総 合

放射能漏れ事故
医療機器会社、責任認める

治療費1万バーツを負担


 先月十六日、サムットプラカン県で発生した放射能漏れ事故の責任を問われているカモン・スコソン社幹部が今月二日、警察署に出頭。過失により間接的に事故を引き起こした事実を認めた。

 この事故は放射線医療機器輸入販売会社カモン・スコソン社がバンコク都内の駐車場に放置していた放射性物質コバルト六〇を含む機器の部品が盗まれ、サムットプラカン県の廃品回収業者に売却されたことから発生。これまでに部品の盗難と運搬に携わった廃品収集人、部品の解体作業を行った廃品回収業者の従業員など十人が放射線障害で入院、うち四人は重症となっている。事故が明らかになった十九日以降、保健省は事故現場付近の住民約五百人について健康診断を実施し、二十五日には安全を宣言。また二十六日には国際原子力機関(IAEA)の専門官五人が事故の調査に訪れている。

 科学技術環境省原子力平和利用事務局では同社について、放射性物質を含む機器を空き地に放置して事故原因を作ったこと、同機器を指定保管場所から移動する際、原子力平和利用事務局への届け出を怠ったことの二点について起訴を予定している。一方、部品の取り外しや売却に携わった廃品収集人については、貧民であり放射性物質とは知らなかったとして、警察が窃盗罪には問わない方針を表明している。

 カモン・スコソン・グループのカマラ・スコソン代表は二日に開催した事故の報告会で、コバルト六〇の取り扱いが不適切であったことを認め、被害者に謝罪した。同社では病院で治療を受けた被害者に対し、当座の医療費として一人当たり一万バーツを支払うとしているが、長期的な治療の補償については支払いを拒否している。カマラ代表は報告会の席上、「自社が病院に納めたすべての放射線医療機器も、安全が厳重に管理されているとは思えない」と語り、原子力平和利用事務局による監督の必要性を強調した。

 一九六一年に制定された原子力平和利用規則では、使用済みの放射線機器を輸入国に返送、または原子力平和利用事務局に収めるよう定めている。しかし輸入国への返送は多額の費用がかかるためほとんど行われておらず、原子力平和利用事務局も保管能力不足を理由に引き取りを拒否してきた。このため現在、多くの業者が各自で使用済みの放射線機器を保管している。


[BANGKOK SHUHO]