週間ニュース
●3月23日(木)
野党党首の側近
最大野党・新熱望党のチーフ経済顧問が、米国で国連の制裁に反してイラクから二千万ドル相当の原油を輸入しようとした事件に関連して逮捕された。このスラサク顧問は、サンディエゴでほかのタイ人、シンガポール人とともに逮捕された。同党のチャトゥロン幹事長は、「この事件に関するニュースを逐一チェックしている。もし、スラサク顧問に不正行為があったのであれば、党としての責任も免れない」と述べた。米国の関係当局によれば、スラサク顧問は、貿易会社の幹部と話し合いをするためにサンディエゴに行ったもので、また、原油は購入した後タイに運ばれる予定だったという。同顧問など今回逮捕された三人は、有罪が確定すれば、百万ドルまでの罰金、あるいは、十二年までの懲役、もしくはその双方を科せられることになる。
外交政策の堅持
先に軍部、治安当局は薬物密売問題でミャンマー側に協力的姿勢が見られないため、政府は対ミャンマー政策を見直す必要があると考えていると一部で報じられたが、スリン外相は、ミャンマーに対する姿勢に変更はないと明言した。政府は、ミャンマーとの間で様々な問題を協力して解決してゆき、二国間関係をより良好なものにすることを目指している。軍部、治安当局は、国境地帯のミャンマー領内で覚醒剤などが密売されており、これがタイへの流入につながっていると指摘している。一方、ミャンマーの当局者は、密造に使用されている化学薬品はミャンマーで生産されておらず、外国から持ち込まれたものであり、これら近隣国にも責任があるとしている。
少年院から逃走
少年院「バーンカルナ」から逃走した十四歳の少年が殺人容疑で逮捕された。警察によれば、犯人は三人で、また、逮捕された少年は、一緒にいた少女に手を出そうとしたため、二十歳になる男性を殺害したと述べている。
議員買収の指摘
与党第一党・民主党党首のチュアン首相によれば、社会行動党のグループが民主党に移籍する見通しだが、これは議員を金で買収したものではないという。社会行動党の現職議員、元議員のグループは、サナン民主党幹事長(副首相兼内相)に移籍の意向を伝えている。また、チュアン首相は、「社会行動党と民主党の間では移籍問題についてずっと以前から話し合いが行われている。先にサナン幹事長が社会行動党のモントリー元党首などと会ったが、これも話し合いの一部分にすぎない。まだ、移籍については結論は出ていない」と述べた。チュアン首相によれば、民主党は党の方針に賛成する議員を迎え入れることにしているが、入党のために金を提供することはないという。
地下鉄運営業者
政府が設置した地下鉄運営業者選定委員会では、スワット工業相以外の委員は、バンコク・メトロ社を選ぶことに賛成しているという。ウィサヌ内閣官房長官によれば、この件については近く閣議で四度目の審議が行われる予定だ。また、委員会はピチャイ副首相が監督していたが、スワット大臣の強硬な姿勢のために、この役目を降りている。バンコク・メトロ社は、バーツの値下がりを理由に政府に支払う収益金の減額を要請しているが、スワット大臣は当初の約束通りに支払うべきだと主張している。ピチャイ副首相に代わり同委員会を監督することになったピチャイ副首相兼商務相も、スワット大臣の主張は現実的ではないとしている。
●3月24日(金)
違法を承知
米司法当局の関係筋から入手した情報によれば、スラサク・チーフ経済顧問などは、法律に違反することを承知でイラクから原油を購入しようとしたという。また、同顧問と一緒に逮捕されたタイ人は法廷で、「スラサク顧問はチャワリット内閣で副蔵相を務めた人物であり、その経験からスラサク顧問は、原油を購入するための資金を難しい手続きを経ずに国外に持ち出すことができる」と証言したという。また、スリン外相によれば、タイ側はこの事件について非常に関心を持っていることを米政府の当局者に伝え、この当局者も公平な取り扱いを約束したという。
三人目の犠牲者
サムットプラカン県で起きたコバルト60による被曝事故で、廃品リサイクル工場で働いていた男性が死亡した。この男性は被曝後、ラチャウィティ病院で治療を受けていたもので、遺体はバンボー寺で火葬される見通しだ。同病院の担当医は、「一般の人はすでに、火葬が周辺の人々の健康に影響するものではないと理解しているので、再び火葬が反対されることはないだろう」とのべた。二十五日には入院していた一人が退院する予定で、これにより入院して治療を受けるのは二人だけになる。
党首の辞任
社会行動党のスウィット党首は、党首を辞任して、タイラックタイ党に参入する見通しだ。関係筋によれば、タイラックタイ党では二十六日には党大会を開いて、執行委員を選出することになっているが、スウィット党首の辞任はこれに合わせたものだという。また、同党首は、解散・総選挙が決まった時点で、社会行動党を解散する意向だという。
●3月25日(土)
原油の密輸
警察当局によれば、新熱望党の経済顧問とともに逮捕されたシンガポール人が、タイ湾からの原油密輸に関与している疑いがあり、現在、調査が進められている。中央犯罪制圧課のルアン課長は、「調査により、タイ湾上で外国の貨物船から原油が密輸されている事件にシンガポール人容疑者が関与しているかどうかがはっきりするだろう」と述べた。また、モンコン副課長によれば、同容疑者のほか二人のシンガポール人がタイ湾での原油密輸に関与している疑いがあるという。
上院議員の問題
現在の上院議員に関する問題を解決しなければ、今年行われる総選挙(下院議員選挙)でも同様の問題が発生し、組閣などに影響する可能性がある。タイ選挙管理委員会は先に、当選圏内に入った七十八人の当選認定を拒否し、新たに投票を行って七十八人を選ぶことになった。現在のところ、この投票は来月二十九日に行われる見通しだ。また、上院議員の初会合は、二百人全員が揃わなくてはできないというのが大方の政府の法律専門家の意見だが、現行憲法では一部欠席があったても初会合を開き、新しい上院議長を選ぶことができるとする意見もある。この点について、決着をつけなければ、総選挙の際にも再び同様の問題が生じ、政治の空白化が起きる恐れがあるという。
十万枚のコピーCD
警察当局は、バンコクに隣接するノンタブリ県ムアン郡で商店とそのオーナーの家を家宅捜索し、合計十万人に及ぶ違法コピーCDを押収した。警察は通報に伴い、店舗を立ち入り検査し、八万枚を押収し、また、店主の家から二万枚を押収した。警察はオリジナルCD百三十枚も証拠品として押収した。同店のオーナーは手入れの際、不在だったが、店員や家の者など合計八人が逮捕された。
当選の予測
セリタム党のピニット党首によれば、同党は総選挙で四十人から五十人の当選を予想している。同党首によれば、現在、新熱望党、社会行動党、国家開発党、民主党などに所属する議員の一部がセリタム党に参入する見通しだという。
●3月26日(日)
執行委員の顔ぶれ
タイラックタイ党は党大会を開催し、四十四人の執行委員を決定した。国立タマサート大学ランシット分校の体育館で開かれたこの大会には、約四十台のバスに乗ってやって来た一万人以上の党員、支持者が参加した。ここでは、新熱望党で幹事長を務めたことのあるサノ氏が副党首の一人に選ばれた。関係筋によれば、サノ氏が率いる派閥「ワンナムイェン」から四十人程度の議員がタイラックタイ党に移籍する見通しだという。また、同党のタクシン党首は、民主党を含むほかの政党との間に問題はないと述べるとともに、民主党は的ではなく、貧困がタイラックタイ党の的だと指摘した。
政治的な罠
新熱望党のチーフ経済顧問が米国で逮捕された事件で、チャワリット党首は、なんらかの罠にはめられた疑いがあると指摘した。同党首は、「逮捕された状況から判断して、裏になにかある」と述べた。また、同党のチャルム副党首は、「スラサク顧問は国際通貨基金を批判し、また、国有企業を売却する政府の方針にも反対していたために逮捕されたのだ」と指摘した。
タクシーのエンジン
ソンタヤ副運輸通信相によれば、タクシー会社からはタクシーのエンジン排気量の下限を現在の千五百tから千四百tに下げてほしいとの要望が出ている。陸運局によれば、現在使われているタクシーのうち二千四百六台が今年使用期限を迎える。このため、タクシー会社は新しいタクシーを導入する必要がある。ソンタヤ副大臣は、「エンジンの加減変更はタクシー会社にとってプラスになると思う。この変更については陸運局に検討を指示した」と述べた。しかし、同副大臣は、サービス低下や安全性に問題が出るため、タクシーの使用期間を現在の九年から十二年ないし十四年に延長するとの要求には応じられないと述べた。
●3月27日(月)
軍・警察の教練
国内の複数の少年院で集団脱走事件が起きていることから、全国の少年院の責任者、家庭裁判所の判事などを集めた会議で、少年院に入っている者の教練を軍や警察に依頼することが合意された。これは、ここで決まった短期対策の一つで、このほか、行いのよい者は早期に釈放する、保釈を許可する、規律を和らげることも合意された。
サノ一派に不満
新熱望党のサノ前幹事長をリーダーとする一派では、タイラックタイ党の姿勢に不満が渦巻いているという。この派閥からは三人が副党首に選ばれたが、四十人程度の議員が移籍を予定している同派では、待遇が悪いとの意見が強まっているという。この派閥がタイラックタイ党の結束を乱す元凶になる可能性も指摘されている。
党の公認候補
民主党は今年七月にも投票が行われるバンコク都知事選に、バンコク選出のタワッチャイ議員を党の公認候補として擁立することを決定した。同議員の息子は人気俳優で、これが選挙の行方を決定する重要な要素になると指摘する向きもある。これについて、同党のアピシット副党首(国務相)は、「タワッチャイ議員が当選したとすれば、それはタワッチャイ氏の決断力、能力が評価されたと考えるべきだ」と述べた。
ATMの現金
内務省の敷地内にあるATM(現金自動預け払い機)から現金を盗もうとした男が逮捕された。午前二時頃、この男はクルンタイ銀行のATMを工具を使って壊そうとしていたところを、パトロール中の警察官に見つかり、その場から逃走した。しかし、間もなく内務省の建物の裏手に潜んでいるところを逮捕された。文房具店に勤めているこの男は、外国為替ビジネスで百五十万バーツの謝金を作ってしまい、これを返済するために現金を盗もうとしたものという。
新党のポリシー
タイラックタイ党は先の党大会で、党としてのポリシーを明らかにしたが、民主党のアピシット副党首は、部分的には評価できるが、その問題解決策は手垢の付いた現実性のないものだと指摘した。同副党首によれば、金融マーケットを開発し、農民が抱える問題の解決を最優先課題とすることは正しいが、減税したり、支援のファンドを設けたり、新しい象徴を設置したりすることは、これまでにも出された解決案であり、現実的でないことが証明されているという。
●3月28日(火)
虚偽の証言
国家汚職制圧委員会によれば、サナン副首相兼内相は、資産隠しを指摘されたのに対し、これを誤魔化すために虚偽の証言をしたという。関係筋によれば、資産について調査を受けたのはサナン副首相が五人目で、また、同委員会の判断を憲法裁判所が認めた場合、サナン副首相に対しては、五年間にわたる公民権の停止という処分が執られることになる。サナン氏は、議会で新熱望党議員が、閣僚に就任した際に当局に報告した異常に資産を有していると指摘したのに対し、そのうちの四千五百万バーツはAASオート・サービス社から借りたものであり、自分の金ではないと説明していた。しかし、国家汚職制圧委員会によれば、同氏がこの会社から金を借りた事実はないという。
解任を要求
タイ汚職制圧委員会の判断を受けて、ワンノー国会議長は、チュアン首相に対し、サナン副首相兼内相を解任するよう要請した。下院議長を兼任するワンノー議長は、「サナン氏が閣僚のままでは問題が生ずる。しかし、解任するかどうかは首相が決定することだ」と述べた。また、資産隠し疑惑を最初に指摘したアディソン新熱望党議員は、委員会の判断を歓迎するとともに、「サナン氏はずっと以前に閣僚を辞任しているべきだ。今回のスキャンダルはチュアン首相自身、そして、(チュアン首相が党首を務める)民主党の改革が必要であることを示している」と述べた。
●3月29日(水)
サナン副首相辞任
資産隠しの疑いが濃厚になっているサナン副首相兼内相は、憲法裁判所の判断が下される前に、副首相兼内相を辞任すると表明した。また、サナン氏は三十日にも議員辞職を下院議長に伝える意向だという。関係筋によれば、同氏の所属する民主党では、ほとぼりが冷めてから、幹部議員のバンヤット氏をサナン氏の後任に選ぶものと予想される。また、サナン氏は民主党幹事長は続けると主張しているが、同党を財政的に支援しているニポン氏がサナン氏に代わりに幹事長を務める可能性が高いという。
百万バーツを強奪
ウボンラチャタニ県ナムユーン郡でバンコク銀行の支店が、カンボジア人と思われる武装した五人の男に襲われ、現金百万バーツが奪われた。犯人のうち二人が支店に入り、カウンターから現金を奪い、また、行員などを人質にして氷を配達していた車を奪って逃走した。警察、軍では国境に通ずる道路を封鎖し、カンボジアへの党争を阻止しようとしたことから、犯人らは人質を解放し、国境地帯のジャングルに逃げ込んだという。
運輸通信相にも疑い
タイ汚職制圧委員会のオパート議長によれば、光ファイバー納入業者選定の入札における談合疑惑で関与を疑われているステープ運輸通信相も、身の潔白を証明できなければ、サナン副首相兼内相のケースと同じように、解任される可能性がある。また、同議長は、「ステープ大臣の件はサナン氏の場合より込み入っている。委員会がクロと判断した場合、上院でステープ大臣の解任が最終決定されることになる」と説明した。
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