総 合

タクシン・タイラックタイ党党首
米『タイム誌』の記事に抗議

チャムロン氏からは擁護発言も


 最大野党・新熱望党の最大派閥ワンナムイェン派を率いるサノ・ティエントン前幹事長が、新党「タイラックタイ」に参入する姿勢を見せているが、タイラックタイ党のタクシン・チナワット党首は、このことに関連して米『タイム誌』に掲載された記事が事実を歪曲して、猛反発している。今月六日付けの同誌は「彼は本気だ」との見出しで、「古いタイプの政治家を新党に受け入れることになった」と、サノ氏をリーダーとする議員グループの参入を決定事項として報道した。

 これに対してタクシン党首は、「サノ派を新党に迎え入れることを正式に決定したわけではない」と反論、さらに「インタビューの内容が正しく記事にされていない」として、インタビューの録音テープを渡すようタイム誌に求めていきたい、と息巻いている。

 しかし関係筋によれば、タクシン党首はサノ派議員と東北部などで政治キャンペーンを行っているとのことであり、近い将来にサノ派議員が参入する可能性は高いともみられている。

 またタイム誌は、「パランタム党凋落の原因はタクシン氏が党首に就任したことが原因とも考えられる」とも指摘。タクシン氏は実業家としての手腕が買われ、九五年にパランタム党に党首として迎えられ、その後、同党はバンハーン連立政権に加わったわけだが、タイム誌はこれを、「改革の志を持つ政治家集団・パランタム党を率いて、多くの市民が腐敗の象徴ともとらえていたバンハーン政権を支援した」と表現している。

 パランタム党は、九二年の五月流血事件直後に実施された総選挙で、バンコク首都圏では圧倒的な強さを見せたものの、その後は人気が低下、前回の下院総選挙ではスダラット・ケユラパン女史一人が当選しただけだった。今では、スダラット氏も同党を離れ、タイラックタイ党幹部の座に納まっている。

 しかしこれについては、パランタム党の人気絶頂時に党首を座にいたチャムロン・シームアン元バンコク都知事がタイム誌の記事内容を否定、タクシン氏を擁護している。チャムロン氏は、「パランタム党は有権者を金で買収しなかったため、結果的に議員を減らすことになった」とした上で、「これまでの八年間で新しい選択肢を国民の前に提示するという所期の目的は達成できた」と主張。さらに「タクシン氏は党首としてパランタム党の勢いを盛り返そうと最善を尽くし、この努力は高く評価できる」と述べている。

 またチャムロン氏は、「タイラックタイ党は現在、民主党の強力なライバルになると見なされており、総選挙が終わるまで中傷や根拠のない批判が続くことになろう」と発言。また「国民に受け入れられない政治家集団(サノ派)を受け入れて、結束力の緩い政党を作り上げることは国民の期待に反するのでは」との声が上がっていることに関しては、「ノーコメントで通すべきだ」ともアドバイスした。

 なお、サノ議員は、新熱望党内でも若手議員に古いタイプの政治家と嫌われ、幹事長ポストを失うことになっており、現在、次期総選挙に向けて、新しい受け入れ先を探しているところだ。


[BANGKOK SHUHO]