週間ニュース
●5月25日(木)
国の抱える借金
これまでに行われた二回の投票で上院議員に選ばれた百八十八人による会合が開かれたが、二十七日に予定されている、国の抱える借金に関するセミナーを予定通りに開催するかどうかで紛糾した。この上院議員によるセミナーは、チャワリット内閣で経済問題担当の副首相を務めたウィラポン氏を議長として開かれる。同氏はチュアン内閣を公然と批判しており、現連立政権と関わりのある上院議員は、セミナー開催に強く反対した。反対派のサニット議員は、セミナーは合計五回開かれる予定だが、まだ上院議員が全員揃っていないため、無期延期とすべきだと指摘した。また、プアンレック議員も上院議員は物事をよくしているため、人から講釈を受ける必要はないと述べた。一方、賛成派のダムロン議員は、ウィラポン氏は経済問題に精通しており、その意見に耳を傾けるべきだと指摘した。結局、この日の会合では、反対多数で二十七日のセミナーは延期し、また、残りの四回のセミナーは予定通り開催することが決まった。
株取得の問題
テレビ局「iTV」の株式の四〇%を経営再編計画で、シン社が取得することに同局の報道班が反対しているが、これがシン社首脳と、英字紙ネーションの発行元、ネーション・マルチメディア・グループとの論争に発展している。シン社の最高経営責任者、ブンクリー氏は、ネーションとは対立していないが、その幹部との間では意見が異なると指摘した。iTVの報道班で編集長を務めるテープチャイ氏は、ネーションの編集長、スティチャイ氏の実弟。スティチャイ氏もネーション・メディア・グループのタナチャイ会長も、シン社がiTV株を取得することに懸念を表明している。関係筋によれば、同グループは現在、iTV株を一〇%保有しているが、これを一二%に引き上げること、そして、報道番組の制作におけるiTVとの契約期間を五年間とするよう、現在のiTVの大株主、再やむ・コマーシャル銀行に求めているという。
元副大臣の殺害
チェンライ県でサンティ元副内相が殺害された事件で、ポンサク警察庁副長官は、三億七千九百万バーツに及ぶ公共工事受注に絡むトラブルが原因との見方を示した。サンティ氏が所有するコンサルタント・オブ・テクノロジー社は、九七年に公共工事局からチェンライ県での汚水処理場の建設を受注した。同社はSCSコンストラクション社に工事を任せ、また、SCSはバンコクにある業者を孫請けとした。また、この業者はチェンライ県の企業二社に工事を発注している。この工事では、資材納入業者から代金が支払われないという苦情が出ており、また、工事が予定よりだいぶ遅れているため、サンティ氏はSCS社との契約を破棄する考えだったという。また、ポンサク副長官によれば、サンティ氏は次期総選挙に国家開発党から立候補する予定であったため、政治的なトラブルが原因との見方も捨てきれないという。
選挙違反の恐れ
タイ選挙管理委員会のユワラット委員は、上院議員選挙の第三回目の投票でも選挙違反が横行する恐れがあると指摘した。この投票は九県で行われる。このうち数県を視察した同委員は、選挙違反が行われていないところはなく、また、候補者は新しい手口で有権者を買収しようとしていると指摘した。なお、これまでに百八十八人の上院議員が決定しており、三回目の投票では残り十二人が選ばれることになる。
寄付金で批判
アカポン政府報道官は、約二十億バーツにのぼる国への寄付金について、高僧が政府批判を続けているが、その背後にはウィラポン元副首相がいると指摘した。同報道官によれば、寄付金集めで中心的な役割を果たした僧侶が寄付金の使い道について、政府批判を続けているため、この問題の原因をはっきりさせる必要があると指摘した。同僧侶は政府を批判するとともに、タイ中央銀行に対し五通の書簡を送ったが、そのうち二通はウィラポン氏のアドバイスに基づいたものであることが調査で判明したという。ウィラポン氏は、政府の経済政策を以前から厳しく批判している。
●5月26日(金)
コメ貯蔵施設
与党チャートタイ党の影響下にある農業省は、十三カ所に総額八十一億バーツを投入してコメ貯蔵施設を建設する計画、そして、十万トンに及ぶ肥料を購入するプランの推進を決定した。関係筋によれば、当初の計画では貯蔵施設は二十カ所に総額七十億バーツで建設されることになっていた。この計画については、十分に準備を行った後で決定を下すべきであるとの批判も出ている。また、この動きは、年内に実施される総選挙(下院議員選挙)に備えて、チャートタイ党の人気を高めるとの意図が伺えるとの見方がある。
エイズ感染問題
マレーシアからの報道によれば、同国のマハティール首相は、マレーシア人の男性に対し、タイ南部のソンクラ県ハジャイなどを訪れて、売春婦を買わないよう呼びかけた。同首相によれば、エイズに感染した男性が妻にエイズを移すことが懸念されるという。また、同首相は、マレーシアで輸血でエイズに感染した女性の身元がマスコミで報じられたことを批判した。同地の報道によれば、献血したのは二十九歳の男性で、十七歳の時からタイで売春婦を買っていたことを認めているという。
実習を拒否
ラチャパット大学は、聴覚障害を理由に同校の実習生を受け入れなかった学校を批判した。教育学部のベンチャ講師は、ラチャウィニットパトム校は聴覚障害の学生五人が実習を行うのを拒否したが、障害を持つ者が障害を持つ人に教育するのは認められており、今回の対応は差別であり、人権侵害だと批判した。カンチャナ副教育相も障害者の教育機会を拡大するという努力に影響するとの懸念を表明した。
新党に移籍
チャートタイ党幹事長、そして、農相を務めたポンポン氏は、二人の弟とともにタイラックタイ党に参入する意向を明らかにした。同氏と弟の一人は現在、タイラックタイ党に所属する下院議員だが、近く離党することにしている。離党により下院議員の資格を失うことになるが、年内に下院議員選挙が行われることから、議員資格にこだわる必要はないという。
●5月27日(土)
候補者を支援
最大野党・新熱望党のチャルム副党首は、バンコク都知事選ではサマック・プラチャーコンタイ党党首をバックアップする意向を明らかにした。同副党首は、「バンコクでは私は八万票以上集められる。このため、都知事選ではサマック党首のために十万票は集められると思う」と述べた。これは個人的なサポートであり、新熱望党として支援するのではないという。バンコク都知事選はまだ公示されていないため、それまでの各種メディアを通じてのアピールは選挙法に抵触しない。このため、タイラックタイ党のスダラット女史、サマック党首などは大きな屋外広告看板を通じて、自分の主張をアピールしている。
第四回目の投票
六月四日に九県で上院議員選挙の第三回目の投票が行われるが、タイ選挙管理委員会のユワラット委員によれば、第四回目の投票も不可避と予想される。その場合、投票は六月十八日に行われる予定で、これにより、同月二十四日に召集予定の通常国会の開会を遅らせる必要はないという。
迅速な犯人逮捕
与党・国家開発党のプラウィット副党首は、同党としてはサンティ元副内相殺害事件の速やかな解決を願っていると述べた。サンティ氏は、今年十一月に実施されると見られる下院議員選挙に同党から出馬することになっていた。警察関係筋によれば、同氏は建設工事に絡むトラブルで殺害された可能性があるが、同氏に恨みを持つとされる下請け会社の関係者は、「サンティ氏との間で契約が交わされたのは今年二月のことであり、まだ代金は一度も払い込まれていない」と述べて、同社が一方的に悪者にされていると指摘した。
●5月28日(日)
バンコクで集会
ウボンラチャタニ県のパクムーン・ダムの問題で、約二百人の農民が政府庁舎の敷地内などで早朝から集会を開き、政府に速やかな対応を要求した。しかし、内相が農民の抱える問題に真剣に取り組むと約束したことから、農民たちは午後には散会した。農民たちは柵を乗り越えて、敷地内に入り、旗を振ったりして気勢を上げた。また、バンヤット副首相兼内相は、ラオス訪問中のチュアン首相の代理として、問題の解決に全力を挙げると約束した。ここで、バンヤット副首相は、大勢の農民が集まっているパクムーン・ダムに警官隊を動員したのは、農民たちに反感を持っている付近の住民との衝突、そして、ダム施設へのダメージを防止することが目的であり、農民を力で排除しようとしたものではないと説明した。
遮光フィルム問題
政府は六月一日から遮光率六〇%以下の遮光フィルムを車のウィンドーに貼るのを禁止することにしているが、これが延期される可能性が高い。警視庁のボリブン副長官によれば、遮光フィルムに関する運輸通信省令については、解釈の相違が関係機関にあり、予定通り禁止することは難しいという。
低投票率の恐れ
上院議員選挙の三回目の投票が来月四日に行われるが、不在者投票に出かける人が以前の投票を大きく下回っており、四日の投票も投票率が大きく下降することが懸念されるという。現行憲法のもとで行われているタイ初の上院議員選挙は、これまでのところ二百人のうち百八十八人の上院議員が決まっている。タイ選挙管理委員会筋は四回目の投票も避けられないとの見通しを示している。投票を繰り返すうちに有権者の選挙にタイする関心を薄れており、これが投票率に表われている。
●5月29日(月)
情報の公開要求
国防省が公開した、五月事件に関する調査報告書は、その六十%程度が墨塗られていたことから、公開を要求していた人々は、政府情報委員会に対し、報告書の全文公開を求めることになった。また、六百ページに及ぶ同報告書には、百四十四ページの添付書類があったが、これは公開されなかった。この事件で肉親が行方不明になった人々の代表は、このようなひどい検閲では情報公開の意味がないとして、国連に対し、行方不明者の安否確認について協力を求める意向を示した。
遮光フィルム
警察庁は政府に対し、遮光フィルム規制法の適用を延期するよう要請したことから、政府は三十日にも緊急会議を開くことになった。当初の予定では六月一日から遮光率六〇%以上の遮光フィルムを自動車のウィンドーに使用するのが禁止されることになっているが、警察庁によれば、遮光度を測定する装置が不足しており、取り締まりができないとしている。バンヤット副首相兼内相は、三十日の会議で当局の対応が決定される見通しだ。
たばこ製品の除外
禁煙キャンペーンを展開している民間団体「禁煙健康行動基金」は、政府に対し、たばこ製品をアセアンの輸入税引き下げ対象から除外するよう求めている。同団体のプラキット事務局長は、「たばこは健康を害する商品であり、AFTA(アセアン自由貿易エリア)の輸入税率引き下げから除外すべきだ」と指摘した。同事務局長によれば、AFTAにより域内の貿易がスムーズになることから、この地域に大手のたばこメーカー二社が生産拠点を移しているという。
●5月30日(火)
医療品疑惑で調査
保健省の管轄する地方病院による医療品調達で、価格が水増しされていた問題で、政府薬事公社は、この疑惑に関する調査を行うと姿勢を明らかにした。この調査は三十日をかけ、同公社幹部など四人を対象に行われる。しかし、この問題を追い続けているNGOからは、国民の関心を逸らすための策略だと批判する声が出ている。この新しい調査の実施により、この疑惑の真相解明がさらに遅れることになるという。
女性専用バス
バンコク大量輸送公社は、バンコクのバス路線の一部に女性専用のレディーバスを導入することになった。このバスは、痴漢や給料日のスリを防ぐことを目的に、毎月一日、三十日、三十一日に運行される。利用者の間からは、歓迎する声も聞かれるが、女性のスリもいるため、百%安心ではないという慎重な意見も出ている。また、同公社によれば、本来はニューハーフと呼ばれるような人たちも女性専用バスを利用することはできないが、見分けられない場合も予想されるという。
法律の施行問題
バンヤット副首相兼内相によれば、車のウィンドーに貼る遮光フィルムについては、一年間に限り厳しく適用しないことが閣議で合意された。これは、フィルムを張り替えるなどの自動車オーナーの負担を考慮した措置だという。当初の予定では、六月一日から遮光率六〇%以上の遮光フィルムは使用できないことになっていた。しかし、今回の閣議での合意により、今後一年間は警告にとどめ、処罰はしないという。
離党の理由
ポンポン議員と実弟のウィラポン議員は、所属する与党チャートタイ党に対し、正式に辞表を提出した。農相を経験したポンポン氏は、離党の理由として、ポンポン氏が農相として外遊中に、バンハーン党首が同氏の解任を決めたこと、そして、同党首が党運営を誤り、これが同党への批判に繋がってることの二点を挙げた。
●5月31日(水)
五月事件の報告書
国防省のサナン報道官によれば、九二年の五月事件に関する報告書の公開で名前が伏されていた当時の軍幹部五人が、氏名を公表することに同意した。国防省は、政府情報法の定めるところに従い、首相を務めたスチンダ元陸軍司令官など五人に氏名公開の同意書を提出するよう求めている。同報告書は先に、開示を申請していた六人に公開されたが、その六〇%が墨塗られていた。これには各方面から不満の声が出ており、このため、国防相を兼任するチュアン首相が、情報公開の拡大を同省に指示していた。また、報告書の内容を一般市民が閲覧できるかどうか同省の委員会が検討を行っている。
車に仕掛けた爆弾
都内ルンピニにあるボクシング・スタジアムの近くで、自動車に仕掛けられた爆発物が爆発するという事件が起きた。警察によれば、ボクシングを見終えた男性二人が帰宅しようと車に乗り込んだ際、爆発が起きた。付近の車も損傷するほど爆発は威力があったが、車内の二人は幸い軽傷を負っただけだった。警察の担当者は、「重さが一パウンド以下の爆発物がシャーシに仕掛けられていたようだ。遠隔操作かエンジンをスタートすると爆発するようになっていたのかは不明だ。また、犯人は爆弾に関する専門知識は持っていないと考えられる」と指摘した。
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