TPI 債務超過の判定
判定基準 「支払い能力欠く」
三月一五日、中央破産裁判所は巨額債務を抱えるタイ・ペトロケミカル・インダストリー(TPI)を債務超過状態にあると判定した。TPIの債権者は二か月以内に再建立案者を任命し、その間現経営陣が会社の経営を続行する。
TPIは三十五億ドルの債務を抱えるタイ最大の債務企業。TPI側は会社資産が債務を二百八十四億バーツ上回っており(昨年九月末時点)、債務超過にはあたらないと主張していたが、財務諸表が独立会計監査人によって監査されていないことを理由に、主張は退けられた。
今回の判定により、たとえ財務諸表上債務超過に陥っていなくとも、債務支払い能力を欠いていれば債務超過と認められる、という基準が確立されたことになり、今後、多くの企業がこの基準をもとに債務超過と判定されることが予想される。中央破産裁判所が複雑な財務メカニズムに基づいた判断を下したことは、各方面から高い評価を受けている。
今回の判定について、従来困難だった不良債権問題を打開する道筋がついたことを歓迎する向きが多いが、全体的な債務再構成プロセスに支障をきたす可能性がある、との批判も出ている。
どちらにせよ、中央破産裁判所が有力な大企業に対して確固とした姿勢をとったということは画期的な出来事である。これまで影響力のある債務者に対し、効果的な手段はとれないことが多かったが、債権者が実力行使する道が開けた。また恣意的にではないが、タイの破産裁判システムが機能しているという事実を国内外にアピールすることになった。
経済危機後急速に経営が悪化したTPIの債務再構成交渉は難航を極め、タイの不良債権問題を象徴する事件となった。債務再構成交渉は昨年二月にいったん合意にいたったが、その後TPIが増資計画を主張し、債権者との交渉はふりだしに戻った。債権者で構成される債権者委員会は、正式な債務再構成契約が締結されるまで増資など認められない、と主張したのに対し、TPI側が強硬に増資を実施しようとしたことから、破産裁判所に提訴され、今回の判定を受けるに至った。
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