週間ニュース


●3月2日(木)

選挙違反の疑い
 タイ選挙管理委員会によれば、ヤソートン県で上院議員選挙の候補者による有権者買収の疑いがあるため、同委員会はヤソートン選挙管理委員会に対し、法的措置を同候補に執るよう指示した。この候補は自分を紹介するビラに現金を付けて有権者に配ったとされる。今回使われた紙幣は五十バーツ、百バーツだが、関係筋によれば、ヤソートン県では十バーツ、二十バーツ、五十バーツ紙幣で大量の現金が引き出されており、これが有権者の買収に使われたものとみられる。

ブラックボックス
 タイ空軍筋によれば、十五カ月前に起きたタイ国際航空機墜落事故の原因について、フランスで更に詳しい検討が行われることになった。この事故はバンコクでアジア大会が開催されていた最中にスラタニ県でエアバス機が墜落し、乗員乗客百一人が死亡した。回収したブラックボックスはオーストラリアで解析されたが、それによると、「トリム、トリム」というのが操縦士の最後の言葉だった。トリムとは飛行機のバランスをとるという意味で、関係筋によれば、操縦士の言葉はトリムシステムがうまく働いていないことを指摘したのか、あるいは、トリムシステムを正しく設定していなかったかの二通りに解釈することができるという。また、同筋は、「原因がシステムの誤作動ということになれば、製造元のエアバス社に責任がある。また、操縦士がシステムを正しく設定していなかったのであれば、タイ国際航空に責任があることになる」と指摘した。

タクシン党首を弁護
 タイラックタイ党のタクシン党首は、現在、パランタム党をだめにした人物として一部で批判されているが、パランタム党党首を務めたチャムロン元バンコク都知事は、タクシン党首に責任はないと弁護した。雑誌タイムは、その記事の中で、パランタム党党首に就任したタクシン氏が当時のバンハーン政権に参加したのが、同党の凋落を招くことになった指摘している。これについて、チャムロン元党首は、パランタム党が議員数を減らしたのは有権者を買収しなかったのであり、また、パランタム党は有権者に新しい選択肢を提供したという点では評価できると指摘した。また、タクシン氏もパランタム党党首として重要な役割を果たしたという。チャムロン氏によれば、タイラックタイ党は次の総選挙で民主党の強力なライバルになる可能性があり、今後もタクシン党首への中傷まがいの批判が続くと予想されるが、同党首はこのような批判に対しコメントしないのが得策だという。

ヘリの使用を停止
 陸軍関係筋によれば、陸軍は先にカンチャナブリ県でベル212型ヘリコプターが墜落し、乗っていた十一人全員が死亡するという事故が起きたことに伴い、各地の部隊に対し、同じ型のヘリの使用を控えるよう通達した。この通達では、ヘリを使う場合はほかの機種にすること、そして、できるだけヘリの代わりに車を使うことなどが指示されている。陸軍では原因に関する調査を行っているが、現在のところ、原因を特定できていないようだ。また、スラユット陸軍司令官もこの事故に伴い、同じ型のヘリを使わないようにしているという。


●3月3日(金)

投票で帰省
 上院議員選挙の投票のためバンコクでは大量の人が二日夜から帰省し始め、三日には長距離バスターミナルまで出かけたものの、切符が買えずに投票できなかった人が多かったという。関係筋によれば、このように大勢の地方出身者が帰省したのは、選挙権を行使しないと子供を国立学校に入学させることができない、社会保障制度が利用できなくなるといった噂が大きな要因となっている。国有トランスポート社によれば、二日には帰省する人が急増したため、増便で対応したが、三日にはさらに増加し、大勢の人が帰省できなかった。

選挙違反の摘発
 警察庁のコウィット長官補佐によれば、今回の選挙から選挙違反容疑については、裁判所の捜索令状がないと家宅捜索ができず、これが違反摘発の障害になっている。これまでに二十四人の候補が選挙違反で訴えられている。同補佐は、「これまでどおり警察に捜索の権限があれば、より多くの候補者を逮捕できるだろう。有権者が五百バーツ札や千バーツ札を受け取ったケースもあるが、我々警察には捜索の権限がなく、容疑者を逮捕することができない」と説明した。また、同補佐によれば、バンコクでは候補者が有権者にそれぞれ二千バーツを支払ったとの報告もある。また、手口も巧妙になっており、有権者に印を付けた小額紙幣を渡し、この候補が当選してから、その紙幣と交換に五百バーツを払うと約束している候補もいるという。

予算の不足問題
 タイ空港公社は、ドンムアンにあるバンコク国際空港の施設拡張計画の入札を行ったが、業者選定委員会によれば、予算不足が大きな問題になっている。この入札には四つの企業グループが応募したが、その提示価格は同公社が予算三十六億三千万バーツをいずれも上回っている。最も低い価格はチョーカンチャン社を中核とする企業グループだが、それでも五十一億七千万バーツで、交渉で公社の予算にまで引き下げさせることは不可能とみられる。同委員会によれば、公社の予算を増額する、工事の規模を縮小する、施設拡張を断念するの三つしか選択肢がないという。


●3月4日(土)

高い投票率
 政界観測筋によれば、上院議員選挙はバンコクでは投票率がこれまでになく高く、これによって政党のバックアップや高級官僚だったという経歴を持たぬ候補が新しい上院議員に選ばれる可能性が高まっている。地方では有権者が政党の影響を受けやすく、また、これまでの選挙では広範な有権者買収が報告されているが、今回の上院議員選挙は、投票率が高く、地方でも数多くのいわゆる無所属候補が当選するものと予想される。キング・プラチャティポック研究所のバウォンサク事務局長は、「新しい選挙制度で政治システムが変わってきた。議会は今後国民の真の代表で構成されることになる」と指摘した。

選挙違反の報告
 タイ選挙管理委員会が投票締め切りの一時間前に発表した報告によれば、約四百件の選挙違反に関する訴えが出されており、また、県別ではサムットプラカン、ノンタブリ、パトゥムタニの三県に違反が集中している。また、タイ法律学会のウドム代表によれば、有権者の買収は組織的に行われており、東北部ではすべての県で選挙違反が報告されている。有権者の買収金額はバンコクでは二百バーツから五百バーツ、ノンタブリ県では百バーツから二百バーツ、パトゥムタニ県では三百バーツ、サムットプラカン県では二百バーツと報告されている。

十三人の元軍人
 上院議員選挙で十三人の元軍人が当選した。また、この中のアーティット元陸軍司令官兼国軍最高司令官については、当選が無効とされる可能性があるという。これは上院議員選挙に立候補する資格は学士号を取得していることと明記されているが、アーティット氏はチュラチョムクラオ陸軍士官学校卒であり、そのカリキュラムは学士号には不十分だという。


●3月5日(日)

選挙違反の検証
 タイ選挙管理委員会によれば、上院議員選挙の投票結果が全国から報告された後、同委員会は、当選者を正式に発表する準備として、選挙違反の訴えなどを詳しく検討することにしている。同委員会のユワラット委員は、「委員会としては六日午後二時から選挙違反について具体的な検討にはいることにしている」と説明した。同委員会には各県から投票結果が報告されており、この日の夜の時点で五十一県から報告があがっており、六日にはすべて出揃うと予想される。関係筋によれば、選挙違反の報告はほぼ全国から出ているが、コンケン県は投票した人数と有権者の人数が合わない投票所があり、チェックに時間がかかるものと予想される。

パイナップル畑
 プラチュアプキリカン県ホアヒンにあるパイナップル畑で四日、象が死んでいるのが発見された。報告を受けた国立公園の職員が現場に駆けつけると、年齢二十歳ほどの雄の象が首に電線を巻き付けて死んでいた。同職員はこの電線が通電していることを確認したが、後に現場に戻ってみると、電線はなくなっていた。また、同職員によれば、この畑を所有する夫婦の家に電線があったが、象を追い払うために通電した電線を使うのはずっと以前にやめたと主張している。付近の住民によれば、象はこの夫婦が仕掛けた罠にかかって死んだものとみられる。

男児の遺体発見
 都内クロントイにあるコンドミニアムの近くでスーツケースに入った男児の遺体が発見された。警察によれば、男児は年齢五歳くらいで、皮膚の色からタイ人以外のアジア人の可能性があるという。また、このコンドミニアムで働く女性によれば、両親と見られる男女とこの男児がコンドミニアムのプールで泳いでいるのを見たことがあるという。しかし、この男女はコンドミニアムの住人ではないようだった。

政党の影響
 チュアン首相によれば、今回の選挙で選ばれた上院議員のうち政党の関わりの深い人もいるが、これらの議員が政党の言いなりになるとは限らない。チュアン首相は、「選ばれた議員に不満のある人もいるだろう。しかし、これからの議員としての仕事ぶりで評価すべきだ」と述べた。また、新しい憲法のもとで新しい上院議員が選ばれたのであるから、早期の解散・総選挙で新しい下院議員を選ぶべきだとの意見も聞かれるが、首相は、その必要はないとの認識を示した。


●3月6日(月)

上院議長の選出
 上院議員選挙の投票が終わったことから、上院議長に誰が選ばれるかに関心が集まっているが、今回の選挙で選ばれた人々、そして、下院議員の間から、与党第一党・民主党が好みの人物を議長に擁立することは許されないとの声が強まっている。投票は終わったものの、タイ選挙管理委員会は選挙違反の訴えについて詳しい検討を行っている段階であり、当選者はまだ正式に発表されていない。また、関係筋によれば、最多票を獲得したプラモート元農業副事務次官、それに続く高得票で選ばれたチュムサク氏、ソポン氏、マヌンキット氏などの名前が上院議長候補として挙がっている。選挙管理委員会は七日にも地方で選ばれた上院議員について、正式な当選者を発表する見通しという。

女性の首なし死体
 都内ワタナヌアの運河で女性の首なし死体が発見された。警察によれば、ニュー・ペッブリ通りソイ・ペッブリ三八にあるシーナカリンウィロート大学プラサンミット分校裏手のセンセプ運河でスーツケースの中から年齢二十八歳から三十歳の女性の死体が発見された。警察では、都内クロントイでスーツケースに入れられた男児の死体が発見されていることから関連を捜査している。警察では、被害者が韓国人である可能性があるとして、女性が着用していた衣服のラベルを韓国製かどうかチェックしてもらうため韓国大使館に送るなどしている。遺体で発見された男児と女性は母子である可能性もあるという。


●3月7日(火)

違反で再度の投票
 タイ選挙管理委員会によれば、今月四日に投票が行われた上院議員選挙では、有権者の買収など選挙違反が明白なケースが報告されており、違反があった県で再び投票を行うことが検討されている。現在のところ、チャイヤプム、コンケン、ランパン、シサケートの四県で再び投票が行われる可能性が高い。同委員会筋によれば、ユワラット委員は当該県の選挙管理委員会に対し、再度の投票の準備に入るよう指示したという。

ガス漏れ事故
 ラヨン県にあるタイ・ポリカーボネート社の工場で有毒ガスが漏れだという事故が起き、この有毒ガスを吸った作業員や付近の住民が病院に運ばれ治療を受けている。同県内のバムルンラート病院に入院した作業員一人は、肺に水が溜まるという症状が出ており、生命維持装置が使われている。関係者によれば、有毒ガスはパイプが破裂したことが原因で、また、六十人以上が病院で引き続き治療を受けている。

漏電で学童死亡
 都内クロントイにある小学校で、ウォータークーラーから水を飲もうとした学童がこの冷却器からの漏電のため感電し、病院に運ばれる途中で死亡した。スーンルアムナムチャイ校では食堂にウォータークーラーが置かれていたが、八歳のこの男子は、水を飲もうとボタンを押したところ感電した。同校の校長は、故障していることが分かっていたら使わなかったのに残念だと述べたが、死亡した学童の級友によれば、三台あるウォータークーラーの一台が危ないと以前から教師が学童に注意していたという。

選挙ポスター
 選挙監視委員会によれば、チャウィワン女史は、上院選挙で当選圏内の票を得たものの、選挙違反の疑いがあり、同委員会はタイ選挙管理委員会に対し、当選を認定しないよう求めてゆく方針だ。同女史は、サナン副首相兼内相の妻。先に同女史は、有権者を買収したと批判されたが、これを指摘した男性が事実誤認だったとして謝罪している。しかし、選挙監視委員会によれば、同女史は、選挙ポスターを規定の枚数以上使ったため、選挙違反に当たるという。同委員会のソムチャイ事務局長は、法律では投票所数の十倍までの選挙ポスターを使うことが許されているが、同女史はその二倍以上のポスターをばらまいたと指摘した。


●3月8日(水)

発表の延期
 タイ選挙管理委員会は、上院議員選挙の当選者を発表した。また、バンコクについては、定員十八人だが、当選圏内の三人については、選挙違反の疑いがあるとして、当選発表がまだ行われていない。これら三人は、ギャンブラーとして知られるチャチャワン氏、タウィー元警視庁長官、ウィチエン・タイ商工会議所会頭となっている。同委員会によれば、当選者として正式に認められないのは、有権者買収容疑についてさらに調査を行う必要があるからであり、また、この発表延期が新しい議員を選ぶための再度の投票をすぐに意味するものではないという。

懲戒処分
 チュアン首相は、保健省が管轄する地方病院での医療品価格水増しスキャンダルで、プラクロム元保健事務次官の責任は否定しがたく懲戒処分を受けるだろうと指摘した。この問題では国に十四億バーツに及ぶ損害を与えたとされる。この疑惑については、特別委員会が設置され、昨年から調査が進められており、このためにプラクロム氏は首相府の閑職に異動させられている。チュアン首相によれば、委員会はさらに調査を行うことになっている。


[BANGKOK SHUHO]