経 済

サイアムセメント
コア事業強化へ前進

巨大企業復活に注目集まる


 タイ最大のコングロマリット、サイアム・セメント・グループ(SCG)は十億バーツを投じてタイ・ファーマー銀行(TFB)が所有するサイアム・パルプ・アンド・ペーパーの株式千三十二万株を取得する意向を表明した。

 これは同グループのコア事業であるセメント、石油化学製品、パルプ・製紙に重点を置く経営方針に基づいたもので、全体の六・六一%にあたる千三十二万株をTFBから取得する予定としている。購入が実現されれば、SCGが所有するサイアム・パルプ・アンド・ペーパーの持ち株率は六九・九五%に引き上がる。

 これに加え、同グループは最高四十億バーツを費やし、パルプ・製紙会社の少数株主からも株を買い取る計画を打ち出している。

 SCGはさらに、現在債務再構成に追われているタイ・ペトロケミカル・インダストリー(PTI)の子会社、TPIポレーンの株式二億七千万株を入札する姿勢を見せている。同社は「TPIポレーン株を実際に取得するかどうかはまだ決定していない。我々は外国投資家によって同社の株が安く購入されるのを防ぐために参加していると言っていい」と説明しているが、サイアム・セメント社の主要株主の中には、興味を示しているところもあるという。

  通貨・金融危機に伴い、主力商品であるセメント、石油化学製品の国内需要が激減したSCCは、九八年より内需中心から輸出へと市場戦略と転換した。また同年十一月には事業のスリム化を目指したリストラ計画を発表、コア事業以外のタイヤ、製陶、屋根・コンクリート製品、石膏事業は売却していく方針を固めたが、その成果は数字になかなか現れなかった。

 ところが今年に入ってからセメント、パルプ・製紙、石油化学製品の国内需要が回復、この影響でセメント業の第一・四半期の収益は六十億千万バーツに、また製紙業の収益も六十二億九千万バーツを記録した。石油化学製品業は輸出が伸びたことから、百五億六千万バーツの収益をもたらした。

 これを受けサイアム・セメント社の株価は四月二十六日、二十バーツ高の一株五百四十八バーツをつけ、タイを代表する巨大企業の本格的な回復を期待する投資家の動きが見られた。 SCCが実施した再建策はロングアプローチであったが、タイ経済回復の波にのった活躍が今後注目される。




[BANGKOK SHUHO]