ウイスキー自由化、程遠く
ウイスキー製造自由化元年を迎え、国営蒸留酒工場の民営化と新規業者の参入により、従来のグループ独占が排除され、競争の活性化が期待されていた。しかし、政府の自由化への対応が独占体質の改善というより維持ととれる態度であったことで、自由化というには程遠い実情がますます浮き彫りになった。また、今年度の酒税収入が百三十億バーツ減少する見通しとなり、政府の手際の悪さが目立つかたちとなった。
政府はウイスキー製造自由化にあたり、蒸留酒工場設置規定を発布する義務があるが、依然として政府からの発表はなく、新規製造業者が参入しにくい原因となっている。また、工場局が現在作成している同規定の草案内容が工場総面積を三五十ライ以上、生産量を一日あたり最低九万リットルとの規定や浄水施設の設置を義務づけるなどと、非常に厳しく、新規の参入をより困難にしている。
また、間接税局の報告では、昨年で旧事業者とのライセンス契約が切れ、十一ヵ所の工場が民営化されたが、契約満期前におよそ三年分に及ぶウイスキーストックが旧事業者により備蓄されたため、新酒が市場に出回らなくなった。
このため、酒税からの税収は昨年、百七十億バーツだったが、今年は間接税局の概算によると五十億バーツに激減する見込みで、さらに二〇〇二年まで酒税収入は期待できなくなった。昨年、十一ヵ所の蒸留酒製造工場を売却し、百五十億の臨時収入があるため当面はしのいでいけるが、後々の問題は避けられない状況となっている。
こういったや民営化の流れに反する動きや長期的な計画性の欠如は、民営化により経済の効率性を高め、財とサービスの質の向上を目指しているタイにとって、大きな反省材料といえるだろう。
|