膨張する公的債務に警鐘
景気が短命なら大きな負担に
大蔵省はタイの抱える公的債務が二兆六千六百億バーツに達したと発表した。今年度の公的債務の返済額は国家予算の九・五パーセントに相当し、二〇〇三年には13.3-17.1パーセントにも達すると予測している。タイの経済規模から見て、公的債務の水準はすでに危険水域に近づいているという見方が有力だ。
公的債務には政府債務のほか、政府が支払いを保証する公社債務および金融機関開発基金(FIDF)による債務が含まれる。大蔵省ではこのレベルの公的債務は特に問題ないとしながらも、将来的には公的債務を抑制していく必要があるとしている。政府は債務返済の財源として、将来的に増税を実施することを示唆、さらに、債務の借り換えなどが柔軟に行えるよう、予算関連の法律を改正する動きも活発化させている。
一九九七年の通貨危機以来、タイ政府は景気刺激策を優先させたため、公的債務は急激に膨らんだ。過去三年間で、一千五十三億バーツを海外から調達している。
現在は景気回復の追い風があるが、タイ経済に陰りが見えてくれば、公的債務負担は重くのしかかってくる。石油価格の高騰、株安、バーツ安、米景気の先行き不安、農産物価格の下落、不良債権問題――と不安要因には事欠かないのが現状だ。
反面、明るさを見せている分野が輸出や直接投資、個人消費など。商務省によると1―4月期の輸出額は昨年同期比で二四・六パーセント増加、2〇〇〇年の輸出額は六百四十億ドルに達する見通しだ。
タイ小売業者協会によると、1―4月期の小売業界の売り上げは昨年同期比で1〇パーセント増を記録、通年では昨年比一五パーセント増との強気の予想をしている。また、国営企業の業績は回復しており、第二四半期の純利益は二百二十五億バーツに達した。このため、政府保証債務の返済には支障はなさそうだ。
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