総 合

バンコク、「公害都市」の汚名返上へ1歩前進
大気汚染対策モデル都市に

世銀が指定、技術・財政を支援も


排気ガス集中取り締まりも実施(2/14〜)

 世界銀行は過去三年間バンコク都庁が行ってきた大気汚染問題への取り組みを評価。メキシコシティに続いてバンコクを「大気汚染をなくすモデル都市」に指定した。今月十五日には、ピチット・ラッタクン都知事が世界銀行総裁と会談の後、大気汚染防止の共同宣言に署名。今後五年間、バンコク都庁は大気汚染対策について、世界銀行から技術的、財政的支援を受けることとなった。

 都庁は今月十四日から交通警察の協力を得て、車両の排気ガスについて集中取り締まりを開始した。排気ガスの取り締まりは、これまでも都内の幹線道路沿いにチェックポイントを設けて随時行われてきた。今回も環境基準を参考に排気ガス量が過剰と見られる車両は最高千バーツの罰金が課せられるほか、都心部への乗り入れが禁止される。

 取り締まり初日の十四日には、公共バスを含む十七台の車両が罰金や走行禁止を命じられた。この際、営業を中断させられたバスの乗客が、運賃の払い戻しもないまま別のバスに乗り換えなければならなくなったため「なぜ出発前のターミナルで検査しないのか」との批判も起きている。公共バスを運行するバンコク大量輸送公社(BMTA)では一昨年より低公害の新型バスへの切り替えを進めているが、依然として排気ガス量の多い旧型バスが走る路線が少なくない。

 バンコクでは幹線道路上の大気に漂う十ミクロン以下の塵芥が、国際安全基準とされる一立方メートル当たり百二十マイクログラムを大幅に上回る。二百マイクログラムを越える場所も多く、時間帯によっては三百マイクログラム以上となる。警察庁が九八年と九九年にバンコクで実施した交通警察官の健康診断では、三六%の受診者に肺機能障害が認められた。

 都庁では大気汚染対策として、工事現場付近の環境の監視、道路や歩道の修繕、植樹などを進めている。また昨年三月からは強制的ではないものの、幹線道路で一日二時間の乗り入れ制限を実施。大気汚染集中管理区域に指定されたパホンヨーチン、ラチャプラロップ、ラマ九世、ペッブリー、アートナロン、シーロム、シープラヤ、ラムカムヘンの各通りで、同乗者のいない自家用車と乗客のいないタクシーに対し、通行を控えるよう指導している。

 ピチット都知事によれば、過去三年間、十三回に及ぶ都庁の大気汚染防止キャンペーンにより、一酸化炭素および煤塵の含有率は二二%減少したという。同知事は二〇〇六年までにさらに二五%減少させることを目標としている。

 バンコク都庁では、これまで独自に行ってきた大気汚染対策をより効果的に遂行するには政府機関の協力が欠かせないとしている。このため現在、政府に対し「都庁の大気汚染対策を法令化すること」、「大気汚染対策を第九次国家経済社会開発計画に盛り込むこと」、「大蔵省による財政的協力」、「排気量の多いバイクに使用されるツーストロークオイルの輸入禁止」、「過剰な排気ガスに罰金を設けること」、「ツーストロークバイクの製造を今年中に禁止すること」の六項目を提案している。

(小林ゆかり記者)



[BANGKOK SHUHO]