安定するインドネシア
タイのBOIもびっくりの申請認可制度がスタート
インドネシアではワヒド政権下で地方分権化などの民主化を進めているが、外務省外国経済関係部長のジャック・S・ガファー氏は、「日本は高い技術力を持つ経済大国で勤勉な国。日本が最大の投資国であり続けて欲しい。今、三千六百万人が失業しているが、投資が増えて雇用が増えると治安は改善する」と期待している。二十万社の会員を持つインドネシア商工会議所のバンバン副会頭も、「銀行金利が最高一七%に制限されたなど、インドネシアの経済悪化がストップした。通貨ルピアの暴落(現在の為替レートは一万円が約六十五万ルピア)で、外資は数年前に比べて数分の一の資金で同規模の投資ができるのは投資チャンス」としており、「もしインドネシアのパートナーが必要なら、我々に相談して下さい。最もふさわしい企業を探します」と日本企業の投資を歓迎している。バンバン氏はワヒド大統領に度々呼ばれ、経済再生策をアドバイスしている人である。
前スハルト政権では、大統領自らが認可していたため、何ヶ月も要するケースもあるなど不評だったインドネシアだが、このほどASEAN最高の投資受け入れ制度を整えたことは知られていない。タイのBOIにあたる投資受け付け機関として長年親しまれた投資調整庁(BKPM)が、九九年十二月末に国営企業庁と統合、投資・国営企業庁(BPM・PBUMN)となった。インドネシアに投資申請した場合、その日から最長十一日間(土日を除く)で認可される。だが、今や最終認可するのはBPM・PBUMNのラクサマナ・スカルディ長官(国務大臣)でもなく、十人いる次官の一人がサインすればよいことになった。
それだけではない。インドネシア各州や在外公館で、投資申請から認可まで、すべての手続きが可能になり、日本の大阪の企業が年初に第一号企業が認可された。これは、これまでは認めてこなかった外国人が一〇〇%保有するインドネシアでの新会社設立の申請、認可が大阪のインドネシア領事館で、領事名で行われたもの。インフラ整備を進める資金には限界があっても、資金が不要なことには積極的に取り組んでいる。
治安が悪いとされることに対して、インドネシアの指導者達は口をそろえていう。「だいたいは世界の他の大都市でもよく起こる程度の事件」と。
しかし去る三月五日早朝、ジョギング中の国民覚醒党(ワヒド大統領が創設)のマトリ党首が二人組の男性に襲われて重傷を負う事件も起きた。この時、国家警察庁でインターポール担当のJ.D シトルス氏は、「インドネシアだと大袈裟に報道されてしまう。警視庁としては、(モルッカ諸島の)マルク州、アチェ特別州やイリアンジャヤ州(西イリアン)は、(独立運動等の騒乱のため)投資家が訪問するのは現在は危険だと言わざるを得ない。だが、インドネシアの他の地域はまったく安全で治安がある。テレビの一部だけを報道する映像による間違ったインドネシアへのイメージをなくしたい」としている。
アジアジャーナリスト 松田健
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