週間ニュース


●3月9日(木)

パートナー選び
 建設大手のチョーカンチャン社は、地下鉄開発計画のためのパートナーとして、ジャパン・メトロ・コンソーシアムを選んだ。同社によれば、ジャパン・メトロは提示価格が最も低く、また、資金面でも最良の条件を示したため、入札に応募した四つの企業グループの中から選ばれた。また、バンコクの地下鉄計画については、チョーカンチャン社を大株主とするバンコク・メトロ社の打ち出した収支計画にスワット工業相など与党・国家開発党幹部が強く反対している。同大臣によれば、地下鉄計画のコスト約千二百億バーツのうち一千億バーツあまりを政府が拠出するのであり、バンコクメトロ社は政府に支払う権利料を増額すべきだという。また、関係筋によれば、同党は、バンコクメトロ、チョーカンチャンに圧力をかけることで、パートナーとしてドイツのコンソーシアムを選ばせようとしていた。だが、同党の意に反してチョーカンチャンがジャパンメトロを選んだことで、政府がこの地下鉄サービスの担当業者選びを同党の働きかけで白紙に戻すことも予想されるという。

超党派の検討会議
 野党陣営は、石油価格の高騰が国民生活を圧迫しているとして、政府に対し、上院議員、下院議員による合同検討会議を開催するよう要請した。これは、ワタナ副内相が政府に対策を求めたことがきっかけで、同副大臣は、省エネ措置を強化すると同時に、石油税を減税して、これによる税収減少を石油ファンドで埋め合わせることを提案している。しかし、アピシット国務相およびコンポット副商務相は、現在の財政状態では減税は不可能だとワタナ副大臣の案に反対している。アピシット大臣は、「タイは自由貿易を標榜している。このため、このような石油危機を受け入れなければならないこともある」と述べた。

当選者の指名発表
 東北部のコンケン県では、十一回にわたる票の数え直しが行われ、投票から五日後に上院議員選挙の正式な当選者が発表された。同県の定員は六人。この数え直しの過程で一度は六位に入ったものの、最終的に落選とされたパウィニ女史は、同県の選挙管理委員会を裁判所に訴えるとともに、再度の数え直しを要求した。なお、同県では有権者の七〇・二九%に当たる約八十六万三千人が投票した。

バス会社への支援
 ステープ運輸通信相は、石油が値上がりしていることから、長距離バスサービスを提供する業者に対し、財政負担を軽減する措置を講じたいと述べた。具体的には、これら業者への燃料を割引で購入できるクーポンの発行などについて国家エネルギー政策室と協議することにしている。ステープ大臣は先にキロメートル当たり〇・一五バーツ値上げするとのバス会社の要求を退けている。しかし、タイ北部では、国有トランスポート社のライセンスで営業している民間バス会社が十日から一六%運賃を値上げするとしている。また、同大臣は、民間業者に対し、燃料を割安な天然ガスに転換するよう求めることにしている。


●3月10日(金)

被曝事故
 警視庁のチョンラック長官によれば、サムットプラカン県で起きた放射性物質コバルト六〇による被曝事故で、入院していた廃品リサイクル業者の従業員が今月七日に死亡したことから、放射性物質の所有者、カモンスコソン社のトップが処罰される可能性がある。コバルト六〇は、使われなくなり同社の駐車場に置かれていた放射線治療器のもので、これは廃品回収業者の手を経て同リサイクル業者に持ち込まれた。医務局によれば、現在も被曝した九人が入院しており、このうち二人は重体だという。

石油値上がりの影響
 スワット工業相は、産業界に対し、値上げ要求の根拠となる、石油値上がりの影響について、詳しい情報を提供するよう要請した。同大臣によれば、小売価格などの値上げを求める声が出ているものの、なにがその根拠なのか示されていない。政府の産業経済局、民間団体のタイ工業連盟、貿易委員会は、石油値上がりによる生産コストアップはわずかだとしている。また、スワット大臣は、関係当局に対し、石油値上がりとその影響について詳細な報告を提出するよう命じた。これは週明けに開かれる経済閣僚会議に備えたもので、同大臣は、「自分の発言に確固たる裏付けがなければ、質問責めに遭い往生することになる」と述べた。

新上院議員の会議
 タイ選挙管理委員会の法律顧問団によれば、上院議員二百人全員が揃わない場合でも初会議を開くことができるかどうかで意見がまとまらないため、憲法裁判所に最終的な判断を委ねる可能性がある。現在の上院議員は今月二十一日で任期が満了するため、その前に新しい上院議員が集まり、新しい正副上院議長を選出することが望ましい。しかし、当選圏内に入った候補者のうち一部は選挙違反の疑いがかけられており、当選が正式に認められていない。選挙違反の事実がはっきりした場合、特定の選挙区で再度投票が行われる可能性もある。

離党の意向
 最大野党・新熱望党のサノ前幹事長は、今月中に同党を離れる意向を明らかにした。同議員によれば、現在の下院議員は任期が今年十一月に満了するが、現在の野党には政府の仕事をチェックする能力がなく、議員にとどまっていてもすることはないという。同議員は、新熱望を抜けた後、タクシン元副首相が党首を務めるタイラックタイ党に参加するつもりだという。


●3月11日(土)

正式発表の見合わせ
 スパンブリ県の選挙管理委員会は、最も多くの票を獲得したプリディ氏など二人の候補者の当選発表を見合わせることにした。これは、同県の知事や県職員から買収の疑いが指摘されているため。これについて、プリディ氏は、「二十年にわたり、スパンブリ各地で警察署長を務めたため、有権者が私をよく知っているのは当たり前だ。選挙違反の疑いがあると訴え出た知事や県職員はバンハーン・チャートタイ党党首の息がかかっている」と指摘した。スパンブリ県はバンハーン元首相の出身地で、この県におけるバンハーン氏の強力な影響力は以前からよく知られている。プリディ氏は地方選挙でバンハーン氏の支持グループと競ったことがあり、それ以来、目の敵にされているという。

訴えの取り下げ
 都内クロントイの小学校で学童がウォータークーラーで感電死した事故で、遺族は、学校側を訴えず、また、賠償金の増額も要求しない意向を表明した。しかし、これら遺族は、このような事故が再び起きることがないよう、十分注意するよう要請した。また、バンコク都庁によれば、この事故は学校側の怠慢による可能性があり、現在、特別委員会が詳しい調査を行っている。これで学校側の過失が認められれば、責任を逃れることはできない。


●3月12日(日)

当選者の認定
 タイ選挙管理委員会は、当選圏内に入った二十三人について当選の認定を保留すると発表した。これら選挙違反の疑いのある者のほとんどが政治家の肉親や関係者だという。同委員会のユワラット委員は、「二十三人には正式に委員会から認定保留を通知する。また、違反していないことを証明する時間が三十日与えられることになる」と説明した。

関与を否定
 チャートタイ党のバンハーン党首は、自分の出身地・スパンブリ県で同党首が知事や県職員を使って、最多票を獲得した候補者を蹴落とそうとしているとの一部報道を全面的に否定した。同県では、最高得票の候補に選挙違反の疑いがかけられているが、同候補はバンハーン党首の差し金だとしている。これに対し、バンハーン党首は、「スパンブリでは有権者の買収が横行していると聞いている。当局は不正に対し適切な措置を執っているにすぎない」と述べた。

早期の対策を要求
 バンハーン・チャートタイ党党首は、石油の値上がりで貧しい人々が苦しんでいるのを手をこまねいてみているわけにはいかないとして、政府に早期の対策を要請した。また、同党首は、「石油税の減税は年間二十億バーツの歳入減少につながるため、不可能なことは理解している。しかし、バス業者、輸送業者、漁民などのために安い燃料を調達するなど、なんらかの手があるはずだ」と述べた。また、関係筋によれば、同じく与党の国家開発党も対策が必要だとしているが、同党幹事長のスワット工業相が付加価値税の変更を政府に提案する可能性がある。

臓器移植の問題
 警察当局は、医務評議会に対し、ワチラプラカン病院で臓器移植を受けた人のリストを提出するよう要請している。これは同病院で不正な手段で移植が行われた疑いがあることから、証拠を集めて執刀した医師を処罰しようというもの。警察庁犯罪制圧課のアトサウィン課長は、「評議会に対してはリストを提出するよう繰り返し要請しているが、回答がない。臓器移植を受けた人々に関する情報がなければ、警察としては立件に向けた調査を開始できない」と説明した。同課長によれば、不正な臓器移植に関わった者は医師だけでなく多数にのぼるとみられるが、警察としては、証拠を集めて犯罪を立証したいと考えている。


●3月13日(月)

石油値上がり対策
 最近の石油値上がり問題について国家エネルギー政策委員会で対策などが検討された。ここでは、一部の産業を対象にディーゼル油を値下げする、天然ガスの利用を拡大するなどの措置が合意された。ここには、タリン蔵相、スワット工業相、ステープ運輸通信相、スリン外相、サウィット国務相、スパチャイ副首相兼商務相も出席した。同委員会の議長を務めるスパチャイ副首相によれば、為替レートが一ドル三十八バーツ、原油が一バレル二十九ドルとすれば、今年のタイ経済の成長率は三・六六%にとどまることになる。国家経済社会開発委員会の当初見通しでは成長率は四・四%。

火葬に反対
 サムットプラカン県で起きた被曝事故で死亡した廃品リサイクル作業員の火葬に付近の住民が強く反対している。この作業員の遺体は、都内トンブリのランブア寺で火葬される予定だが、付近の住民が放射能を含んだ灰が飛散するものではないかと寺に対し、葬儀を他所で行うよう求めている。カラシン県からやって来た、死亡した作業員の遺族は、住民に迷惑がかかるのであれば、ほかの寺で火葬せざるを得ないとしている。また、原子力平和利用室の職員が計測器を使って、放射能の心配はないと説明したが、住民たちは態度を変えていないという。また、被曝事故が起きた廃品リサイクル場のオーナーは、スクラップをすべて売却し、入院している作業員の治療費、そして、死亡した作業員の葬儀代に充てるよう関係者に伝えたという。このオーナー自身も被曝し、病院で治療を受けている。


●3月14日(火)

中央銀行法
 関係筋によれば、閣議の席上、タイ中央銀行のチャトゥモンコン総裁は、タイ中央銀行法が改正されずに原案通りで制定された場合、中央銀行の独立性が脅かされることになり、総裁の座にとどまっているわけにはゆかないと述べて、同法の内容が手直しされない場合、辞職するとの意向を示した。これに関連して、ネウィン副農相は、「内閣は中央銀行の独立性を守ることに賛成だ。しかし、その前に中央銀行が抱える問題を解決する必要がある」と指摘した。同副大臣によれば、中央銀行には運営の透明性に問題があり、このような状態で独立性だけを強化することはできないという。また、経営破綻したノンバンク「ファイナンスワン」に関わったとされる中銀幹部をチャトゥモンコン総裁が庇ったことにも複数の閣僚から厳しい批判が出たという。閣議では最終的に、新しい中央銀行法の草案を詳細に検討し直して次回の閣議に提出することが大蔵省に指示された。

検事を狙撃
 都内バンプラットのチャランサニットウォン・ソイ六九で午前八時頃、車に乗って出勤途中のリキット検事が、オートバイに乗って近づいてきた二人組に撃たれて負傷した。同検事はソポン副下院議長の弟で、すぐに病院に運ばれ、手当を受けたため、命には別状なかった。同検事は個人的なことで恨みを買うような覚えはなく、扱った事件に関連して逆恨みされた可能性があるという。同検事が関わったケースは、詐欺、不法賭博、選挙違反、そして、チャルム新熱望党副党首の息子、ワタナ副内相の息子の事件などだという。

大量の覚醒剤を押収
 プラチュアプキリカン県でトラックに隠されていた大量の覚醒剤が押収された。警察の発表によれば、検問所で、二人の男が乗ったトラックの荷物を検査しようとしたところ、二人は警察官に三千バーツを差し出して目こぼしを求め、また、トイレに行くと言って逃走した。荷物の中には合計四百三十五万四千錠の覚醒剤が隠されていた。警察によれば、この大量の覚醒剤は、タイ北部の国境地帯では薬物の密売制圧が強化されていることから、ラノン県の国境地帯を通じてミャンマーから持ち込まれたものとみられる。

火葬に拒否反応
 被曝事故で死亡した廃品リサイクル作業員の火葬は、トンブリの寺に続き、都内のほかの寺でも拒否された。寺側は、付近の住民の意に反して争議を行うことはできないとしている。同作業員の遺族は、故郷のカラシン県に戻り、荼毘に付すことになりそうだが、地元でも反対されるのではないかと懸念しているという。


●3月15日(水)

破産の宣告
 中央破産裁判所は、タイ・ペトロケミカル・インダストリー社の破産を宣告した。同社は資産が債務を上回ると主張していたが、裁判所は、独立した会計監査人が認めたものではないとして、同社の債務再構成計画を退けた。同社は控訴する姿勢も見せているが、債権者の一つ、バンコク銀行首脳は、「債権者の言い分が認められたもので、問題解決につながるものだ」と述べて、今回の決定を歓迎した。

住民が抗議集会
 バンハーン・チャートタイ党党首が絶対的な力を持つとされるスパンブリ県で、同党首がバックアップしているとされる候補の当選認定に対し、約千人の住民が集会を開き抗議した。最多票を獲得したプリディ氏、そして、次点だったマナット氏に対して、選挙違反の訴え我でされていたが、同県の選挙管理委員会は、プリディ氏はクロ、マナット氏はシロとの判断で、マナット氏の繰り上げ当選を認定した。マナット氏はバンハーン党首が後押ししていたとされる候補。

カラシン県で埋葬
 被曝事故で死亡した男性は、故郷のカラシン県で遺体が埋葬された。火葬はバンコクの二カ所の寺で周辺住民の反対により断られ、遺族は遺体をカラシン県まで運んで葬儀を執り行うことになったもので、また、一部の住民が火葬することに不安を表明したことから、埋葬された。


[BANGKOK SHUHO]