ラシサライ・ダム 政府、「取り壊し」を検討
住民の損害賠償要求を受け
シサケート県ラシサライ・ダム周辺の住民が政府に損害賠償を求めている問題で、アーティット・ウライラット科学技術環境相は、地元住民約八百人を前に、「環境への影響、費用効果に関する検討の結果次第ではダムを取り壊す用意がある」と明言した。同大臣は、先にポンテープ・テチャパイブン副大臣の取り壊し提言を退けたばかりだが、一転して住民の意見に耳を傾けることになった。
このダムは、総工費が九億バーツにのぼるが、付近の住民からはその倍にのぼる損害賠償要求が出ている。
賠償については、アーティット大臣は、影響を受けるエリアの各地区に検討委員会を設置して、賠償額の検討を行わせるとの考えを明らかにした。委員会は、地区の行政体とダムに反対する住民の代表で構成されることになる。この委員会による検討は最終的なものとされ、それを郡レベル、県レベルでとりまとめ科学技術環境省に報告することになる。アーティット大臣によれば、「検討結果が本省にあがってくるには三ヶ月程度かかる」としているが、それを受けて賠償金支払いを急ぎたい考えだという。
同省では、今月三十日にダムに反対する住民など関係者の代表を集めて、この問題の解決策について協議する予定。ここで、現在、複数の大学の研究者によって進められている、環境への影響や費用効果に関する検討の結果が発表される見通しだ。
なお、消息筋によれば、同大臣は今のところ、ラシサライ・ダムはいくつかの技術的問題があるものの、存在価値はあると考えているようだという。
一方、ウボンラチャタニ県でもパクムン・ダムを巡る住民行動が激化ているが、専門家は、ダム建設によりムン川でカタツムリが異常発生しており、カタツムリを宿主とする寄生虫による病気の拡大が懸念されると指摘している。これは、タイ記者協会が先に開催したセミナー「ダムを原因とする病気」の席上、ニラン・ピタクワチャラ医師が発表したもの。
この寄生虫を原因とする病気は、以前から同地域のラオス側で確認されているが、タイでは、パクムーン・ダムが建設されるまでは、報告されていなかったという。地元住民はこの点に関しても非常に心配しているようであるが、タイ発電公社の関心は低いようだ。このため同医師は、「保健省による早期調査が望まれる」と結論づけている。
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