総 合

政府、特定産業を保護

石油価格高騰、広がる波紋


代替エネルギー使用も推奨

 石油輸出国機構(OPEC)が原油生産調整を継続する姿勢を示したことから原油が値上がりしているが、これがタイ国内での石油価格が上昇を引き起こしており、現在、政治問題化する様相も呈している。

 政府は今月十三日、国家エネルギー政策委員会で対策を検討、価格高騰の影響を緩和するため、特定の産業を対象にしてディーゼル油を値下げし、天然ガスの使用を奨励するなどの方針を打ち出した。同委員会にはスパチャイ・パニッチャパク副首相兼商務相のほか、蔵相、工業相、運輸通信相、外相なども出席している。

 スパチャイ副首相は「国家経済社会開発委員会は先に『今年のタイ経済は四・四%の成長を達成する』との見通しを示したが、為替レートが一ドル三十八バーツ、原油が一バレル二十九ドルという状態が続けば、経済成長は三・六六%程度にとどまることが予想される」と分析するとともに、「石油価格の上昇は物価に影響するため、インフレ率も当初見通しの二%に対し二・五九%程度にまでアップする可能性がある」としている。

 今回、同委員会が決定した対策だが、漁民、農民、中小企業を支援することを基本方針としており、漁民に関しては、農民支援委員会の基金(約一億六千万バーツ)を使ってディーゼル油価格を一定レベルに抑える措置の期限を、これまでの八月から年末まで延長することにした。

 また農民については、(1)タイ石油公社と農業農協銀行が、同行を利用している農民を対象に、市価よりリットル当たり〇・一五バーツ安くディーゼル油を販売する(2)工業省に登録している中小企業にディーゼル油を安く販売する(3)石油消費を減らすため、天然ガスの利用を拡大する(4)天然ガスを燃料とするラチャブリ火力発電所の操業開始を早める――などが合意された。

 エネルギー問題担当のサウィット・ポティウィホック国務相によれば、「政府はタイ石油公社が仲立ちして、ミャンマーからの天然ガス輸入を早めるよう努力する方針だ。同公社が輸入した天然ガスはタイ発電公社に供給されることになる」とのこと。これに関連して、国家エネルギー政策委員会では、バンコクとその近隣県でのガスパイプライン敷設を急がせるとの工業省案を承認している。

 さらに、ドライバーや工場に対して、石油製品の節約を求めるとともに、バンコク都庁に対してはゴミ回収車や路線バスで天然ガスを燃料とする車両を増やすこと、タイ発電公社に対しては路線バス用天然ガス供給所を六ヶ所増やすことを要請することになった。

 運輸通信省、大蔵省は、これらの対策の内容についてさらに詳しく検討することになっているが、今月二十七日に予定されている石油輸出国機構総会で原油生産調整の解除が合意された場合には、導入した対策の内容を見直す必要が出てくることになるだろう。


[BANGKOK SHUHO]