タイ中央銀行
蔵相の実弟を告訴
総裁 個人的な確執は否定
タイ中央銀行は今月十日、タリン・ニムマンヘミン蔵相の実弟、シリン元国有クルンタイ銀行頭取を銀行業務関連法に抵触したとして警察当局に告訴した。今後、当時のクルンタイ銀行幹部も起訴される可能性がある。
シリン氏は九五年、正式に登記されたいない土地を抵当に融資し、クルンタイ銀行に五千万バーツの損失を与えたとされている。同氏が融資したルチラック・ウィラパンさんは昨年、野党陣営が民主党とのつながりを指摘したSTAグループ社の株主、スポットポン氏の妻だった。
中銀と大蔵省との間ではタイ中央銀行法改正案を巡る対立が表面化しており、今回の告訴はタリン蔵相に対するチャトゥモンコン中銀総裁の先制攻撃との見方もある。タイン蔵相とチャトゥモンコン中銀総裁は、経済危機の際、民間から寄付を募った「タイチュアイタイ(タイ人がタイ人を助ける)基金」の約二十億バーツの運用についても意見が分かれており、タリン蔵相がチャトゥモンコン中銀総裁更迭の準備を進めているとも報道されている。
実弟が告訴されたことについてタリン蔵相は「銀行業務の不正に関する調査権は中銀にある」と述べ平静を装っているが、心中穏やかではないようだ。一部で、同相が所属する与党第一党・民主党が告訴の阻止を試みたとの報道もあったが、同相はこれを否定している。一方、チャトゥモンコン総裁は告訴の事実は認めたものの、その具体的内容については言及を避けている。
タリン蔵相は「今回の告訴は中銀行の権限内で行われたことであり、チャトゥモンコン総裁に個人的な感情は抱いていない」と表明。公正に調査を行い、不正行為があれば、厳正に処理する必要があるとコメントしている。同相は「中銀行総裁との対立は、新聞各紙が読者の興味を引くため捏造した話で、事実に基づいていない」とも語っている。
|