所得格差、都市・地方で拡大
東北部はバンコクの30%
タイの平均世帯所得が毎年増加しているのに対し、地方別の所得格差は拡大していることが首相府国家統計局の発表で明らかになった。非農業部門が集中するバンコク首都圏の所得が上がる一方、農業が主体となっている東北部及び南部では所得が減少しており、不平等な所得分配の状態は悪化している。
同局の調査結果によると、一九九九年の全国平均世帯所得(月収)は前年比一・九%増の一万二千七百二十九バーツ。地方別ではノンタブリー、パトゥム・ターニー、サムット・プラカーン三県を含むバンコク首都圏の平均世帯所得が同比七・三%増の二万六千七百四十バーツと断然トップで、二位の中部はバンコクの四八%、南部は四一%、北部は三八%、東北部は三〇%であった。
このうち南部と東北部では農産物の価格が下落したため、平均所得は九八年よりそれぞれ四・四%と四・八%低下。最下位の東北部と、バンコクの平均世帯所得には約一万八千六百バーツもの差が生じている。これに加え、低所得者は増加する傾向にあり、国家経済社会開発委員会事務局によれば、月収が九百十一バーツ以下の低所得者数は一九九八年から一二・九%増加し、七百九十万人に膨れ上がっているという。
政府はこの原因として「経済危機の影響」を挙げているが、妥当な説明とは受け取りにくい。所得格差の拡大はむしろ「部分的な高度成長の影響」を強く受けているからである。
急速な工業化に伴い、バンコク首都圏には相対的に高い賃金階級に属する非農業部門が集中し、その結果地方との所得格差は拡大した。バブル崩壊によって、一時的に都市部の賃金高騰に歯止めが見られたが、今回その平均世帯所得が七・三%も増加したのは、景気回復が本格化しているのと、いかに非農業部が都市へ集中しているかを表している。農村から都市への労働移動も見られるが、労働力に占める農業シェアは予想より低下しておらず、地方との所得格差はこれからさらに拡大する可能性が高いと思われる。
(工原 友博記者)
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