総 合

バンコク都庁
危険廃棄物放置に警鐘

ゴミ箱細分化で分別徹底


 四月下旬バンコク都内二カ所の空き地で、化学物質が入った百本を越えるドラム缶が相次いで発見された。都内では今年二月、放射線医療機器会社が駐車場に放置していた機械の部品が廃品回収業者に持ち込まれ、放射能漏れで死傷者が出る事故も起きている。科学技術環境省汚染管理局によれば、九一年に年間九十三万トンだった国内の危険廃棄物は、九六年には百六十万トンまで増加、二〇〇一年には二百八十万トンに達することが予想されている。バンコク都庁では危険廃棄物を始め、リサイクル可能なゴミを分別する計画を進めている。

 四月下旬、都内では「異臭がする」との住民の通報によりバンケン地区で百六十本、パトムタニ地区百五十本の、空き地に放置されたドラム缶が見つかった。汚染管理局は調査の結果、内容は塗装用の揮発性溶剤で密封されている限り危険はないと述べているが、出所などについては警察が調査を進めている。バンケン地区の百六十本のうち、五本は蓋が開けられて周辺に刺激臭が漂っており、放置された後、くず鉄回収人が中身を捨ててドラム缶を売却しようとした可能性も疑われている。バンコク都庁ではドラム缶を不法に放置した業者を保健環境条例違反で警察に告訴した。

 バンコク都庁では昨年より、ゴミの分別を推進している。マヒン・タンブンペム都知事顧問によれば、都内のゴミ回収量は昨年が一日当たり九千トン、今年は一万トンと増加を続けており、分別やリサイクルが急務だという。ゴミの分別はまだ都民の理解を得ておらず、アンケート調査によれば「ゴミを分別している」、「ときどき分別する」という人はそれぞれ三〇%にすぎず、残り四〇%は「分別したことがない」と答えている。

 近年、都内の路上には多くのゴミ箱が設置されるようになったが、分別されていないもの、「乾いたゴミ」と「濡れたゴミ」の二種類に分けられたものがほとんどを占める。マヒン都知事顧問は今後、従来の「乾いたゴミ」の黄色い箱と「濡れたゴミ」の緑色の箱を、新たな分別の箱に変えることを計画。今年に入って、民間企業からの寄付で約百万個のゴミ箱が確保できたため、徐々に新しい分別用のゴミ箱を配置していくと語っている。

 新しい分別は「普通ゴミ」の黒い箱、「リサイクル可能なゴミ」の緑の箱、「危険物」のオレンジ色の箱の三種となる。また一部にはガラス、紙、プラスチック、特殊ゴミの四種について、分別用ゴミ箱が置かれることとなる。

 都庁は昨年十月、タイ環境学会(TEI)及びカセサート大学の協賛で「グリーン・バルコニー・キャンペーン」を都内九区で試験的に実施した。都庁はこのキャンペーンで、ペットボトルなどのプラスチックゴミ一キロを花が植えられたプランターと交換し、都民にゴミ全体の三〇%を占めるプラスチックゴミのリサイクルを呼びかけた。

 また四月四日にはピチット・ラッタクン都知事が都庁リサイクルセンターの開設を発表。プラスチックやガラス瓶、アルミ、鉄などリサイクル可能なゴミの買い取りのほか、再利用可能な品物の寄贈先斡旋、中古品交換の仲介を行っている。

 都内で収集されたゴミは一旦民間業者に引き取られ、分別が行われている。しかし細かな分別は不可能なため、ゴミのほとんどは埋め立てや焼却で処理されてきた。マヒン都知事顧問は「ゴミを分別したことのない人がまだ多い。まずゴミ箱を設置することで分別の必要性を都民に知らせたい」と語っている。

(小林ゆかり記者/ルァンイッサラー・カライジンダー記者)



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