総 合

急増する物乞い

情けは人のためにならず?


暗躍する犯罪組織

 労働社会福祉省の発表によれば、昨年、タイ全国で確認された浮浪者・物乞いは八千五百五人。その多くはバンコク、チャンマイといった大都市に集中しており、また身障者もかなりの数に上っている。

 このなか、チャンネル7では、この物乞いをテーマとした特集番組を製作、背後で暗躍するブローカーの存在に言及した。

 同番組によれば、物乞いの一日の収入は平均すると五百から千バーツ。毎日、「働く」とすれば、月収は一万五千バーツから三万バーツとなり、大卒サラリーマンの給料にも匹敵することになる。この「おいしい」商売を犯罪組織が見逃すはずはなく、物乞いビジネスを取り仕切るブローカーが暗躍、その収入の大半を搾取している、と番組ではリポートする。

 同番組では地面を這って物乞いする身障者が仕事が終わると、すくっと立って帰宅する姿や、ボロボロの洋服をまとっている老婆が、トゥクトゥクで帰宅する場面も隠し撮りしていた。

 さらに繁華街で花やティッシュを売る子供のことも取り上げている。この子供らは大半がバングラデシュから連れて来られたものということだが、観光客などが「同情心」から購入するため、なかなかいい稼ぎになるようだ。このため、エージェントはバングラデシュから子供を次々と密入国させることになり、結果として、子供に苛酷な労働を強いることになっている。

 子供といえども一日の売上ノルマがあり、これが守れない場合には、折檻されたり、また他の子供への見せしめのため移民局に通報し、逮捕させるという手も使うという。このため番組では、「安易な同情は犯罪組織を喜ばせるだけ」と結んでいる。

(倉林義仁記者)




[BANGKOK SHUHO]