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企業リポート
情報管理のスペシャリスト

リコール―ブランブルズ(タイランド)


 情報化が進む一方で、その情報管理がきちんとしていない会社は以外に多い。タイでは十年間保管することが義務づけられている勘定簿記などの書類が事務所に山積みにされたままになっていたり、管理すべき書類と処理すべき書類の整理ができておらず、検索に無駄な経費を掛けているケースも少なからず見られる。

 そこで注目されているのが、これらの書類管理を全て受け持ち、その取り出し入れも敏速にサポートするリコール総合情報管理のサービスである。リコール総合情報管理(七五三―五三四〇)は、ビジネスインフォメーションマネージメントの最大手として知られるブランブルズ社グループの現地法人。オーストラリアの多国籍企業で、本社は創業百二十四年、海外でも三十年の実績を持ち、全世界で二万三千人の従業員を抱えている。総資産は千億バーツ以上。

 リコールでは書類、ファイル、銀行小切手、図面などの物質的な情報管理、コンピューターバックアップテープ等の電子情報管理、そして事務用家具などの一般物の保管サービスをするほか、期限切れ書類のシュレッダー破棄サービス(シュレッダーのレンタルを含む)も行っており、先述した勘定簿記も十年期限が切れたものから確実に破棄してくれる。

 同社は一九九七年にドキュメント・ストレージ・タイランド・カンパニーを買収しタイへ進出、九九年三月にはブランブルズ(タイランド)と社名変更し、商標としてリコールを使用している。クライアントは銀行、投資会社、保険会社、法律事務所、製造業、建設業、航空会社など業種が幅広く、日系企業もトヨタ、日立、花王、全日空、キャノン、熊谷組など多数の大手企業を抱えている。リコール日本人担当マネージャーの加藤昌子氏は「他にはない弊社の管理体制が、日系企業のお客様にも信頼されてきている」と話す。

 倉庫はバンコク郊外のサムップラカーンにある。これまで貸し倉庫を利用していたが、同サービスの需要が増加していることから、六月上旬に倉庫を新設した。八十四万個の書類箱が収納可能で、今月中にも全ての書類及びコンピューターバックアップテープ等を移動完了させる予定だ。

 全ての保管箱は、会社名、書類名、受け取り日などが入力されたバーコードでコンピューター管理されている。保管室も同様に二十四時間体制の最新セキュリティーシステムで監視されており、IDカードを所持する担当者以外の立ち入りができないようになっている。また、コンピューターバックアップテープ等の電子情報は、保存に最適な温度二十一、湿度五〇%を常に保った別室に保管されている。

 ある会社で、預けてある書類の一つが必要になったとしよう。顧客はリコールが作成した保管リストから必要書類のコード番号を連絡し、リコールはそれをデータベースで確認、即時にその書類箱が倉庫のどの位置にあるか把握する。担当者はスキャンを使用して担当者名、保管箱のバーコードなどを入力して出し入れを行い、この際間違った箱を選ぶとコンピューターが警告を知らせるシステムとなっている。さらに、配送車がどの箱を何時に倉庫から持ち出したかも全て記録される。なお配送は注文から最小四時間で行うことが可能としている。

 この方法以外にも、顧客はリコールの閲覧室で書類を見たり、ファイルによってはファックスで送ってもらうことも可能だ。

 加藤氏によれば、一般的に書類保管のあり方に関心を持っている経営者は少なく、それにかかる経費も軽視されがちだという。だが「利益に直接結び付かない書類保管に投資しても、、」という考え方は間違っている。自己管理する場合も、会社には見落としやすい経費が掛かっているからだ。

 リコールが挙げている、以下の「隠れた経費」を考慮してみてほしい。@保管場所―賃貸している場合はもちろん、そのスペースを所有していても経費は掛かるA光熱費B保管箱・棚―書類を棚に保管する場合、書類の上げ下げにも経費が掛かる。倉庫の場合は洪水の恐れもあるC安全装置―火災報知機や消化器の経費と維持費D運搬―保管場所がオフィスでない場合、ガソリン代や車の維持費・保険代などE牽引―誰がどのように保管し、記録をとっているかによって牽引にかかる経費も変わるF社員―書類の整理・箱ずめ、持ち運び、書類の牽引・運搬を一人の社員がしたとしても、それらを管理する社員が必要になるなど。

 「管理の仕方が悪いと、思わぬトラブルに見舞われることもあるのです。その実例を見せましょう」と、倉庫の横にある貸しスペースに案内された。そこには変形したダンボール箱が何十個も山積されていた。「これは害虫による被害を受けたタイの某大手金融会社の書類箱なのですが、放置されていたため、発見された時には書類の幾つかは修復不可能な状態でした。そこで弊社へ依頼があったのですが、この膨大な書類を全て整理し、管理できる状態にするには相当の時間が掛かり、某社にはこれに対する費用はもちろんのこと、データ処理などの様々な問題が起きています」と加藤氏は説明する。

 会社の重要書類を確実に管理し、それらのアクセスを効率良くすることだけでなく、書類管理削減にも繋がる。加藤氏はこれらの点をアピールして、日系企業の顧客をさらに拡大していきたいと抱負を語った。         

(工原 友博記者)



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