総 合

電話盗聴事件
電話公社総裁が引責辞任

サナン元副首相との関係も取り沙汰


 社会活動家として著名なウィラ・ソムクワムキット氏の自宅の電話が盗聴されていた事件で、タイ電話公社のトンチャイ・ヨンチャルン総裁が今月六日、引責辞職した。この事件は、ウィラ氏の自宅の四本の電話が盗聴されていたというもの。同氏は以前からサナン・カチョンプラサート元副内相兼内相の資産隠し疑惑を取り上げ、真相究明を求めていたことから、政府内部の者が盗聴に関与しているのではないかとの疑惑も浮上している。同氏は、憲法裁判所でサナン氏の資産隠し疑惑に関する証言もしている。

 ウィラ氏によれば、先月三十一日、匿名の人物から自宅の電話が盗聴されていることを知らされ、翌日警察に調査を求めた。そして、警察官、電話公社職員の立ち会いのもとに、自宅のある住宅地の電話配線板を調べたところ、テープレコーダなど盗聴に使用する装置が発見された。電話配線板は金属製のボックスに納められており、鍵がないと開けられないようになっている。この装置は、ウィラ氏の電話四本のどれかが使われると自動的に会話を録音するようになっていた。

 タイ電話公社を監督するステープ・トゥアクスバン運輸通信相によれば、トンチャイ氏は総裁を辞任する前に、正式に警察に事件を調査するよう求めるとともに、公社の法律顧問を長とする調査委員会を設置するよう命じている。

 また、タイ電話公社の職員団体代表、ミット・チャルンワン氏は、「トンチャイ氏は政府に批判が及ぶのを避けるため自ら責任をとって辞職したのであり、同氏に過ちはなかった」として、ステープ大臣に辞表を受理しなかったことにするよう求めた。ミット氏によれば、電話公社は過去に国家治安評議会、国家情報機関、警察など関係当局の要請により盗聴を手助けしたことがあるものの、現在はそのような違法行為には荷担していないという。

 また、電話配線板のある施設の警備員は、怪しい男数人を見かけたと証言しているが、首実検の結果、最寄りの電話交換所の職員ではないことがはっきりしたという。この警備員は、「その男たちは、一一一八のナンバープレートを付けたベンツでやって来た」としているが、公社職員に該当者は見つからなかった。

 チョンラック・チュタノン警察庁副長官によれば、警察当局としては、まず盗聴が公社職員の仕業か、あるいは部外者の行為かを見極め、その次にどのような方法で、電話配線板の入った金属ボックスの鍵を犯人が入手したかについて調査する方針だという。

 なお同副長官は、「マスコミは、今回の電話盗聴事件とサナン氏の資産隠し疑惑を結びつけたがっているようだが、社会活動家のウィラ氏は敵が多く、ほかの可能性を考えることも必要だ」と指摘している。


[BANGKOK SHUHO]