幼児を利用した密入国犯罪
米国でタイ人男児、保護
犯人の男女はタイに強制送還
先月十一日、タイ人の男児パヌポン・カイシちゃん(二歳あるいは三歳)を自分たちの子供に見せかけて、変造パスポートで入国しようとしたインドネシア人男性と中国人女性が米国ロサンゼルスで逮捕された事件で、タイ検察庁国際課のワンチャイ・ルチャナウォン検事は、米国から強制送還されたこの男性を早期に国外退去処分とした警察庁入国管理局の対応を批判した。
関係筋によれば、このインドネシア人男性は、米国などに不法手段で外国人を送り込んでいる組織のメンバーで、また今回の訪米は、ともに逮捕された福建省出身の中国人女性を米国に入国させることが目的だったとみられている。パヌポンちゃんは、入国管理官に怪しまれないよう、家族連れを装う道具に使われたようだ。
パヌポンちゃんは米国の非営利団体『タイ・コミュニティー・ディベロップメント・センター』のスタッフが一時面倒をみることになり、また逮捕された男女はタイに送還されたが、タイでは警察庁入国管理局がその直後にインドネシア人男性を「好ましからざる人物」として国外退去処分とし、さらに中国人女性の保釈も許可している。 これら措置について、ワンチャイ検事は、「身柄を拘束して調査することで、米国に外国人を送り込む犯罪組織に関する重要な情報が得られたはずだ」と入管の対応を非難。またインドネシア人男性の変造パスポートに押してあったタイの出入国印が偽物であったことから、入管では、「同局の職員が関与した疑いもある」として現在、内部調査を進めているところだ
一方、米国からすぐにパヌポンちゃんがタイに送還されなかったのは、タイにいる実母が犯罪に関与している疑いがあるため。タイ法務省によれば、「母親はバンコクで中国系の男性と一緒に生活していたが、この男性は現在、その所在が分からなくなっている」という。またこの男性は定職がなく、近隣国をよく旅行していることから、犯罪組織との関与が疑われている。
なお、パヌポンちゃんの父親はエイズ感染を苦に二年前に自殺。現在、死亡した父親の両親(チェンマイ在住)が引き取りを申し出ているという。
|