週間ニュース


●2月10日(木)

臓器移植の問題
 サムットプラカン県のワチラプラカン病院で臓器移植が適切に行われていなかったとの問題で、国の医務評議会は、著名な外科医を含む医師五人の免許停止・剥奪を決定すると予想される。このうちラマティボディ病院付属医学校の教授を務めるシロート医師は、臓器移植規定の草案作りにも携わった医師だが、医師そして病院長として不適切な行為があったと判定されたという。この問題では、医師が移植用に臓器を摘出のため、患者の死期を早めたなどの疑いがかけられており、また、患者の遺族には金銭が提供されており、臓器を売買したとの疑いもある。同評議会のメンバー、アルン医師は、「シロート医師は長期にわたり倫理に反し、そして、評議会の規律にもとる行為を続けてきた。同情の余地はない」と述べた。なお、医師免許は剥奪から二年で、再申請することが可能で、また、それが却下された場合は、その一年後に再び申請することができるという。

立候補の資格
 憲法裁判所関係筋によれば、同裁判所は、上院議員選挙の立候補資格について、タイ選挙管理委員会と異なる判断を示すものと予想される。同委員会は、国立大学の理事など政府から手当を受けている者は公務員と見なされ、立候補の資格はないとの立場だ。このほか、同委員会は任命権があるかどうかなども「見なし公務員」の判定材料としている。これにより立候補届けを行った人のうち、二十八の役職に就いている人たちが資格なしとされた。関係筋によれば、これらの判断材料のうち、同裁判所は、月給ではなく、会議出席の際の手当などしか受けていない理事を公務員とすることはできないと考えているという。

批判に反論
 トライロン副首相の側近として知られるカティヤ陸軍少将は、人をマフィア呼ばわりしているとブンヨン陸軍少将を非難した。カティヤ少将は、自分は過去に母国のために共産主義勢力と戦った兵士であり、国の利益ならないことをするわけがないとしている。カティヤ少将は、トライロン大臣に批判的な記事を掲載し続けた新聞社に配下の者を送り込み、脅しをかけたと疑われている。関係筋によれば、ブンヨン少将による批判は、カティヤ少将の昇進に関係しているのだという。同筋は、「カティヤ少将は、タイ中部を管轄する憲兵隊の責任者になりたいため、スラユット陸軍司令官に根回しをしたが、うまくいっていない。ブンヨン少将の批判は、このカティヤ少将の昇進を阻止しようとしたものだ」と説明した。


●2月11日(金)

医師に刑事罰
 警視庁のダルン副長官によれば、ワチラプラカン病院の医師は臓器移植法に違反した容疑で起訴される可能性があるという。同副長官は、「警察としては、昨年三月に提出された訴えについて詳しく検討を行う予定だ。また、弁護士協会に対しては、臓器を勝手に売買されたとみられる患者の遺族からも訴えが出ており、これも検討する必要があろう」と述べた。遺族によれば、同病院で死亡した肉親の腎臓、肝臓が移植に使われ、病院側は葬儀代として十万バーツを払い、また、入院・治療費も帳消しにしたという。このほか、なにも知らないうちに妻の臓器提供の同意書に署名させられ、二万五千バーツを受け取った男性もいるという。

外国のカジノ
 消息筋によれば、タイの関係当局は、ミャンマー領内のミヨワディにあるカジノに出かけるタイ人の動きに注意している。この賭博場は、タイ国境に近いことから、タイ人が多く訪れているという。同筋は、「国境の通行所からミャンマーに合法的に入国することができる。ミャンマー領内のカジノについてはタイ側は口出しできないため、現行法を厳しく適用するしか手段はない」と説明した。法律では、事前の許可を得ない場合、タイと国境を接する外国を訪れる場合五万バーツまで、そして、それ以外の国の場合五十万バーツまでしか持ち出せないため、これを厳しく適用することにしているという。

刑務所の警備強化
 メホンソン刑務所で受刑者が逃走しようとする事件が起きたことから、内務省のニパット監査主任は、メホンソン県を訪れ、現場を視察すると同時に、全国の刑務所に対し、このような事件が起きることがないよう警備を厳重にするよう命じた。この事件では、二人の囚人が、先の尖った金属棒を凶器に看守を人質にし、また、爆発物を持っていると脅して、刑務所から逃走しようとした。看守は負傷したが、二人は取り押さえられた。


●2月12日(土)

抗議の集会
 第十回UNCTAD(国連貿易開発会議)開幕のこの日、会場のクイーン・シリキット国立会議場前で、数百人に及ぶグループが貧困問題の解決などを要求した。また、グループの代表は、会議開催の責任者に対し、要望書を提出した。このグループは、都内クロントイに集まり、ラチャダピセーク通りから会場に向かおうとしたが、警察に阻止された。しかし、最終的に警察は、拡声器を使わないこと、平和的に要求を表明することなどを条件に、グループが会場近くまで行くことを許した。このグループのプラカードには、「WTO(世界貿易機関)、IMF(国際通貨基金)、ADB(アジア開発銀行)、世界銀行は地獄に堕ちろ」といったものもあった。

世帯主の関心
 私立のアサンプション大学が実施した世論調査によれば、上院議員選挙は投票が来月四日に行われるが、上院議員の権限、役割などに対する関心は依然として低いという。この調査は全国の世帯主二千五百人あまりを対象に実施された。この選挙は、現行憲法下で実施されるタイ初の上院議員を選ぶ選挙。同大学は昨年十二月にも同様の調査を実施しているが、結果には大きな差はなかった。今回の調査では、上院議員の権限、役割についてなにも知らないという回答が六二・二%に及んだ。

医薬品の依存度
 コン副首相兼保健相(与党・国家開発党党首)は、医薬品に関するフォーラムの席上、途上国は協力して、輸入医薬品に対する依存度を引き下げる必要があると指摘した。同副首相によれば、これを実現するため、国際的なファンドを設置して、途上国による医薬品の研究・開発を支援するのが望ましいという。このフォーラムは、スイスに本部を置くインターナショナル・トレード・センターが開催したもので、第十回アンクタッドの一環となっている。

道路建設計画
 タイ野生動物基金は、森林局に対し、トゥンヤイナレスワン野生動物保護区の道路建設計画について、国家野生動物保護委員会にその理由を詳しく説明するよう要求した。同基金のスラポン事務局長は、「トゥンヤイナレスワンは野生動物保護区というだけでなく、世界遺産にも指定されている。それだけに、森林局は道路建設計画の目的を説明して、保護区に影響が及ばないことをはっきりさせる必要がある」と述べた。


●2月13日(日)

専務理事にパイ
 第十回UNCTADで、辞任の挨拶をしようとしていたIMF(国際通貨基金)のカムデュス専務理事は、NGOのメンバーの男性から顔にパイを押しつけられた。同専務理事は人と立ち話をしていたところ、この男性が「ハッピーバースディー」と言って近づいてきて、手に持っていたパイを専務理事の顔に押しつけた。右頬には白と赤のクリームがべったりとついた。同専務理事は、被害届を出さず、犯人の男性も無罪放免になった。しかし、UNCTADは、この男性と同NGOのほかのメンバーが会場に入ることを禁止した。

選挙違反に警告
 国際的な選挙監視機関「ナショナル・デモクラティック・インスティチュート・フォー・インターナショナル・アフェアズ」によれば、来月四日に投票が行われるタイ初の上院議員選挙は、既成政党による干渉、そして、選挙違反が蔓延することが懸念されるという。また、同団体に所属するピチャイ氏は、「候補者の多くが政党のバックアップを受けるだろう。そして、当選すれば、その候補者は上院議員の権限を使って、政党にお返しをすることになる」と指摘した。現行憲法では、不偏不党の人物を上院議員に選ぶため、上院選挙に立候補するものは政党に所属していてはならないとされている。また、下院議員選挙のような派手な選挙運動をすることも禁止されている。

有権者の買収
 関係筋によれば、上院選挙ではバンコクで有権者の買収を始めた立候補者もいるという。これらの候補がターゲットとしているのは、低所得者が多く住むエリアで、有権者にそれぞれ五百バーツを渡して選挙を頼んでいる立候補者もいるという。さらに、現金ではなく、食品などの生活必需品を有権者に配っている候補者もいるとのことだ。

似顔絵を公表
 警視庁はBOIフェア2000の会場内の宝石店から大粒のダイヤモンドを盗んだ容疑者の似顔絵を公表した。犯人は三十歳前後の女で、昨年十二月十四日にカルティエのダイヤ指輪を盗んだ容疑者と同一人物の可能性があるという。


●2月14日(月)

憲法裁判所の判断
 上院選挙の立候補資格について憲法裁判所が最終的な判断を示した。先にタイ選挙管理委員会は、国立大学の理事などは月給はないものの、公務員と見なされるとの理由で、二十八の役職について立候補資格がないとしていた。しかし、憲法裁判所は、このうち陪席裁判官を除く二十七の役職については公務員ではなく、立候補の資格があるとの判断を示した。また、同委員会は、この判断に全面的に従うことになった。スタット法相によれば、立候補資格については地方裁判所にも訴えが提出され、審理が行われているが、憲法裁判所の判断が最終的なものであるため、この審理は中止されることになる。また、不正資金浄化対策委員会のメンバーであるアルン氏、そして、タイ電話公社のミーチャイ会長は、今回の憲法裁判所の判断により、候補として正式に認められることになった。アルン氏は、チュンポン地方裁判所に対し、自分に資格があることを宣言するよう求める予定だという。また、ミーチャイ氏は、選挙管理委員会に対し、正式な候補であることを有権者に知らせるよう協力を求めるつもりだという。

盗まれたダイヤ
 警察当局は、BOIフェア2000で盗まれた高価なダイヤを取り戻した。市価七十九万バーツのこのダイヤは都内の古物商に持ち込まれたもので、警察は犯人と共犯と思われる人物を逮捕することはできなかった。

新しい空の玄関口
 ドンムアンにあるバンコク国際空港は、この先数年のうちに航空機、乗客の増加に対応できなくなるため、ノングーハオで第二バンコク国際空港の建設が進められているが、その工事は一三%まで進んでいる。新空港を運営するニュー・バンコク・インターナショナル・エアポート社のソムチェート社長によれば、工事は順調で、予定通りに新空港をオープンできるという。同社長は、「二〇〇四年には予定通り営業を開始できると確信している」と述べた。

バンコク都知事選
 民主党のタワッチャイ議員は、無所属としてバンコク都知事選に立候補するつもりはないと述べた。同議員は先に、党が公認候補に認めてくれなければ、無所属で出馬すると述べていた。同議員は、「私を公認候補にしないと党が決定し、また、その理由が納得できるものであれば、立候補は諦める」と述べた。この選挙については、今年実施される下院議員選挙の行方を占う選挙として政党が非常に力を入れることが予想され、無所属は不利になるとの見方がある。


●2月15日(火)

無実を主張
 横領などの容疑をかけられているピン元ファイナンスワン社社長は、ロンドンで、「タイ政府は金融危機の罪を誰かに着せようとしている。これは理解できる。しかし、私は犯罪者ではない」と、これまでの主張を繰り返した。同容疑者は英国で保釈の身であり、タイ当局は身柄引き渡しを求めている。

犯人を逮捕
 警視庁の発表によれば、BOIフェア2000でのダイヤ窃盗事件の犯人が逮捕された。このほか同容疑者は、この数年間に六回あまり窃盗を働いたことも自供しているという。

貧困対策予算
 閣議で二十億バーツにのぼる貧困対策予算が承認された。この予算は低所得者が抱える問題の解決などに使われるもので、来年から利用されることになっている。しかし、これについては、否定的な意見も出ている。チュアン首相は、「全国の一万に及ぶ村が貧困問題に直面しているとされ、二十億バーツでは足りない」と指摘した。また、低所得者を救済する融資計画が九十二年から実施されているが、これについて、ソムサク教育相は、「村民がローンを適切に活用していないケースが多く、問題がある」と指摘した。


●2月16日(水)

医療品調達問題
 コン副首相兼保健相(国家開発党党首)は、保健省が管轄する病院での医療品調達問題で、チュアン首相が元保健事務次官に対する調査を命じるものと考えていると述べて、首相に迅速な対応を促した。この問題は、納入業者が異常に高い値段で医療品を病院に納めていたというもので、当時の保健省幹部などの関与が疑われている。同副首相は、「首相はなにが適切であり、なにをすべきかを分かっていると思う。(私の求めに対し)首相はすでに心の中では調査実施を決めているものと考えている」と述べた。一方、当のチュアン首相は、「コン副首相は私に対して直接なにも言っていない。陰で彼がなにを言っているのかも知らない。特定のグループの要望に応えることはできない。このようなグループの感情的な圧力には屈しない」と述べた。

資産隠しの疑惑
 最大野党・新熱望党は、憲法裁判所に対し、サナン副首相兼内相(民主党幹事長)の資産隠し疑惑について審議するよう求める方針だという。ウィーラ国家開発党副党首は、「サナン副首相の問題について、速やかに判断を下してもらうため、近く憲法裁判所の判事たちと会う予定だ。サナン副首相が先に国会で嘘をついたことは明らかだ」と述べた。同副党首によれば、サナン氏は不正な蓄財をしたのではないかと指摘され、これに対して、ある民間会社から四千五百万バーツの融資を受けており、このために資産が多いように受け止められていると説明した。しかし、野党側によれば、この民間会社がサナン氏に融資した記録は帳簿にも残っていないという。


[BANGKOK SHUHO]