総 合

有権者の買収が横行

運動員が匿名で暴露    上院選


「最高で500バーツ」

 来月四日に投票が迫ったタイ初の上院議員選挙で、有権者の買収など、選挙違反がまかり通っているとの報告が都内トンブリ区から出ている。

 ある候補者の運動員は、匿名を条件に、具体的にどのように有権者を買収しているかを内部告発した。候補者は通常、運動員を通じて、地域の代表を集め、ここで代表らに、それぞれの地域の有権者リストと交換に現金を渡す。そして、これら代表は、それぞれの有権者に、特定候補への投票を依頼するため、最高で五百バーツを渡す。このほか、運動員を通じて、食料品や候補の演説を録音したCDを有権者に配らせる候補者もいるという。また、このような有権者の買収には資金が必要であるため、財政的に支援してくれる政党がついている候補者のほうが当選の確率が高くなる。

 選挙違反の実態を暴露したこの運動員は、「私を雇った候補者は、有権者に自分を紹介する選挙ポスターを一万枚配った。これは少ない方だが、この候補者は政党とのつながりがあるため、当選を果たすだろう」と指摘した。また、関係筋によれば、候補者の中には、下院議員選挙に出馬する準備として、自分が有権者の間でどれほど人気があるか知りたいがために上院議員選挙に出馬した者もいるという。

 このほか、トンブリ区ワットカンラヤの代表クリープケオ・テープルアンさんによれば、有権者は複数の議員を選ぶ選挙に慣れており、一人だけを選ぶ今回の選挙では、大量の無効票が出る恐れがあるという。さらに、クリープケオさんは、「新憲法のもとで初めて行われる今回の上院議員選挙でも、政党のバックアップを受けた候補者が当選することでしょう。有能で誠実な候補でも、政党の財政的支援がなければ当選は難しいかもしれない。このため、新しい上院議員は政党のひも付きが大多数を占めるでしょう」と述べた。

 バンコク都では、公正な選挙を行うため、政府に三千四百万バーツの予算を申請したが、実際に割り当てられたのは三百万バーツにすぎず、これでは選挙違反を効率的に取り締まることは不可能に近い。

 なお、サナン・カチョンプラサート副首相兼内相によれば、現在のところ、当局から選挙違反の報告は一件も寄せられていないという。


[BANGKOK SHUHO]