週間ニュース


●4月20日(木)

最低賃金の凍結
 中央賃金委員会は、経済への悪影響を考慮して、最低賃金を引き上げないことを再び確認した。このまま賃金がアップされなければ、三年間賃金が凍結されることになる。委員会のチャンタラット議長によれば、委員会は政府、雇用者、被雇用者の代表で構成されるが、賃上げを求めたのは被雇用者代表の七人で、残りの代表は賃金の凍結を主張した。

上院の初会議
 新しい上院議員は、先の選挙において選挙違反が判明した候補が当選認定を拒否されたことから、再び三十五県で投票が行われるが、現在のように二百人全員が揃わない状態で上院の初会議を開くことができるかどうかで憲法裁判所でも意見が割れている。憲法には上院は二百人の議員で構成されると規定されているが、初会議を開く条件については明記されていない。タイ選挙管理委員会が当選認定を拒否したのは七十八人で、現在、百二十二人の上院議員が決定している。関係筋によれば、最高裁の判事十三人に間からは、二百人全員が揃わなくては初会議は開けないという意見、再度の投票が行われるために初会議を遅らせる必要があるとの意見などが出ている。憲法裁判所はこの数日中に正式な判断を下す見通しだという。

意見の対立問題
 タイ中央銀行のチャトゥモンコン総裁とタリン蔵相の対立が、タイ中央銀行法の改正案を巡り、表面化していることから、チュアン首相が仲介役を買って出る意向だ。チュアン首相は、二人を昼食に招いて、話し合わせる考えだという。チュアン首相は、タリン蔵相がチャトゥモンコン総裁の更迭を準備していると伝えられるが、これについて、「話し合いで溝を埋めることができる。チャトゥモンコン総裁は有能な人物であり、解任の必要はないと思う」と述べた。

新しい党役員
 最大野党・新熱望党では、チャワリット氏が党首を、そして、チャトゥロン議員が幹事長を辞任したことから、今月三十日に予定されている党大会で役員全員が新たに選ばれることになった。チャワリット氏は、「役員を新たに選ぶことで、木を揺らして落ちるべき木の葉を落とすことができる」と述べて、離党を考えている議員に決断の機会を与えるとの考えを示した。チャワリット氏の党首辞任は、チャルム副党首の二人の息子を党公認候補として次期総選挙に擁立するかどうかの問題が原因と伝えられるが、同氏およびチャトゥロン議員の双方が、無関係と述べている。同党では、なにかと評判のよくない、チャルム党首の息子たちを嫌う議員が少なくないが、先にチャワリット氏は党公認候補とすることを正式に決定した。このために党内では、対立が表面化したと伝えられる。


●4月21日(金)

副首相の提言
 スパチャイ副首相兼商務相は、タイ中央銀行と大蔵省に対し、いがみ合いを続けるのではなく、中銀の外貨準備の件と、国債の発行の件を合わせて協議し、金融機関開発ファンドの赤字埋め合わせにつなげるよう提言した。中銀と大蔵省の間ではこの数週間、複数の外貨準備をひとつに統合する計画について非難合戦が起きている。また、約七千億バーツにのぼる国債の発行というチャトゥモンコン中銀総裁の提案について、スパチャイ副首相は、「政府がこのように巨額の国債を発行することは経済に悪影響を与える」と述べて、反意を表明した。

幹事長の追い出し
 関係筋によれば、新熱望党ではチャワリット氏が党首を辞任したが、これはサノ議員を幹事長から追い出したのと同じ策略だという。同氏は党の改革を推進するためとの理由で党首を辞任したが、党首辞任で党役員は全員新たに選ばれることになる。ここはチャトゥロン議員を幹事長のポストから追い出すための策略だという。なお、チャトゥロン議員はすでに幹事長を辞任しており、また、再び同じポストにとの声も聞かれるが、同議員は固辞しているという。

投票の呼びかけ
 タイ選挙管理委員会は、三度目の投票を避けるために有権者に対し、二度目の投票に全員が出かけるよう呼びかけている。四月二十九日に上院議員選挙の再度の選挙が実施されるが、同委員会は、有権者が全員投票すれば、不正行為をした候補が選ばれることもなく、三度目の投票を行わずに済むという。先に行われた世論調査によれば、再度の投票に行くかとの質問に対し、約二八%が行かないと答えている。これは政治に飽き飽きしたとの理由による。また、一六%がまだどの候補を選ぶか決めていないと回答した。

閣僚選びに反発
 先の小規模な内閣改造で与党・チャートタイ党からウィロート議員が副首相に就任したことに市民団体などが反発している。これら団体によれば、同議員は、九二年の五月事件の際に、警察局中央捜査課の責任者を務めており、民主化を求める市民と軍、警官隊の衝突で多数の市民が死亡した事件に責任があるという。これらの団体は、同党、チュアン首相、与党第一党の民主党などに、このような人物を副首相に選んだ責任があるという。運動家の一人は、「ウィロート議員の手は血にまみれている。これはバンハーン・チャートタイ党党首もチュアン首相も十分承知のはずだ」と指摘した。


●4月22日(土)

セミナーで解決
 タリン蔵相は、中銀の外貨準備の統合に関する混乱は来月開催されるセミナーでクリアされるとの見通しを示した。同大臣は、「この件については近く中銀総裁と協議したいと思っている。来月のセミナーで中銀と大蔵省の問題には終止符が打たれることになる」と述べた。このセミナーは当初今月三十日に開催される予定だったが、アジア開発銀行の総会の準備のため来月に行われることになった。また、タリン大臣は、「混乱が生じていることについては不快に思っている。これはタイ経済への信頼に影響する。このため、混乱をクリアする必要がある。また、大蔵省が中銀の権限を縮減しようとしていると一部で報道されているが、これは事実ではない」と述べた。

空港施設の拡張
 プラディット副運輸通信相によれば、タイはこの地域の航空センターとの地位を維持するためにドンムアンのバンコク国際空港の施設を拡張する必要があるという。現在、拡張計画が進められており、これには総額三十八億バーツが投入される予定だ。同副大臣は、「スパチャイ副首相兼商務相を議長とする新バンコク国際空港開発委員会はノングーハオの第二バンコク国際空港をタイの唯一の空の表玄関とすることを決めたが、これは現在のバンコク国際空港の拡張計画とは一切関係がない」と指摘した。タイ空港公社のヨム副総裁も、ノングーハオの空港が完成するまでの間、利用者の増加に対応するためにバンコク国際空港の拡張を進める必要があると指摘した。

次期総選挙の予想
 民主党の党大会で出た意見によれば、次期総選挙は同党とタイラックタイ党の一騎打ちという様相を呈すものと予想される。これは、これらの政党以外の政党がすでに弱体化していることが大きな要因だという。同党のチャムニ副幹事長は、「タイラックタイ党は、様々な政党から議員を引き抜いており、恨まれている。このため、年内に実施される総選挙で勝利したとしても、ほかの政党と手を組めるとは考えない方がよい」と述べた。


●4月23日(日)

批判に反論
 民主党の党大会では、同党が裕福な人々や有名人だけを助けようとしているとの批判に反論する形で、党幹部が国民全体の利益を考えていると力説した。同党幹部のタリン蔵相によれば、政府は一千億バーツで巨大な給水システムを構築しようとしている。このシステムはこの先四年から五年の渇水問題に対応することが可能だという。また、銀行などの金融機関、すなわち、裕福な階層を救済することだけが民主党の関心事だとの批判に対し、タリン大臣は、「政府は土地を持たない農民の借金問題を解消するために十八億バーツを投じて農民リハビリファンドを設置している。この基金は近く五十億バーツに増額される」と説明した。

容疑者の保釈
 新熱望党筋によれば、米国で逮捕された、同党のチーフ経済顧問の保釈が近く申請される見通しだ。スラサク顧問は、国連の経済制裁に反して、イラクから原油をタイに輸入しようとしたと、その交渉のために訪れた米国で逮捕された。同顧問の弁護団は、米当局が仕組んだ罠にはまったもので、また、罪を犯してはいないと主張する方針とされる。同容疑者の保釈金は千五百万バーツ程度になりそうだという。

新熱望党の将来
 新熱望党の党首を辞任したばかりのチャワリット議員は、同党にはまだ力があるとの認識を示した。これは、民主党幹部が、新熱望党は次期総選挙では民主党の敵ではないと述べたことに反発したもの。チャワリット議員は、「民主党は新熱望党を見下している。しかし、見ているがいい」と述べた。また、新熱望党では現在、幹事長ポストが空席になっているが、チャワリット議員は、「急いで幹事長を決める必要はない。当座は空席のままでもよい」と述べるとともに、部外者でも適役であれば、幹事長に抜擢するとの考えを示した。しかし、これに対しては、党内部からも反対意見が出ている。同党のパイチット副党首は、「(総選挙までの)三ヶ月か四ヶ月のために部外者を招き入れることには反対だ。これまで幹事長を務めていたチャトゥロン議員がこのポストにもっとも適している」と指摘した。


●4月24日(月)

首相の努力
 チュアン首相は、タイ中央銀行と大蔵省が外貨準備口座の統合で対立していることから、両機関の責任者を引き合わせて、話し合いで問題を解決しようとしているが、中銀のチャトゥモンコン総裁とタリン蔵相は互いに直接会うことを嫌っているという。結局、チュアン首相は政府庁舎で二人と別個に会うことになった。チュアン首相との会談後、タリン大臣は、「チャトゥモンコン総裁と会えなかったが問題はない。中銀で近く行われる会議で顔を合わせることになる」と述べた。

空き家に廃棄物
 警察の発表によれば、都内ソイ・ワタナチャイにある住宅の敷地内で化学品が詰められた約百二十本のドラム缶が発見された。付近の住民からは異臭がするとの苦情が寄せられていた。防護服に身を包んだ政府機関の職員がドラム缶の中身を検査した。これら職員は、ドラム缶には可燃性の溶液が入っていたと述べたが、どのような化学品なのかには言及しなかった。これらのドラム缶は廃棄場所に困った業者が放置した可能性があるという。また、職員の一人は、「ドラム缶にはアジア・パシフィック・ペトロケミカル社の名前が入ったラベルが貼られているものもあったが、内容物がラベルとは異なる可能性もあり、また、この会社も無関係かもしれない」と指摘した。

新しい調査チーム
 警視庁のワンナラット長官によれば、リキット検事が何者かに命を狙われた問題で、警察は新しい調査チームを設ける方針だという。同検事は、ソポン副下院議長の実弟で、実行犯は逮捕されたものの、主犯格がまだ逮捕されていない。同長官は、「パトゥムタニ県のカンチャナピセーク・スポーツコンプレックスの建設を巡る利害対立が原因である。リキット検事はこの建設計画のコンサルタントを務める会社のオーナーと親しく、また、この会社は工事請負会社との間で問題を抱えており、これが原因でリキット検事が狙われた」と説明した。


●4月25日(火)

新たな廃棄物
 バンコクに隣接するパトゥムタニ県で、約百六十本のドラム缶に入った廃棄物が学校の近くで発見された。二日前には都内バンケンで百六十本あまりのドラム缶に詰められた化学廃棄物が見つかっており、これは現在、工業団地の敷地内に一時保管されている。この百六十本については、内容物がベンゼン、トルエン、キシレン、エチルアセテートなど化学品や塗料の溶剤であることが判明している。関係当局によれば、この廃棄物は可燃性であるため危険ではあるが、長期にわたり蒸発したガスを吸引しない限り健康には影響はないという。また、今回パトゥムタニで発見された化学廃棄物については、アユタヤ県のバンパイン工業団地に一時的に保管される予定という。

喫煙シーンの禁止
 閣議で、ドラマなどの禁煙シーンのテレビ放送を禁止することが、憲法で保証された表現の自由を侵さない範囲という条件付きで合意された。また、禁煙運動を推進しているハタイ医師は、同様の喫煙規制措置が設けられているのものの、それが思考されることがほとんどないと懸念を表明した。関係筋によれば、喫煙や飲酒のシーンは以前は規制されていたが、以前のアナン内閣による放送自由化により、現在は野放し状態になっているという。

象の事故で死者
 チョンブリ県にあるスワン・ノンヌット・パタヤ・リゾートで象に牙で突かれた英国人女性(二〇歳)が入院先の病院で死亡した。同リゾートのショーの途中、十八歳になる雄の象が急に暴れ出し、近くにいたこの女性が致命傷を負った。女性を助けようとした父親と姉も負傷した。同リゾートは責任を認め、賠償する用意があるという。また、パタヤ市では、象のショーを旅行者に見せている施設の代表を緊急に集めて、安全対策が協議された。


●4月26日(水)

アプローチ
 タイラックタイ党のスポークスマン、スラナン氏によれば、同党は、党内で四面楚歌状態にあるチャトゥロン新熱望党前幹事長、ポンポン・チャートタイ党前幹事長に入党を打診している。まだ両人とも参入の意向を表明していないが、関係筋によれば、チャトゥロン議員は、アディソン議員、ウィタヤ議員、マノップ議員らとともにタイラックタイ党に移籍する可能性が高いという。また、同スポークスマンは、民主党がタイラックタイ党のポリシーを批判していることについて、「他者のイメージを落とすようなコメントはすべきではない。民主党はより建設的な姿勢を示すべきだ」と指摘した。民主党によれば、貧者救済に重点を置くとのタイラックタイ党のポリシーは全く新鮮味のないものだという。

選挙違反
 二十九日に行われる、二度目の上院議員選挙の投票では、三十五県のうち選挙違反行為が報告されていないのはムクダハン県だけだという。選挙関連運動を監視している民間団体によれば、候補者が有権者を招いて宴会を開く、現金や物を渡すなど、選挙違反が報告されているが、当局はなにも措置を講じていないという。今回の選挙は、初回の投票で七十八人に及ぶ候補者が選挙違反で当選認定を受けられなかったことから実施されるが、タイ選挙管理委員会によれば、今回の投票で不正行為が確認されれば、三度目の投票も避けられないという。


[BANGKOK SHUHO]