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ピザ社 独自ブランドをオープン

事業の多角化を選択


 アメリカの大手レストランチェーン「ピザハット」と決別したタイのピザ社(ウイリアム・ハイネッキー社長)は、新たに独自ブランド「ザ・ピザ・カンパニー」を設立、全国的に展開することになった。二月二二日から正式オープンする。

 ピザ社は一九八〇年代から、タイでピザハットをチェーン展開し、急成長を遂げた企業。フランチャイズ権利者の米トリコン・グローバル・レストランツとは長期間にわたり良好な関係を続けてきたが、ピザ社が新たにオーストラリアのファーストフードチェーン「チキン・トリート」と提携すると発表したため、トリコン側がこれを契約違反であると主張、チキントリートと提携するなら契約を破棄すると通告した。

 ピザ社は事業の多角化のために、ピザハットの看板を下ろすことを決断、独自ブランドを採用することになった。同社は他に「デイリー・クイーン」や「シズラー」といったレストランチェーンを展開しており、今後もブランドの多様化を進めていく方針を鮮明にしている。

 ファーストフード店がフランチャイズから離脱し、独自ブランドで再開することは「リブランド」と呼ばれ、しばしば見られる事象だが、成功例はそれほど多くない。

 ファーストフード・ビジネスはブランド力とマーケティングに大きく依存し、大規模な資本力を必要とする。また商品開発や市場調査は、グローバルな店舗網を有する米企業が得意とする分野であり、限られた資源しか持たないローカル企業は不利な競争を強いられることになる。

 ピザ社はマーケティング費用に二億バーツを投じて、ピザ市場の維持を図る。ピザハット時代には九〇パーセントのシェアを誇っていたが、新ブランドでこの数字は難しい、との見方もある。宅配にも力を入れ、ピザハットで広く認知されている宅配用電話番号もそのまま使用する方針。

 一方、「ピザハット」ブランドのオーナー、トリコン・グローバル・レストランツは独自にタイ国内でチェーン展開する。すでにインペリアルワールド・ラプラオ店に第一号店をオープンさせている。トリコンは「ピザハット」の他に「KFC(ケンタッキー・フライドチキン)」「タコベル」などのフランチャイズ権を有するが、中でもKFCはバンコク都内を中心に大規模ショッピングセンターに積極的に出店しており、フライドチキン業界におけるトップの地位は揺るぎない。ピザ社は「チキン・トリート」を通じこの分野でも、トリコンに挑戦することになる。

 ハイネッキー氏はタイで最も成功した外国人経営者の一人で、カリスマ的なリーダー性とエキセントリックな性格でよく知られている。その昔、ピザハットの店舗に突然現れ「ハイネッキーだが、手持ちの現金がないから貸してくれないか」と言ったという逸話は有名。

 「ザ・ピザ・カンパニー」ブランドを発表した時も、みずから宅配用オートバイにまたがり、派手な演出を披露した。今回の一件はピザ戦争として大きく報道されたが、「世界的なレストランチェーンに戦いを挑むとはハイネッキー氏らしい」との評価がもっぱらだ。


[BANGKOK SHUHO]