同省は無料牛乳昼食計画のもとで、地方の学童向けに牛乳を購入するため、地方の行政体に総額六十億バーツを割り当てることにしている。また、この計画には、以前の牛乳購入計画で地方の小学校が特定の業者を優遇するという問題が起きているため、酪農従事者の間から反対意見で出ている。これに対し、ソムサク大臣は、「小学校に牛乳購入のすべてを決定させることはない」と説明した。

ワンマンのイメージ
 都知事選に立候補しているサマック・プラチャーコンタイ党党首は、ワンマンのイメージを払拭するため、数日中に顧問団の顔ぶれを発表する予定だという。また、同党首は約三千人の支持者を前に、「ある政党はこの選挙に二億バーツも注ぎ込んでいる。都知事のサラリーは四年の任期で五百万バーツ程度にすぎない。その理由は、その政党が国政選挙を有利に進めるためにバンコクをベースとして使おうとしているからだ」と述べた。

候補を全面支援
 チャムロン元パランタム党党首は、同党に所属したことのあるスダラット候補(タイラックタイ党)を全面的に支援すると述べた。チャムロン氏によれば、バンコクは交通渋滞、洪水など早急に解決しなければならない問題を抱えているが、スダラット女史はこれらの問題に精通しており、問題を早期に解決する能力があるという。また、バンコク都知事を経験したチャムロン氏は、一部の候補は巨額の資金を投入しており、選挙戦はさらに激しくなるだろうと指摘した。


●6月10日(土)

低い投票率
 上院選の第四回目は四県で不在者投票が行われたが、投票したのはわずか千六百五十九人にすぎず、本番の今月十八日は、非常に低い投票率が予想されるという。タイ選挙管理委員会のコートム委員は、一般市民にお手本を見せる意味で公務員には必ず投票するよう呼びかけ、また、保護者に投票するよう学童に呼びかけるなど、積極的なキャンペーンを展開すると述べた。これまでの三回の投票では上院議員二百人のうち百九十六人が決まっており、四回目では四人が選ばれることになっている。しかし、同委員によれば、当選圏内に入った候補に違反が見つかった場合、五回目の投票は避けられないという。

公害問題対策
 都知事選の主要候補五人は、いずれも大気汚染、水質汚染といった公害問題を最優先課題に挙げている。環境専門家として知られるカラヤ候補は、「排ガスで汚れた空気ではなく、クリーンな空気が必要だ」と訴えている。民主党から出馬したタワッチャイ候補は、交通警察官がマスクをかけて仕事しなければならないような状態は改善しなければならないと強調した。また、スダラット候補は、大気汚染問題を解決するため交通渋滞を緩和することが大切だと指摘した。

森林の破壊
 プラパット農相によれば、タイの国境地帯に逃れ出てきたミャンマー人難民約一万一千人が森林を破壊しているため、農業省は陸軍と協力して、これら難民の行動を規制する方針だという。同大臣は、「これ以上難民が自由に森林に入り込むのを許すわけにはゆかない。タイの森林は危機的な状態にある」と指摘した。森林管理当局は、森林破壊を防止するため、難民キャンプを国境から遠く離れた場所に移設する必要があるとしている。また、ワタナチャイ陸軍第三管区司令官は、「サラウィン国立公園内で生活している難民たちは他所に移ることに合意しており、現在我々は移転先を探しているところだ」と指摘した。


●6月11日(日)

殺人事件の増加
 警察当局によれば、政府の地方分権化政策により、地方の行政体の権限が拡大されているが、これに伴い、各地で利権に絡むトラブルが増加し、プロの殺し屋を使った事件が多く報告されている。警察庁のナロンウィット副長官(殺し屋制圧担当)は、警察がプロの殺し屋と考えている人間は約千人いるが、その仲間の動向もあわせて監視を怠らないようにしていると説明した。同副長官によれば、依頼者は通常、標的の人物を知る者を同行させ、また、殺し屋を現場まで連れて行き、その人物を殺害させており、また、依頼者は、実行犯が逮捕されても自分に捜査の手が及ばないよう周到に殺人計画を立てるのが常だという。

ダムの取り壊し
 アーティット科学技術環境相は、そのプラス面、マイナス面の検討を行った結果次第では、シサケート県のラシサライ・ダムを取り壊さざるを得ないかもしれないと述べた。同大臣は、このダムが環境破壊につながっていると主張するグループを前に、「現在、様々な大学の環境専門家による検討の結果を待っているところだ」と説明した。このダムは総工費が九億バーツにのぼるが、同大臣は、環境に及ぼす影響などが、プラス面を上回るようであれば、ダムを維持する意味はないと指摘した。また、付近の住民からは農地などが被害を受けたとして当局に損害賠償要求が出ているが、アーティット大臣は、三カ月以内には手続きが完了し、賠償金を支払えるだろうと述べた。

候補者の人気
 与党第一党・民主党のバンコク都知事選対策センターによれば、バンコクのいくつかの地区ではプラチャーコンタイ党のサマック党首の人気が目立っているという。また、民主党ではタワッチャイ候補を擁立しているが、同センターのタウィン代表は、「バンコク都知事選は、主要候補の人気が拮抗しており、最後まで誰が当選を果たすかは予測しがたい」と指摘した。


●6月12日(月)

タイ政府を非難
 ラオス政府は、反政府グループを支援しているとタイ政府を非難した。同国では、最近人が多く集まる場所で爆弾が爆発するなどの事件が起きているが、ラオス政府は、これは反政府グループの仕業だと考えている。同国のビエンチャン・タイムス紙が報じたところによれば、今月六日にもビエンチャンの中心部でバスに仕掛けられた爆弾が爆発し、三人が負傷した。この数ヶ月間にラオスでは数件の爆弾事件が起き、外国人旅行者の負傷した。

元党首の死去
 社会行動党党首を長年務めたモントリー氏が都内バンケンの自宅で肺ガンのため死去した。ベテラン政治家のモントリー氏は、入院し治療を受けていたが、本人の希望で自宅に戻っていた。

サッカーで遅刻
 世界的に関心の高いサッカートーナメント「ユーロ二〇〇〇」が始まり、生中継が深夜に行われていることから、多くの学校で、遅刻したり、授業中に居眠りしたりする学生が増えているという。また、一部の学生は、試合結果に金を賭けている者もいるという。教育省では、全国各地の学校に十万部に及ぶ「ユーロ二〇〇〇観戦の手引き」を配って、深夜まで起きていないで、ビデオに録画して後で見るよう指導している。

第四回目の投票
 タイ選挙管理委員会のユワラット委員によれば、上院議員選挙の第四回目の投票では、候補者による激しい足の引っ張り合いが予想されるという。この投票では、四県で四人の候補を選ぶことになっている。また、当選圏内に入った候補に選挙違反が認められた場合、同委員会では、今月二十四日あるいは来月二日に第五回目の投票を行う考えだという。


●6月13日(火)

事件の担当
 チョンラック警察副長官によれば、社会活動家のウィラ氏が自宅の電話を盗聴されていた事件は、国家汚職制圧委員会が担当することになった。これは、昨年制定された汚職制圧法の規定に従ったもので、同法では、政府機関や国有企業に対する正式な訴えが警察にあった場合、そのケースを国家汚職制圧委員会が担当するとされている。この担当機関の変更には、ウィラ氏は反対の意向を表明した。同氏によれば、同委員会の取り調べには制限があるため、十分な証拠を集めることができないという。

候補を非難
 国立チュラロンコン大学政治学部で講師を務めるチャイ氏は、バンコク都知事選のサマック候補が七六年十月六日の市民弾圧事件において大きな役割を果たした犯罪者だと非難した。故プイ元国立タマサート大学学長の息子、チャイ講師は、先に新聞に広告を掲載し、サマック候補の手は血に染まっていると糾弾した。同候補は、事実ではないと関与を否定している。

警察庁長官の辞任
 ニポン民主党議員は、プラチャ氏が警察庁長官を辞任したのは、外部からの圧力によるものではないと述べた。同議員は、「サナン民主党幹事長が四千五百万バーツの資産隠しの疑惑で副首相兼内相を辞した時にすでに、プラチャ氏が警察長官ポストに長くとどまるつもりはないと聞いていた」と述べた。また、ニポン議員によれば、このため、民主党としてはプラチャ氏の辞任には驚かなかったが、同氏が国家開発党に参入することになったのは予想外だったという。


●6月14日(水)

カンボジア訪問
 三日間の公式訪問のためカンボジアの首都、プノンペンに到着したチュアン首相は、これを祝う大勢の人々に歓迎されたが、一方では約百人の学生グループが、カンボジアの領土を盗んだとして、タイ政府を厳しく批判した。これらの学生グループは、タイ側がこれまでにカンボジア領土を勝手に自国の領土としてしまったと主張しているが、タイ政府はそのような事実はないと全面的に否定している。チュアン首相とカンボジアのフン・セン首相との会談では、国境線の画定問題が重要な議題になると予想される。

政党の策略
 バンコク都知事選のサマック候補は、大学講師のチャイ氏が十月六日事件に同候補が関与し、都知事には相応しくないと主張している問題で、この指摘を全面的に否定するとともに、「政治的な策略によるものだ。チャイ氏などは政争の具として利用されている」と述べた。また、チャイ氏などが、当時内相としてサマック候補は新聞の発行を禁止するなどして、民主化を求める学生たちに挑発的な姿勢をみせたと批判していることについて、同候補は、当時の法律では発行禁止は警察に権限があり、内務省には発行再開を許す権限しかなかったと説明した。


[BANGKOK SHUHO]