経 済

ベトナム
国営企業、6割を整理---2005年まで

意気込む政府/戸惑う従業員


 国営企業改革が遅れているベトナム政府は、現在五千二百八十社ある国営企業を、二〇〇三年までに三千社、二〇〇五年までに二千社へ整理する方針を打ち出した。これは八六年より開始されたドイモイ(刷新)政策に則ったもので、赤字国営企業の整理・統合と黒字国営企業の株式化を中心に枠組みされている。 

 国営企業改革は、八〇年代半ばより市場経済化への転換を目指した政府が打ち出した政策だった。国営企業の経営自主権と財政自主権を拡大し、八九年以降は財政・金融改革を通じて国営企業の補助金を大幅に削減した。その結果、政策導入前に一万二千社あった国営企業は、六千社にまで整理された。

 ところが九〇年台前半より社会主義市場経済が導入されると、これまでとは打って変わり、国営企業の競争力強化が図られるようになった。国は国営企業に対して資金面で特別支援をし、不良債権問題を抱える企業にも無担保での貸出を許した。これにより国営企業が占める工業生産のシェアは六〇%まで増加し、八%を越える経済成長率に貢献した印象を与えた。しかしこの数字には外資との合弁企業が多数含まれていて、実際のシェアは四〇%程であった。また九八年の政府の発表では、九割以上の国営企業が赤字になっていたのである。

 経済危機後、財政負担となった政府は、赤字国営企業の救済法として国営企業の株式化を進めている。だがそれは従業員の反対から遅れている。統計によると、九九年までに株式会社化された国営企業は三百七十社。その中の四十社を対象に行った調査では、労働者数は一〇%増、平均取得は二〇%増、総収益は二六%増と順調な発展を遂げているが、これは特別な例と言ってよい。

 多くの国営企業では、経営難から人員削減や給与削減を行う問題が深刻化している。例えば石炭公社では、五万二千人の総従業員のうち一万四千人だけが常勤で、ホワイトカラー労働者には向こう三カ月間の給料半減が伝えられている。

 また大蔵省の発表によれば、中小国営企業を対象に進められている株式会社化で、百七十万の従業者のうち三万一千九百九十八人が離職しなければならないとしており、退職金の不足が予想されている。これに対し、大蔵省は国営企業従業員が民間、集団(地域社会)、半官セクターに移った場合、それまでに拠出していた社会保険から引き続き給付を受けることができるようにし、転職を促している。

 一部の国営企業では、監査法人を雇い経営の立て直しを図っているところもある。しかしプライスウォーターハウスによると、ベトナム国営企業の経営方針には依然秘密主義なところが根強く残っていて、財務諸表などの情報は公開したがらないところが多いという。同社はこういった点も、国営企業改革の課題として重視されるべきだと指摘している。


[BANGKOK SHUHO]