総 合

大卒就職状況
正社員よりパート求人

斡旋会社の利用が定着


 労働社会福祉省雇用局によれば今年二月現在の失業率は四・七%、同省では今年の平均失業率を三・二%と予想している。九七年に始まる経済不況により、失業率は昨年五月には五・三%まで上昇したが、それ以降は徐々に好転した。しかしチュアン・リークパイ首相は先月下旬、新卒者の就職がいまだ困難であることを指摘、失業問題はまだ解決していないと述べている。五月が新学期に当たるタイでは、三月に卒業試験を終えた学生が四月から五月にかけて労働市場に加わる。大学を中心に新卒者の就職状況を調べてみた。


 国家経済社会開発委員会が七つの国立大学で新卒者の就職率を調査したところ、九七年は六四%、九八年は四六%にとどまった。医学系の新卒者に関しては、九七年が九四%、九八年が八七%と比較的安定しているが、そのほかの理系新卒者及び文系新卒者の就職率は共に九七年の六〇%前後から、九八年には四一%まで低下した。また全体的に卒業後も学業を継続する学生が増えており、その割合は九七年に一二%だったが、九八年には二〇%まで増えている。

 昨年三月チュラロンコン大学とタマサート大学の卒業予定者二百人を対象に実施したアンケート調査では、当時就職先が決まっていた学生は一〇%にすぎなかった。就職活動がさかんとなるのは四月と五月だが、それ以降も仕事を探している新卒者は少なくない。就職活動には新聞の求人広告、大学の先生や友人などの個人的な人脈、就職斡旋会社が主に利用されているが、最近ではインターネットを使って仕事を探す学生も多い。

 今年ラチャパット大学文芸学部観光学科を卒業したアパーニット・ウィティプラディットさん(二十二)は在学中に研修した航空会社への就職を希望しているが、当分は英語の勉強を続けるという。また国立シラパコン大学芸術学部地理学科を卒業したタチャコン・プロムシリさん(二十三)は「地図に関する仕事を希望しているが、そのような求人が見つからない。友人に紹介を頼んだり、求人広告を探したり、最後には直接会社を訪問したがだめだった」と語っている。

 同学部図書館学科卒のマノロト・プンタナアングンさん(二十三)も「図書館学科の卒業生はほとんど就職先がない」と述べ、ほかの学科で勉強しなおすことを検討中。一方マノロトさんの友人で、同学部日本語学科を卒業したピムポンさん(二十一)は早くから就職斡旋会社に登録し、日系企業に就職が決まっているそうだ。

 就職斡旋会社の利用は近年、一般的になってきた。就職斡旋会社プライスウォーターハウス・クーパーズ社の応募受付担当者は「大学新卒者からの問い合わせが着実に増えている」と述べている。求人が多い職種は営業、経理で、技能としては英語とコンピューターが重視されるという。

 また正社員、パートタイマー、契約社員の三種を斡旋しているスキルパワー・サービス社では「いずれの求人も増加しているが、将来的にはパートタイマーの求人が最も多くなる」と予想。同社の受付担当者は「タイの経済はまだ回復していない。正社員を雇う余裕のない会社が多い」と語っている。

 労働社会福祉省雇用局の統計によれば、第1四半期の就職者全体に占める大卒者の割合は、九八年が一二%、昨年が二一%、今年が一四%となっている。今年はやや落ち込んだものの、タイの普通大学進学率が五%程度にとどまっていることからみれば、大卒の就職率はほかの学歴と比較すればまだ良好といえよう。

(小林ゆかり記者/ルァンイッサラー・カライジンダー記者)



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