IMF幹部の顔面にパイ投げ
国連貿易開発会議
犯人の米国人は無罪放免
バンコクの中心部に位置するクイーン・シリキット国立会議場を会場とする第十回UNCTAD(国連貿易開発会議)で十三日、IMF(国際通貨基金)のマイケル・カムデュス専務理事(当時)が、顔面にパイを押し付けられた。そのとき、カムデュス氏は、翌十四日の退任を控えて、専務理事として最後のスピーチを行う直前だった。犯人は、NGO『フィフティー・イヤーズ・イズ・イナフ』のメンバーとして登録し、会場に入ることが許されていた米国人男性。この名称は直訳すると「五十年でたくさんだ」というもので、五十年とは、IMFの創設から現在までの期間を意味しているようだ。
この男性は、カムディス氏が訴えなかったことから、罪には問われなかったが、報道陣に対し、「カムデュス専務理事に危害を加えるつもりは最初からなかった。IMFが世界経済のためとの理由で、途上国や貧しい人々を苦しめていることに注目してもらいたかった」と述べている。
最後の晴れ舞台を台無しにされたカムディス氏は、心中穏やかではなかっただろうが、しばらくして、報道陣に対し、冗談交じりに「プロフェッショナル・リスク(仕事上の危険)だよ」と笑い飛ばし、平静を装った。
警察庁経済犯罪局のコプサク・チュティクン局長によれば、UNCTADは、このパイ事件に伴い、犯人の男性を含め、同NGOのメンバーが会場に入ることを禁止した。
また、この事件に関連し、ベルギーのブリュッセルに本部を置く組織「PSF」は、カムデュス専務理事への顔面クリームパイ攻撃は同氏のもとでIMFがこれまでに犯した罪に比べれば、取るに足らないとの声明を発表した。
第十回UNCTADのため、タイを訪れていたコフィ・アナン国連事務総長は、パイ攻撃は少し乱暴だ、と指摘するとともに、「世界の金融システムのために多大な努力をした」と述べて、IMFとカムデュス氏を擁護した。
なお、スリン・ピットスワン外相は、この種の攻撃を完全に防ぐことは難しいとの見解を示している。
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