総 合

タイラックタイ党 党役員を正式決定

「寄り合い所帯」の性格、鮮明に


 昨年半ばに旗揚げした、通信業界の雄タクシン・チナワット氏率いるタイラックタイ党は、三月二十六日に党大会を開き、副党首、幹事長、執行委員などの党役員を決定した。同党には、主要政党で不満を感じていた多くの議員が、新天地を求めて参入するのではないかとみられていたが、今回の党大会で、それがはっきりしたことになる。タクシン氏は改めて党首に選ばれた。

 新熱望党で冷遇されていたサノ・ティエントン前幹事長は、党大会には姿を見せなかったが、副党首に任命され、またスダラット・ケユラパン女史(元パランタム党議員)、ピタック・インタラウティナン氏(サノ氏率いるワンナムイェン派幹部)、チャムロン・クルットクントート氏(元国家開発党議員)、スラキアット・サティエンタイ氏(元チャートタイ党顧問)、ソラアート・クリンパトゥム氏(ワンナムイェン派幹部)なども副党首に選ばれた。同党では副党首を十人以上選出しているが、これはそれぞれのグループの代表を副党首に迎えた結果だ。この「寄り合い所帯」的色彩の強さは、今後の同党の不安材料にもなりそうだ。

 関係筋によれば、サノ氏の派閥からは約四十人、民主党から十人、国家開発党からも十人程度の議員がタイラックタイ党に参入するものと予想されるという。今回の党大会では、党執行部五十五人のうち四十四人が決まったが、残りのポストは、今後他党から参入する議員に割り当てられることになりそうだ。

 一方、サノ派内部では、今回の人事に納得できないとの声が早くも出ているという。「大勢の議員が参入するにも関わらず、わずか三人が副党首に選ばれただけ。タンシン党首は我々を裏切った。我々のプライドを傷つけた」と同派幹部が不満を露わにしているとの報道もある。

 タイラックタイ党に大勢の議員が結集したことは、現在勢力後退が顕著な新熱望党が誕生した時の状況に酷似している。チャワリット・ヨンチャイユット同党党首が新党を立ち上げると、「今度こそは閣僚ポストを」と願う大勢の議員が同党に集まった。前回の総選挙で最多議席を獲得したまではよかったが、政権の座を追われると、閣僚ポストという「エサ」で保たれていた求心力が失われ、「自滅」しつつあるというのが現状だ。

 タイラックタイ党もタクシン党首が、それぞれ思惑の異なるベテラン議員をまとめあげることができないと、新熱望党の轍を踏むことになりかねない。


[BANGKOK SHUHO]