経 済

変貌するリクルート戦線

インターネット時代の課題も


 求人・求職活動が活発化している。景気回復を反映し企業が積極的に求人活動を開始したり、転職先を物色するサラリーマンやOLが増えているからだ。最近の特徴として、技術職を中心に、インターネットを利用した求人・求職活動が顕著になっている。企業にしてみれば、コンピューターに習熟した良質な人材を効率的に募集できるという理由で人気が高い。

 現在では多くの企業がフレキシブルな人材募集ができるネット求人を利用している。従来の新聞広告や人材斡旋業者を使った求人活動に比べて、大幅にコストを削減できる点が大きい。掲載料金は日刊紙などと比較すれば破格の料金で済むうえに、無料で求人情報を掲載してくれるウェブサイトさえある。

 タイの求人・求職ウェブサイトの草分け「ジョブズDB」(http://www.jobsdb.com/)では企業に対し、すべてのリクルート業務を同社に委託することを提案している。随時求人情報を掲載することが可能なだけでなく、登録者の中から条件に適合した人材を検索することもでき、大量の応募者を処理する手間が省けるというのが売り文句だ。すでにフェデラルエクスプレスやハイデルベルク・グラフィックスなどがこのサービスを利用している。

 国境を越えた求人活動を展開できるのも、ネット求人の長所。東南アジアに複数の拠点を持つ企業は多いが、そうした企業でも効率良く人材を集めることができる。また、金融や情報技術など、国際派の人材が必要とされる業界では、国籍にこだわらない求人活動をおこなうことが可能だ。最近では、タイに本拠を置く日系企業が、日本人の現地社員を募集するのにインターネットを利用するというケースも増えている。

 しかし、こうしたネット求人をする企業には悩みの種もある。インターネットには国境がないため、どこの国の人が応募してくるかわからないという点である。「ネットでは国籍を明記しないと、世界中から応募があって戸惑うこともある」と説明するのは、タイに本拠を置く求人情報サイトの管理者。新聞広告が主流の時代には考えられなかった問題と言えよう。

 インターネットの利用は、求職者にとってもメリットが大きい。自分の履歴書を限定公開することで複数企業にアピールすることができ、就職活動が効率的に行える。また求人情報や企業からの打診を電子メールで受け取れるのも利点と言える。

 こうしたインターネットを利用した求人・求職活動はタイに限ったことではなく、世界的なブーム。企業と求職者のニーズをよりマッチすることができるインタラクティブ性がその原動力だ。今後は求人・求職メディアの主流になっていく可能性が大きい。       

(山岡 耕志郎)



[BANGKOK SHUHO]