教育省 普通教育局
「中・高新入生の授業料を無料に」
大臣は予算不足と延期主張
教育省普通教育局は全国の中学校及び高等学校で、今年五月に始まる新学年度より、新入生の年間授業料を無料とする方針を三月二十六日に発表した。対象はおよそ三百万人となる。しかしこれについては、教育省内で予算不足により実施は不可能との意見が出されている。
旧憲法の下、義務教育は小学校の六年間とされていたが、九七年より施行された新憲法では、小学校から高等学校に至る十二年間の無償教育がすべての子供に保証されている。普通教育局のスワット・ゲンチャム局長は、これを段階的に実施し、二〇〇三年までにはすべての公立中学、高等学校で全学年の授業料を無料にしたいと述べている。但し、教科書代を含む教材費、諸費は保護者の負担となる。
普通教育局では今年度二十億バーツの予算で、中学一年生一人当たりに年間七百五十バーツ、高等学校一年生に年間千四百バーツを支給する。しかしこれまで保護者が学校側に収めていた年間授業料の平均は、中学校初年度で千バーツ、高等学校初年度で二千バーツと政府の支給額を大きく上回っており、今後の経営悪化を懸念する学校も少なくない。学校側からは、歳入の減少により、設備投資が困難になるとする意見も出されている。
公立の中学校、高等学校は教育法第五十八条により、生徒の保護者、地方行政機関、その他団体より寄付金を受け取ることが認められている。特に有名校では、保護者や後援者から寄付金を募ることが一般化しており、普通教育局の発表の後、保護者と後援者を集め、今後の学校運営予算を協議すると予定したところもある。
カンチャナ・シラパアチャ副教育相は「支給額の不足から、学校が保護者や地域に寄付を強制しないようにしたい。また保護者の寄付金が生徒の待遇を左右しないよう、観察する必要がある」と表明。支給については普通教育局と現状に即した金額を再度話し合うと述べていた。しかしその後ソムサック・プリサナナンタグン教育相と協議した結果、今年は実施を見送るよう同局に通達している。
カンチャナ副教育相によれば、普通教育局が用意した二十億バーツの予算では、全国の中学、高等学校の一年生全員の授業料を負担することは不可能で、同局が設定した支給額についても都市部の学校で設備費の不足が予想されるという。同副教育相は、来年度からの実施にしても予算獲得は困難と見て、準備期間を含め実施は二〇〇二年に延期すべきと述べている。しかし普通教育局のスワット・ゲンチャム局長は、今年の新学期からの実施を主張し、ソムサック教育相に不足分とされる二十億バーツの追加支出を要請するとしている。
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