上院議員当選者の正式発表
遅々として進まず
続出する選挙違反容疑
1部の県で選挙やり直しの可能性も
上院議員選挙の投票が終了してからすでに十日以上経っているが、、当選者の正式発表は遅々として進んでいない。
上院選挙は県単位の中選挙区制で実施されるため、発表も県単位となるのだが、三月十五日現在で正式に当選者が発表されている県は七十六県中五十一県。しかし、この五十一県にしても発表された当選者は九十人に過ぎず、三十八人が審議中となっている。また残り二十五県は当選者がひとりも正式発表をされておらず、旧上院の任期が切れる今月二十一日までに上院の定数である二百人すべての議員を正式発表できるかどうかは微妙な状況となっている。
当選者発表が遅れているのは、選挙違反容疑の訴えが選挙管理委員会に続々と届いており、それを審査に時間がかかっているためだ。このなかには大物政治家がバックにいるとされている候補も少なくない。サナン副首相兼内相夫人、スタット法相夫人、サナン副首相の元最高顧問などにも選挙違反容疑がかけられていることから、国民の注目度はいやがおうにも高まっており、選挙管理委員会としても、なかなか「判決」を下せないでいるようだ。
現在、選挙管理委員会に対する「灰色」候補の釈明が始まっている。これで「シロ」と判断されれば、晴れて正式当選となるわけだが、全員が当選となるのか、それとも一部再選挙となるのかは、今のところ不透明な状況だ。
タイ東北部・マハサラカム県の選挙管理委員会支部では、「県内各地で選挙違反が横行しすぎた」との理由で選挙やり直しを議決している。最終的な判断は中央の選挙管理委員会が下すことになるのだが、このほかにも選挙のやり直しは検討している県支部は少なくない。
その一方で、中部・ペチャブン県の政治家・地域代表らが早く正式発表をするよう陳情するなど、権力側からの「圧力」もかかっており、選挙管理委員会は、「権力」と「理想」の板挟みになっているともいえるだろう。
選挙管理委員会では、「今月二十日までには結論を出す」としているが、仮に一部の県で選挙やり直しとなった場合、二百議席すべて勢揃いするのは来月にずれ込む可能性が高まってしまう。憲法規定では「上院は二百人の議員で構成される」とあるため、「ひとりでも欠けた場合には初回の上院議会を招集することができない」との見解も政府内部からは出ており、この点も現在、議論の対象となっている。
最終的には憲法裁判所の判断を仰ぐことになるのだが、今のところ非公式ながら、同裁判所内部では「二百人そろわなくても、定足数を満たしていれば、上院議会を招集できる」との考えで基本的合意ができているようであり、今月二十二日か二十三日には新上院がとりあえずの「見切り発車」をすることになりそうだ。
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