総 合

バンコク日本人商工会議所
奨学金の支給を開始

地方での人材育成に貢献


 バンコク日本人商工会議所では今月二十日、プミポン国王の六周期を記念して、五年にわたり準備を進めてきた「JCC二十一世紀教育基金」からの奨学金支給を実際に始める、と発表した。

 同商工会議所では「日系企業の自主的なタイ社会への貢献活動を通じてタイでの企業活動の基盤を強化すること」を目的として、一九九五年四月から同教育基金の募金活動を実施してきた。さらに、経団連と共同で実施していた東北地方の中・高校生を対象とする奨学金プログラムが予定期間を終了したため、その基金も吸収することになり、「JCC二十一世紀教育基金」の総額は現在、一億バーツに達することになった。

 バンコク日本人商工会議所では今後、基金の運用益を使い、工業・農業・漁業分野での技術者・研究者を育成するため、奨学金を支給していくことになる。

 同基金の基本方針としては、(1)タイ国経済の持続的成長を維持していくために、工業・農業・漁業分野で優秀な人材を育てる(2)短期的な支援に終わらないものにする(3)各種機関の援助が手薄となっている地方での人材育成に貢献する――ことが挙げられている。

 具体的には、地方の大学で工業・農業・漁業関係の学部に在籍する大学生に対して、ひとり当たり年間三万バーツの奨学金を支給、奨学生はこれを学費と教材費などに使用することになる。奨学金の授与期間は四年間、毎年二十人ずつが新規に登録されるため、最大で年間八十人が同奨学金の恩恵を受けることになる。

 さらに人材育成という奨学金の趣旨を徹底するため、一年毎に学業成績を調査、成績がよくない奨学生に対しては、奨学金の支給打ち切りが検討される。しかしその一方で、成績優秀者には学習機器を贈与するなど、徹底したバックアップがなされることになる。

 今回、奨学金授与の対象となるのは、チェンマイ大学(北部)、メージョー大学(同)、コンケン大学(東北部)、スラナリ工科大学(同)、ソンクラナカリン大学(南部)の五校。(1)地方の有名校であること(2)農学部と水産学部が設置されていること――が選抜理由ということだ。

 今回、大学庁を通じて奨学金申請があったのは三十七人。その後、大学庁と日本人商工会議所が協議し、最終的に各大学で四人、合計で二十人を選抜した。奨学金の授与式は七月になる予定だ。

 当日はプラチュアップ・チャイヤサン大学庁長官も出席。同長官は、「全国で教育機会均等のために政府は予算をさいているが、決して十分とはいえないのが実情。そのため民間の役割が重要になっている。今回、バンコク日本人商工会議所が地方の大学教育に目を向けたことは非常に歓迎すべきことだ」と同奨学金プロジェクトを評価するとともに、「この奨学金が貧富の差のなくす一助になるだろう」との期待も表明した。

(倉林義仁記者/ルァンイッサラー・カライジンダー記者)



[BANGKOK SHUHO]