週間ニュース
●2月17日(木)
臓器の売買問題
医務評議会および法律学会が協力して、臓器売買を防止するため、人間の死を法律的にはっきりさせようとしている。これは、サムットプラカン県のワチラプラカン病院で臓器が不適切な方法で摘出、移植されたことに伴うもので、法律的な死の定義が不明瞭であることが、この問題の一因とされている。タイ赤十字社の臓器提供センターによれば、近年、国際的には臓器移植を可能にするため、脳死をもって人間の死とする傾向が強まっている。同センターによれば、通常、脳死から七十二時間ほど経過すると心臓、肝臓は機能しなくなるという。
保健相が釈明
与党第二党・国家開発党党首のコン副首相兼保健相は、地方病院の医療品調達疑惑で、チュアン首相に圧力をかけたことはないと述べた。同副首相は先に、「プラクロム元保健事務次官の嫌疑についてチュアン首相が調査を再開してくるものと考えている」と述べた。これに対し、チュアン首相は、コン副首相からこの件についてなにも聞いていないと述べて、不快感を露わにした。この反応に対し、コン副首相は、「保健相として述べただけであり、首相に圧力をかけようとしたものではない」と釈明した。
タイ兵の投票
スリン外相は、タイ選挙管理委員会および外務省領事局に対し、東ティモールで治安維持活動に従事しているタイ兵が、上院議員選挙の投票をできるよう規定などの見直しを行うよう指示した。同選挙は来月四日に投票が行われる。現在のままでは、多国籍軍による治安維持活動に参加している約八百人のタイ兵は投票の機会を逃すことになる。今回の選挙から、外国に住むタイ人有権者にも投票が認められているが、外国での投票はタイでの投票日の七日前までに実施する必要がある。関係当局者の話し合いでは、外国での投票とはせず、タイ国内と同様に東ティモールでタイ兵に投票してもらい、投票箱を本国に輸送するとの案も出たが、これに対しては、費用がかかりすぎること、そして、規定に明らかに違反するとの反対意見も出ている。
マスタープラン
道路交通管理委員会によれば、日本の企業グループに対し、バンコクの大量輸送機関マスタープランの作成を依頼することになった。このグループは、「パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル」で、五千万バーツの予算で八ヶ月以内にマスタープランをまとめることになっている。同委員会の担当者は、「マスタープランでは、高架電車、地下鉄、通常の列車など様々な大量輸送機関をどのようにつなげば、効率のよいネットワークを構築できるかが盛り込まれることになる」と説明した。
●2月18日(金)
患者のために手術
臓器移植問題で、医務評議会が倫理規定違反と判定し、医師免許の剥奪を決めたシロート医師は、倫理を破ったことは認めたものの、臓器移植手術は患者のためを思って善意から行ったことだと述べた。同医師は、医務評議会の決定に対し、不服申し立てをする意向だという。同医師は、「評議会の決定は、臓器提供者の遺族にワチラプラカン病院側が金を支払ったことに基づいている。これは私が反対できることではない。私は医師として二十五年間、貧富の差別なく患者の治療に努力してきた。臓器を盗んだことも、意図的に患者を脳死状態にしたこともない」と主張した。
資金的な援助
タイ選挙管理委員会のウィチット事務局長によれば、同委員会のチェンマイ支部が投票を有権者に呼びかけるキャンペーンのため、民間企業や政党から財政的支援を受けたと報じられたが、委員会は支部に対し、経緯を説明するよう命じた。同事務局長は、「私企業や政党から金をもらうことは選挙管理委員会の方針に反する。委員会は国際的な機関が民主化促進キャンペーンに財政的支援を供与したいと申し出たことがあるが、これも断っている」と述べた。報道によれば、資金援助したのは、金満家として知られるタクシン氏のタイラックタイ党、そして、最大野党・新熱望党だという。
知事選のライバル
タイラックタイ党のポンテープ副党首によれば、同党は、バンコク都知事選では、パランタム党が最大のライバルになると考えている。パランタム党からはカラヤ女史が都知事選に立候補すると噂されている。また、同副党首は、「タイラックタイ党には、パランタム党の元メンバーもいるが、両党が連携しているとの見方は間違っている」と指摘した。
サノ元幹事長
新熱望党のサノ元幹事長は、総選挙に向けた姿勢をまだ明らかにすることはできないと述べた。サノ議員は、ワンナムイェン派の領袖であり、また、この派閥は党内では主流派とうまくいっていない。同議員は、「上院議員選挙が実施された後、状況がどう変化するか見極めたい」と述べるとともに、上院選挙後に態度を明らかにしたいとの考えを示した。同議員によれば、ワンナムイェン派の議員は、党内で居心地の悪さを感じており、党の会議にも出席していないという。
●2月19日(土)
放射性物質で被曝
スチャリット保健事務次官によれば、サムットプラカン県で廃品リサイクル業者の作業員二人が、廃品回収業者から購入した物体を切断していた最中に倒れ、サムットプラカン・ジェネラル病院に運ばれた。専門家によれば、この物体はガンマ線を作るために使われるコバルト六〇で、この放射性物質で被曝した二人は昏睡状態が続いているという。ラマティボディ病院・放射線課のヨンユット医師によれば、この業者がコバルト六〇を入手した経路はまだはっきりしておらず、調査が必要だという。
交通渋滞の緩和
関係当局によれば、昨年十二月五日に高架電車「スカイトレイン」が営業運転を開始したことで、そのルートで路線バスの利用者、マイカーが減少している。これは昨年十一月と今年一月中旬に実施した調査に基づいた報告だ。それによると、路線バスの利用者は一日に平日で四万人、週末で三万四千人あまり減少しており、また、自動車は一日に四万台あまり減っているという。
党首の反応
新熱望党のチャワリット党首は、サノ元幹事長を中心とする同党議員グループが議員を辞職してタイラックタイ党に加わっても構わないと述べた。同元幹事長は先に、チュアン首相が上院議員選挙後に下院を解散しない場合、総選挙を実現するため、大勢の議員が一斉に辞職すると述べている。これに対し、チャワリット党首は、「サノ元幹事長が早期に今後のみの振り方を決めるのは彼らにとっても、私たちにとっても好ましいことだ。サノ議員たちが新熱望党を離れても、なにも問題はない」と述べた。同党首によれば、新熱望党は次の総選挙で百二十から百三十議席の獲得を見込んでいる。一方、タイラックタイ党幹部のスダーラット女史は、同党はサノ議員による辞職呼びかけとは無関係だと指摘したが、政治改革については党とサノ氏に共通点があると認めた。
●2月20日(日)
放射性物質の回収
原子力平和利用事務局のチャムルン氏によれば、サムットプラカン県の廃品リサイクル業者の作業場からコバルト六〇が回収され、放射線が外部に漏れないよう鉛で絶縁した容器に納められた。また、同事務局のプラトム副事務局長によれば、シリンダー型のこの放射性物質は廃品回収業者が見つけるまで、都内プラウェートのオンヌット通り付近の駐車場に置かれていたもので、現在、誰が所有者なのか特定する調査が進められている。
被曝で入院
サムットプラカン県のラチャウィティ病院によれば、コバルト六〇に被曝して合計五人が入院しているが、そのうち三人は重症だという。五人のうち四人は、廃品リサイクル業者の従業員で、残り一人は回収業者。
タイ兵の帰国
タイ国軍によれば、現在、東ティモールで治安維持活動に従事しているタイ兵のうち六百五十六人あまりが近く帰国し、上院議員選挙の投票を行うことができるという。同選挙の投票日は来月四日。これらのタイ兵は、米軍の輸送機とタイ海軍の船で帰国するが、飛行機では今月二十二日から二十四日に、そして、船では二十九日に帰国することになっている。国軍の担当者によれば、これらの兵士は選挙権の行使を希望しているという。
策略に動ぜず
新熱望党のサノ元幹事長らの議員グループは、上院選挙後に辞職して、チュアン首相に下院解散を迫ろうとしているが、首相は、「国会議員は自分の判断で辞職することができる。これはまったく問題ではない。これが政府を揺るがすこともない」と述べて、動じない姿勢を見せた。一方、サノ議員の顧問を務めるピタック議員は、「辞職についてはサノ氏と話し合ったことはない。(サノ氏を領袖とする派閥「ワンナムイェン」に所属する)メンバーもこの件をまだ話し合っていない」と指摘した。同顧問によれば、サノ氏が議員を辞職するかどうかは同氏が決めることであり、また、ほかの議員がどうするかもそれぞれの議員が決めることだという。
●2月21日(月)
被曝問題の責任
サムットプラカン県で起きたコバルト六〇による被曝事件で、カモンスコソン・エレクトリック社が処罰される可能性がある。医療機器の輸入・販売に従事する同社は、放射線治療器四台を警備が手薄な駐車場に置いていたことを認めている。このうち一台から廃品回収業者がコバルト六〇の入ったシリンダーを持ち去ったものという。同社の説明によれば、これらの四台のうち一台は、カナダから輸入し、また、購入した医師が設置場所を確保するまで保管してほしいとしていたもので、七四年から同駐車場に置かれている。第二番の治療器は、コンケン大学付属シーナカリン病院が新しい装置を購入したことに伴い、八年前に引き取ったもの。第三番目の装置は英国から輸入したもので、国立ガン研究所から引き取ったものという。そして、第四番目のものは、東芝製のもので、ここからコバルト六〇の入ったシリンダーが持ち去られた。
外国での投票
外務省の海外選挙調整センターによれば、今回の上院議員選挙では、外国で生活するタイ人の有権者合計二万六千人あまりが登録を済ませ、投票をすることができるが、これまでにその六二%が投票したという。各国の在外公館では今月十六日から投票が行われており、二十六日が最終日となっている。
廃棄のコスト
原子力平和利用事務局幹部によれば、カモンスコソン・エレクトリック社は、放射性廃棄物の処理にコストがかかるため、駐車場に放射線治療器を放置していたものと予想される。同事務局のマヌーン副事務局長は、「放射性物質を保有している者はそれを適切に保管し、その費用も負担する必要がある」と指摘した。コバルト六〇は製造元に送り返す必要もあるため、ほかの放射性物質に比べると、この費用がやや割高だという。また、廃品回収業者が持ち去ったコバルト六〇は、医療用としては使えなくなったものだが、まだ人体には危険だという。
●2月22日(火)
地下鉄の運営業者
閣議で、バンコクの地下鉄を運営する企業を決める話し合いが行われたが、国家開発党所属閣僚の反対により、物別れに終わった。閣議では、これで昨年十二月から三回にわたり審議が行われたことになる。計画では、バンコク・メトロ社に二〇〇三年に開業する地下鉄を運営させることになっているが、同党所属の複数の閣僚が、バンコク・メトロ社が政府側に支払う金額が少なすぎると主張して、結論は出なかった。このため、閣議では、同社と再び交渉を行うことが関係当局に指示された。三十日以内に交渉をまとめることとされている。
経済危機の責任
政府の高級調査委員会は、タイが経済危機に直面したのはタイ中央銀行の元幹部などに責任があるとの最終報告をまとめた。これによると、アムヌアイ元蔵相、中銀のルンチャイ元総裁、チャイヤワット元総裁がタイ中央銀行法と民法の規定に反しており、また、中銀・経済調査課のクルトン元課長、タンヤ元副総裁に内規違反があったという。
カモン社への批判
サムットプラカン県の被曝事件で、カモンスコソン・エレクトリック社に対する批判が相次いでいる。また、原子力平和利用事務局のパトム副事務局長によれば、放射性物質を自分で処分できない業者は同事務局に処分を委ねる必要があると強調した。同社は過去に、処分を委託する費用について、事務局に問い合わせたことがあり、また、費用を値下げするよう求めたという。事務局が処分する場合は、費用は千キュリー当たり約五万バーツ。しかし、同社は最終的に、この費用を惜しみ、自ら倉庫を建てて、そこに使われなくなった放射線治療器を保管することにしたものという。また、ポンテープ副科学技術環境相は、六一年に制定された法律では、放射能漏れはわずか懲役一年、罰金一万バーツにすぎず、これが放射性物質の管理、処分が適切に行われない原因だと指摘した。
臓器問題で口止め料
ワチラプラカン病院の臓器移植問題で、臓器提供者の遺族が、移植施術については事前に知らされていなかったと明らかにした。この男性は、娘が脳死状態になった後、心臓と肝臓が摘出されたが、これを後で知らされたという。また、昨年末、同病院の代表だという二人が訪ねてきて、この事実を伏せておくよう二十万バーツを置いていったという。また、この男性は、臓器売買問題に荷担しているように思われるのが怖くなって、事実を明らかにしたとしている。
●2月23日(水)
法的な措置
ピチェート副蔵相は、「経済危機を引き起こした責任があるとされた者たちに閣議がなにもしないというわけにはいかない」と述べて、先に高級調査委員会がまとめた報告に基づいて、元蔵相や中銀の元首脳に法的な措置を執る意向を示した。この報告は四百ページに及ぶもので、来月七日にも閣議に提出される見通しだ。
関係閣僚を批判
スパチャイ副首相兼商務相は、地下鉄運営会社の選定において、国家開発党の閣僚の姿勢を批判した。計画では、バンコク・メトロ社が担当するとされているが、スワット工業相などが、金利などに関連して、同社の担当に反対している。これについて、スパチャイ副首相は、「金利は現在、異常な状態にあると言える。地下鉄計画は長期的なプロジェクトであり、現在の状況をもってすべてを判断すべきではない」と指摘した。同副首相によれば、国家開発党所属閣僚の態度はいたずらに計画を遅らせるだけだという。
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