コック・イン・ナン導水計画
北部住民、NGOグループと会合
「日本政府は借款供与中止を」
五月四日、ピープルズ・フォーラム二〇〇〇の会場となっているチェンマイ・プーカムホテルで、ADB総会に合わせて来訪した日本のNGOグループと北部農民が会合し、コック・イン・ナン導水計画に関する問題が話し合われた。同計画は中央平原の水不足を補うため、メコン川水系の水を利用する事業計画で、日本の国際協力事業団(JICA)がフィージビリティ・スタディを行っている。
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会合の中でパヤオ県の住民代表は、同事業に伴う移住の可能性に懸念を表明。「タイ政府機関から事業の説明を全く受けておらず、住民に与える影響がどの程度に及ぶのかわからない」と語った。
河岸を利用して畑作を行っているナン県の住民は、導水に伴う洪水を心配している。「貴重な現金収入であるタバコ栽培が出来なくなるのではないか」と不安を述べた。
また住民の多くは慣習的に土地を継承して使用しており、正式な土地権利書の発行を受けていない。このため同事業が承認された際、影響住民とみなされないことも考えられる。
事業地で活動しているタイNGOのスタッフは「政府が行った環境影響調査はまだ一部しか公開されておらず、住民が生活への影響を知ることは難しい」と述べている。
住民は、調査資金を出した日本政府がさらに同事業への借款を供与しないよう、日本のNGOグループが日本政府に働きかけることを強く要望した。
これに対し日本のNGOグループは、情報収集を続けながら、日本政府に働きかけることを約束。「中央平原の都市化が進む地域では、節水や保水林植樹などの水不足解消策が全く検討されていない。その一方で多数のトンネルやダムを必要とする導水計画が推進されていることに疑問を感じる」と語った。
*コック・イン・ナン導水計画とは
メコン川支流のコック川の水を、水不足のチャオプラヤ川に転流する計画。水をとられるコック川流域の水がれ、百キロのトンネルや掘削土よる影響、水を受けるナン川流域での洪水など多くの問題が指摘されている。JICAが九九年八月まで開発調査を実施し、現在、円借款の供与が検討されていると言われている。
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