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蒸留酒、新規参入の名乗りなし


 ウイスキー王の異名をもつチャルーン・シリワタナッパックディー氏のスラティップ・グループの例に代表されるように、かつて蒸留酒製造のライセンス取得はタイで大富豪になるためのパスポートとみなされていた。しかし蒸留酒の製造が自由化され、同事業への参入希望者が殺到するものと思われていたが、五ヶ月経過した今でも新規の事業者は一件も参入の名乗りをあげていない。

 業界筋によると、蒸留酒の製造はドル箱的な存在であるため、製造自由化当初は新規参入を計画する企業も数多かったが、蒸留酒工場設置に要する莫大な資本コストの調達先となる金融機関の反応が鈍いことから、参入希望者は設備投資のための資金調達もままならない状態に陥っている。

 金融機関に融資を鈍らせる要因には、蒸留酒工場十一ヶ所の民営化で四ヶ所を落札したスラティップ・グループが昨年までに三年分のウイスキーをストックしていることがある。また敷地面積や年間生産量に関し政府が定めた工場設置基準の中に、創業三年以内に環境保全のための規格ISO14001の取得義務や浄水設備の設置義務が盛り込まれているため、環境面でのコスト負担が重くのしかかっている。

 さらに、現在国内の蒸留酒市場では価格競争が激しくなってきていることや、輸入ウイスキーの積極的な宣伝効果などにより国産酒がシェアをじりじりと奪われている現状も、金融機関に蒸留酒製造に対する投資意欲を失わせる一因となっている。



[BANGKOK SHUHO]