不動産市場、息吹き返す
「インターネット住宅」の供給も
外資によるタイ不動産市場への投資が、増加する兆しを見せている。バンコクの不動産市況が底打ちしたとの認識が、海外でも行き渡っているためだ。米投資会社ウエストブルック・パートナーズは、アマリンプラザ社に四割出資すると発表した。アマリンプラザはバンコク都内にオフィスビルやホテルなど、数多くの優良物件を所有する。ウエストブルックはアマリンプラザを橋頭堡に、タイにおいて積極的な不動産投資をおこなう構えだ。
タイ企業も不動産市場で活発な動きを見せ始めた。デパート業界一位のセントラルグループは「ジュエリー・トレードセンター(JTC)」内のオフィス・商業用地を取得した。JTCのオーナー、ジュエリー・リアルティ社の債務再構成の結果、取得した格好だが、セントラルは不動産市況が活況を取り戻しつつある今、JTC内の資産を有効活用できると判断している。JTCはバンコク都内シーロム通りに面する複合ビルだが、経済危機の影響で入居率が低く閑散としていた。
住宅市場でも地場企業の動きが目立ち始めた。大手不動産開発のランド・アンド・ハウスは住宅市場が本格回復したと判断、今年は月間百戸前後の一戸建住宅を販売する計画だ。同社によると、現在の需要は一戸建やタウンハウスに集中しているという。
バンコク首都圏の住居登録は昨年比で五〇パーセント増加し、五万戸に到達するとみられている。住居登録の推移は経済成長率と密接な関係があるが、購入申込から住居登録までには一年程度のタイムラグがあるため、今年の住居登録は昨年の経済成長を反映することになる。
経済危機後、多くの住宅プロジェクトが頓挫した経験から、消費者は物件が完成する前に前払金を納入するのを敬遠する傾向にある。しかし、大部分の不動産開発業者は金融資源が十分でないため、前払金なしでプロジェクトを着工するのは難しい状況だ。このため、潜在的な需要がありながら、供給ができないという状況が続く可能性が高い。ランド・アンド・ハウスはこうした状況に対応するため、七割の物件を完成済みで供給している。
そうした状況のなか、新手のプロモーションで顧客をつかもうとする不動産開発会社も出始めた。サンシリ社は大手インターネット接続会社と提携して、「インターネット住宅」を供給する計画を明らかにした。サンシリ社はロクスレー・インフォメーション・サービス社と合弁で、「サンシリ・ドットコム」を設立、自社物件を中心に高速インターネット接続サービスを提供する。同社はインターネットに強い不動産開発会社というイメージを売り物にし、新たな顧客層を開拓したい思惑だ。
不動産市場の回復も、地価の上昇にはつながらないという見方が有力である。経済危機以降、地価は三〇パーセント近く下落しているところもあり、今後しばらく下げ止まらないという観測が多数を占めている。
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