新熱望党最大派閥
下院解散狙い過激化
「議員総辞職」も示唆
下院解散に向け、最大野党・新熱望党のサノ・ティエントン議員(元幹事長)らの行動が活発化している。サノ議員は、来月四日に投票が行われる上院議員選挙後に、同氏の派閥に属する議員を一斉に辞職させると発言しており、これによって、チュアン・リークパイ首相に下院解散を迫る構えだ。サノ議員はワンナムイェン派の領袖で、この派閥に所属する新熱望党議員は数十人に及ぶとされる。
だが、いまのところ、新熱望党および与党第一党・民主党の首脳陣に、動ずる気配はまったく見られない。
民主党党首のチュアン首相は、サノ氏の発言に対し、「各議員は、それぞれ思ったように行動することができる。そして、国民がそれを適切かどうか判断することになる。サノ氏の派閥が議員を辞めても、それで政権が揺らぐことはない」と明言した。
新熱望党党首のチャワリット・ヨンチャイユット元首相も、サノ議員たちが辞職しても、いっこうに構わないとの姿勢を示した。同党首は、「下院を解散させるために議員を辞し、新熱望党を離れて、タイラックタイ党に移るのもよいだろう」と述べた。同党では、ワンナムイェン派を以前から持てあましており、その領袖であるサノ議員が幹事長ポストを若手のチャトゥロン・チャイセン議員に奪われてからは、党首脳部との関係は最悪の状態が続いている。政界観測筋によれば、現在のところ、関係修復は不可能で、サノ氏は、息のかかった議員を引き連れて、新熱望党を離れるのは時間の問題と見られている。
同党を出た後だが、サノ氏は新党を結成するより、財産家として知られるタクシン・チナワット氏率いるタイラックタイ党に移籍したいと考えているようだ。しかし、タイラックタイ党内部には、「金権政治」「手垢にまみれた古いタイプの政治家」というイメージを嫌って、サノ氏らの参加に反対する意見があるようで、タクシン党首も態度をはっきりさせていない。
また、下院解散の時期について、新熱望党のウィーラ・ムシカポン副党首は、新しい上院議員が選挙で選ばれた後、政治の空白状態が起きるのは必至で、このため、大勢の下院議員が一斉に辞任すれば、三月もしくは四月にチュアン首相は下院を解散せざるを得ないと指摘した。
ウィーラ副党首の説明によれば、今国会は来月末に閉会するが、現在の上院議員は任期が来月二十一日に満了となるため、国会の会期中に上院ではさまざまな委員会を設置することもできない。この政治の空白のため、混乱が生じ、首相は下院解散を余儀なくされる。しかし、これに対しては、ずっと以前からわかり切っていたことであり、今国会中に委員会を設置できなければ、臨時国会を召集すればよいだけだとの指摘もある。
なお、チュアン首相は、早期解散を求める声、そして、十一月の任期満了まで国政を担当してほしいとの声がある中、「現在、政府がすべきことは残された問題の解決に全力を挙げることだ」とだけ述べて、解散総選挙の時期には言及していない。
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