週間ニュース


●5月18日(木)

資産申告問題
 サナン民主党幹事長の資産申告疑惑で、国家汚職制圧委員会は、憲法裁判所の審理において、サナン氏が閣僚の就任、離任時に求められている資産申告で虚偽の報告を行ったと指摘した。同幹事長は、私企業から四千五百万バーツの借金をしたと主張している。これについては、この会社の帳簿に記録が残っていないが、サナン氏は同社首脳が個人的に貸してくれたものだからと説明している。しかし、汚職制圧委員会によれば、サナン氏が三千七百万バーツのぼる不正所得を隠蔽するために、借金をしていると虚偽の申告を行ったものという。

インターネット問題
 インターネットの普及に伴い、そのマイナス面にも関心が集まっていることから、バンコクで、「猥褻サイトやチャットにおける不道徳な発言の問題解決」と題されたセミナーが開催された。ここに出席したインターネットの専門家は、保護者や学校が年少者による不良サイトへのアクセスを防止するのを助ける必要があるとの点で一致した。しかし、全てのインターネット情報を検閲するとの考えに賛成する専門家はいなかった。シンガポールでは、それぞれのインターネット接続業者(ISP)がチェックを行い、猥褻サイトへのアクセスができないようにしている。また、中国でも政治的な理由で、ウェブサイトへのアクセスが制限されている。これらの専門家からは、このような規制は電子商取引の成長を阻害し、また、政府が自分に都合の悪い意見を封じ込めるために悪用する恐れがあると指摘も出された。

起業家育成計画
 大学生や新規大卒者に自営業をスタートするために総額三億バーツを融資するのとの政府の計画に経済界から否定的な意見が相次いでいる。パン・グループの経営責任者、ナノン氏は、「在学生や卒業したばかりの人が事業を興すのは経験がないため、非常に難しい。これは計画の意図とは逆に借金を背負い込ませる結果に終わる可能性が高い」と指摘した。この計画では、個人が百万バーツから三百万バーツまでの融資を受けられることになっている。また、大学庁のワンチャイ事務次官は、この計画を実施すれば、銀行の不良債権を増やすことになると警告している。

準備金口座の統合
 タイラックタイ党は、政府に対し、タイ中央銀行の複数の準備金口座を統合するとの計画を断念するよう要請した。同党副党首で蔵相経験者のスラキアット氏は、この統合は不必要であると主張するとともに、余剰金を負債返済に充てることも意味がないとしている。同氏によれば、この計画は社会的混乱を招くだけであり、政府は直ちに中止すべきだという。 


●5月19日(金)

資産の増加
 サナン民主党幹事長は、国家汚職制圧委員会が不正所得だと指摘した三千七百万バーツについて、適正に取得したものだと説明することができると述べた。同委員会によれば、この不正所得は九五年から九七年にかけ蓄えられたのものだという。これに対し、サナン氏は、資産隠しのための嘘だとされる四千五百万バーツの借金について、不動産事業に投資するつもりで、六千万バーツを借金をする予定だったが、規模を縮小したため、四千五百万バーツの融資受けることになったと説明している。この融資は九六年三月から八月にかけ十三回に分けて支払われたという。なお、サナン氏は、憲法裁判所からクロの判定を受けると、五年間に公民権を停止され、国政選挙には立候補できなくなる。

調査結果の公開
 バンコク都知事、そして、パランタム党党首を務めたチャムロン氏は、五月事件の報告書をすべて公開するよう求めている。国防省は同事件に関する六百ページに及ぶ調査報告書を、固有名詞を削除して公表することを決めている。また、チャムロン氏は、事件の犠牲者の追悼式典に出席した。この式典は、事件現場の都内ラチャダムヌン通りで、肉親を失った家族などが催した。また、作家のナオワラット氏がこの事件に関する本を出版しようとしている。同氏は近く出版できるとしているが、関係筋は、その内容に強い反発する向きもあり、出版には数年かかるのではないかとの見方もあると指摘した。

選挙法の改正
 タイ選挙管理委員会筋によれば、投票が繰り返し行われるといった国政選挙の問題を解決するには、憲法より選挙法を改正するのがよいという。このほか、同筋は、「選挙管理委員会の委員五人が全員賛成しなければ決定を下せないという規定も改める必要がある。現在は、五人のうち一人が反対しただけで、決定を下せない状態で、これは選管が職務を遂行するうえで障害になっている」と指摘した。

選挙違反で当選
 民間のタイ市民選挙ネットワークの代表、サンタナ氏によれば、上院議員選挙の第二回目の投票では、ナコンラチャシマ県で選挙違反にも関わらず四人の候補が当選を認定された。同氏は、「選挙違反に関する調査が杜撰であることが原因である。これらの候補は有権者に見返りを約束して投票を呼びかけていた。これは選管に報告してあるが、詳しい調査は行われなかった」と指摘した。


●5月20日(土)

放火の疑い
 ウィパワディ立体交差橋の閉鎖につながった今月一日の火事は、バンコク都庁の非協力的な態度に反感を持った者による放火の疑いがあるという。警視庁のチャクティップ副長官は、「都庁下水局は、警察が職員から事情聴取するのを妨害しているようだ」と指摘した。火災が発生した際にウィパワディ事務所で働いていた、警備員二人を含む同局職員七人は、警察の事情聴取に応じず、また、姿をくらませたと伝えられる。このため、警視庁は文書で同局に対し、事情聴取を要請している。同副長官は、「下水局は被害者であり、警察は真相を究明しようとしている。それなのに、下水局は非協力的な姿勢を見せており、おかしい」と指摘した。

発電所に抗議
 内務省によれば、パクムーン・ダムには発電施設を守るために、さらに警察官が投入される予定だ。バンヤット副首相兼内相は、「当局は力で抗議に集まっている者を排除するつもりはない。しかし、ウボンラチャタニ県が停電になり、また、洪水に見舞われるのを防ぐ必要がある」と指摘した。ダムの管理事務所近くの駐車場には今月十五日から抗議の農民が集まっており、その数は千人を超えている。バンヤット大臣によれば、農民たちが集まっている場所は安全ではないため、立ち退きを要請している。また、現場には警備に当たる者が少なく、不測の事態が起きた場合、収拾がつかなくなる恐れがあるという。

サッカー賭博
 警察当局は、来月十日から七月二日にかけてのサッカー・トーナメント「ユーロ2000」での賭博を防止するための策を練っている。警視庁の担当者によれば、サッカー賭博をする学生が増えており、これが問題になっている。以前には、賭ける金欲しさに盗みをしたり、人を殺したりする青少年犯罪も報告されている。サッカー賭博は、組織的なものはバンコク、チェンマイ、プーケット、パタヤ、ハジャイなどの都市で人気があるという。新聞社のインタビューに対し、ある学生は、サッカーには五百バーツから千バーツをかけていると述べており、また、ほかの学生は、警察が取り締まっても効果はないと答えた。


●5月21日(日)

株買収に反発
 タイラックタイ党のタクシン党首と関係の深いシン社が、サイアム・コマーシャル銀行からiTV株を買収証としているが、iTVのニュース・チームは、シン社が大株主になるのを阻止する動きを見せているという。関係筋は、「iTVは独立したテレビ局で、不偏不党の報道で定評がある。同局のニュース班は、政治的な横やりを心配している」と指摘した。今月二十二日、国立タマサート大学で報道の自由に関するセミナーが開催されるが、ここでiTVの職員グループがシン社による株買収に反対を表明する見通しだという。

地下鉄の路線延長
 政府の大型計画監督委員会は、バンコクの地下鉄のうち、「ブルーライン」路線をタプラまで延長するとのタイ高速運輸公社の提案を退けた。関係筋によれば、委員会は十九日に同案について検討を行ったが、建設費が高すぎるとの批判が相次いだという。同公社の計画によれば、六・四キロの路線延長では、設計・工事に二百七十億バーツ、土地の収用に三十億バーツ、電装工事に六十億バーツ、その他に四十億バーツが必要とされている。同公社を監督する立場にあるソンブン副首相は、設計・工事費は二〇%程度カットできるはずだとしている。

性教育の必要性
 バンコクでは学生の性意識の変化に伴い、様々な問題が起きており、中学校、高等学校で適切な性教育を早急に行う必要があるという。ある学校のガイダンス・カウンセラーによれば、同行では中学一年生から高校三年生までが学んでいるが、一年間に平均して四人の女子学生が妊娠しているという。同カウンセラーは、「これまでも学生が妊娠することはあったが、それはレイプなどによるものだった。今は状況が違う」と指摘している。


●5月22日(月)

経済危機の損失
 タイ中央銀行の発表によれば、九七年半ばのバーツ暴落に伴う経済危機でタイが被った損失は総額八千億〜一兆二千億バーツにのぼるという。国民一人当たり約二万バーツという計算になる。これにより国の借金は膨れあがっている。このため、金融当局は、数ヶ月にわたり、この一兆八千八百億バーツにのぼる国の借金を以下に減らすかについて協議を続けている。

国会議長の後任
 与党第一党・民主党関係筋によれば、新しい国会議長の候補としてマルット元下院議長、タウィン議員、ブンチュー氏の名前が挙がっている。また、現在、閣僚を務める民主党議員が国会議長に選ばれるとの見方があるものの、同筋は、その可能性はないと指摘した。現在のワンノー国会議長兼下院議長は来月二十四日に正式に辞任すると表明している。また、国会議長兼下院議長は、与党第一党から出すのが伝統だが、現在の政権はその途中で、チャワリット新熱望党党首が首相を辞任し、民主党党首のチュアン氏が新しい首相に選ばれたという経緯があり、ワンノー氏が野党議員となったものの国会議長を引き続き務めている。

汚職隠しの疑い
 ピチット・バンコク都知事によれば、ラチャウィパー立体交差橋の火事は、汚職を隠蔽するための放火による可能性があるという。同知事は、「過失や事故で火災が発生したとは考えにくい。火元とされるゴム製給水管は燃えやすいものではない」と指摘した。これらの給水管は、ラチャウィパー立体交差橋の下に保管されており、また、これが燃えたことにより、立体交差橋の構造自体にダメージが及んでおり、修理には半年程度かかると予想される。警察は、当初、廃品回収業者が給水管に取り付けられた金属部品を盗むために火を付けた可能性があるとも考えていたが、現在は、何らかの理由で放火されたと見ているようだ。現場からは、放火の際に使われたと思われる、焼けた棒切れと布切れが見つかっている。


●5月23日(火)

首相に陳情
 テレビ局「iTV」の経営再編計画で、タクシン・タイラックタイ党党首が大株主のシン社がiTV株の大半を取得しようとしているため、iTVの社員グループが、公正な報道を維持するためとの理由で、チュアン首相に、この計画の中止を陳情した。しかし、iTVの経営陣および現在の大株主、サイアム・コマーシャル銀行は、シン社に株を売却してもニュース報道のポリシーに変更はないと説明している。

私学の授業料
 政府の私学委員会によれば、現在内容が検討されている私学法案では、国内の民間教育機関は独自に授業料を設定することが許される予定だ。同案では、新しい私学法は二〇〇二年に制定される見通しだ。この新法に関する一般市民の意見を聞くため、来月六日にヒアリングが行われる予定だ。なお、現在、私立の学校で授業料を物価などに応じて改定することが許されているのは約五十校で、そのほとんどがインターナショナル・スクールだという。

更迭の要求
 タリン蔵相は、その経済政策に不満を持つ市民グループなどから更迭要求を突きつけられる可能性があるが、景気の回復がさらに顕著になれば、大蔵省の措置が間違っていなかったことが分かるはずだと述べて、これまでの経済政策に自信を示した。また、年内には総選挙(下院議員選挙)が実施されるが、タリン大臣は、民主党が勝利すれば、再び蔵相を務める用意があると明言した。同大臣は、「現在の経済状況については、一部から不満の声が出ているのは知っている。しかし、経済は全体としては回復しつつある」と指摘した。

選挙法の抜け穴
 バンコク都庁のプラサート助役によれば、バンコク都知事選では、公示前に立候補予定者が有権者の買収に巨額の資金を投入することが予想されるという。タイ選挙管理委員会によれば、選挙費の使用は選挙公示後は法律に忠実に従うことが求められている。有権者に自分の意見や構想を伝えることは、公示前では、選挙運動とは見なされない。このため、タイラックタイ党のスダラット女史などは、現在、テレビやラジオのスポットを通じて、バンコクに電気バスを導入する意向であることを宣伝している。なお、バンコク都知事選は、選挙期間中の選挙費が、候補一人につき二千百万バーツに制限されている。


●5月24日(水)

民営化に反対
 国有企業・タイ電話公社の職員団体代表によれば、職員の待遇に影響が及ぶ国有企業の民営化には強く反対してゆく方針だという。同代表は、「国有企業三十六社の職員団体は、この件について、それぞれの公社の経営陣と話し合いをすることにしている。職員の待遇に影響する民営化計画については、まず職員の同意を得る必要がある」と指摘した。このほか、同代表は、職員グループの要求のうち、重要なポイントが退けられない限り、国有企業職員による抗議集会などはないと述べた。

元副大臣が死亡
 チェンライ県で、サンティ元副内相が、ピストルで撃たれて死亡した。目撃者によれば、サンティ氏は自分のオフィスにいるときに、中に入ってきた男に至近距離から撃たれて死亡した。犯人は部屋に入ってくると、ヘルメットをとり、ピストルを取り出し、サンティ氏に向けて発砲した。同氏は護身用に拳銃を所持していたが、それを使う余裕もなかったという。警察によれば、同氏はチェンライ、チャイヤプム、チェンマイで事業を行っており、ビジネス上のトラブルが殺害の原因である可能性もあるという。


[BANGKOK SHUHO]