経 済

株式 アジア市場、大揺れ

SETは影響薄


 連休明け十七日のタイ株式市場は、十四日に米国市場が過去最大の下げ幅を記録したことを受け、急反落して開始。SET指数は前場に一時、三八八ポイント台まで下落したが、その後過剰に売られた株を買い戻す動きがあったことから、終値は五・二%安の三九二・八八ポイントで引けた。取引高は四十一億二千三百万バーツ。下げの中心となったのは、通信、銀行、そして電子関連株であった。

 米国市場は十七日と十八日、ダウ工業株三十種平均とナスダック総合指数がそろって大幅続伸。これに伴いアジア市場は日本、タイ、インドネシアを除く全てでつれ高となり、優良株の安値を拾う動きが広がった。 SETは十八日、開始直後反発したが、後場からクルンタイ銀行(KTB)やバンク・オブ・アユタヤ(BAY)などの銀行株が引き続き売られたことなどから、三八五・二五ポイントに続落した。

 下げ幅を見る限り、タイ市場は他のアジア市場と比べ米国市場下落の衝撃をあまり受けなかった。打撃を最も受けたのは韓国で、十七日の総合株価指数(ソウル)は一一・六三%安。またシンガポール(八・六九%安)や香港(八・五%安)など、いずれも通信、メディア、ハイテク銘柄が注目を集めている市場が急落した。

 パラサーン・トラアイラットボラクルSET副総裁は、この原因として米市場を支える「ニューエコノミー」株がタイ株式市場にまだ見られないことを挙げ、「横ばい状態が続いているタイ市場がこれ以上下落することはないだろう」との見解を示した。

 一方スパチャイ・パニッチャパック副首相兼商業相は、「米国のインフレが加速しており、金利が上昇されれば株式市場の調整が再度起こる可能性が高い」と懸念を表している。同氏はこれに加え、今後海外からの投資がハイテク株に集中し過ぎないよう、「ニュー・エコノミー」株と「オールド・エコノミー」株のバランスをとった投資促進策を進めていく必要性を訴えた。

 これはSECが今年第三・四半期より取引開始をする、中小企業向け株式市場(MAI)を指している。MAIは一部と二部に分割され、二部にはハイテク株を上場させる方針が立っている。今回、香港のハイテク銘柄を中心とする成長企業市場(GEM)がナスダック下落に強く引っ張られたこともあり、スパチャイ氏としては、この二の舞いを避けたい意向なのだろう。

 しかし「ニュー・エコノミー」株は、これからも投資家から脚光を浴び続けるのだろうか。情報技術の発展により、インフレなき長期景気拡大が実現するという、米国の考え方についてはいろいろな議論があるが、投資家の企業選択条件が「単なる成長性」に頼ったものでなくなることは確実だ。


[BANGKOK SHUHO]