総 合

タイ医学界 死の定義を再検討

「脳死が世界の流れ」


 サムットプラカン県のワチラプラカン病院で不適切な方法で臓器が摘出・移植されていたとされる問題で、タイ国医務評議会は、法律学会と協力して、死の定義を検討し直すことで、適切な臓器摘出が臓器売買だと非難されるような問題を防止しようとしている。関係筋は、「死の定義があやふやであるから、臓器の売買だと非難されることになる」と指摘した。

 医務評議会のチュムサク・プルックサポン副事務局長は、「医師は脳死をもって人の死と考えている。これは世界中の医師たちの常識となりつつある」と語っている。また、国立タマサート大学法学部のサウェン・ブンチャラムウィパット教授は、「脳死を人の死と考えるのは正しい解釈だと思う。通常、心臓はほかの生命維持に欠かせない臓器が機能しなくなっても働き続けるものだ」と説明した。タイ赤十字社・臓器提供センターのウィシット・ティアワット所長によれば、近年、国際的にも死の定義に変化が見られる。これは臓器の移植で重病の患者を救えるケースが増えてきたことによるもので、脳死と判断されてから心臓と肝臓は約七十二時間機能するため、この間に摘出し、移植すれば、重病患者の延命が可能になる。

 ウィシット所長によれば、医務評議会は、三人以上の医師が脳死と判断し、それから六時間後に脳死を再確認してから、病院長の承認を得て、その患者が死亡したと認定した後に、臓器摘出を行うことを提案している。

 また、法律学会のサク・クーセンクルアン会長によれば、医師が金銭目的に臓器を特定患者に融通するようなことがないよう、罰則規定を設ける必要があるという。



[BANGKOK SHUHO]