総 合

違法腎臓移植
複数の医師が関与

脳死認定でも規定違反


 タイ中部サムットプラカン県内のワチラプラカン病院が「臓器移植に問題があった」との疑いをかけられた一件で、継続調査を行ってきた医務評議会は、「このほかにも腎臓移植で十人程度の医師が倫理違反のために処分される可能性がある」と報告した。評議会では先に、同病院の医師を含め、臓器移植を希望している患者から金銭をもらい、臓器提供の斡旋をなどをした者を厳しく処分するとの方針を明らかにしていた。

 評議会のスポークスマン、スウィット・ウィブンポンプラサート医師は、「臓器移植が厳正に行われるよう、さらに調査を行う必要がある」と発言している。同医師によれば、ワチラプラカン病院では、九人の患者が腎臓移植を受けているが、提供者は血縁者ではなく、これは九五年十月六日に医務評議会が発表した臓器移植規定に反している、という。これらの患者は、健常者の片方の腎臓を提供された。

 また同評議会によれば、病院に入院していた重病患者の臓器が死後に勝手に移植されたとの問題では、現在のところ、医師が提供者の死期を早めたとの証拠は見つかっていない。しかし、臓器提供者の脳死認定において規定が守られていなかった疑いもあり、評議会ではさらに調査を継続していくことにしている。

 医務評議会の規定では、脳死の認定においては三人の医師が六時間の間隔を置いて二度検査を行い、また、脳死認定に報告は、その医療施設の最高責任者の承認が必要とされている。ワチラプラカン病院では、臓器提供者の脳死認定において、一人あるいは二人の医師が検査を一度しか行わなかったとの報告もある。

 評議会では、臓器移植に関連した規定だけでなく、患者が十分な治療を受ける権利があるとの法律や保険に関連して医師や医療機関に不適切な行為がなかったか詳細に調査してゆく方針だという。

 なお、同病院での臓器移植問題では、すでに執刀医など合計五人の医師が医師免許の停止や剥奪の処分を受けている。


[BANGKOK SHUHO]