コメ輸出量、20%減
価格暴落を懸念する声も
米の輸出量が急激に落ち込んでいる。タイ米輸出組合によると、一月の米輸出総量は四十四万九千トンで、前月比で一九・八二%減少した。輸出量低下と同時に、海外からの発注数も減っており、同組合はこのまま輸出量が低下すれば、国内の米価格が一トン四千バーツ、およそ二四%下落する危険性があると予想している。
タイの米輸出国は中国を筆頭に、マレーシア、インドネシア、イラン、ナイジェリア、シンガポールと続いており、計百四十カ国と取引を行っている。輸出量が特に減少しているのはインドネシアで、昨年一月が八万四千四百九十トンだったのに対し、今年一月は一万六千七百八十七トンと、八〇%以上減少した。この他にもナイジェリア(四五・三二%減)、マレーシア(三〇・八四%)、中国(二三・一一%)と主要輸出国への輸出量は全て落ち込んだ。
この原因として、昨年末に政府が米価格に介入し、価格が引き上げられたことが挙げられる。ソンブン・パタイチャン同組合長によると、現在Aグレードのジャスミン米は一トン五百七十ドル、Bグレードが五百五十五ドル、Aグレードの一〇〇%白米が一トン三百ドル、Bグレードが二百六十五ドルで取引されているが、これらの価格は競争相手国のベトナムやインドと比べ、最低でも一トン二十ドル割高になっているという。
この影響から、全国精米所では米貯蔵率が上昇しつつあり、ソンブン氏は三月と四月に予定されている第二期収穫分が合わされば、「供給過剰」で米の下落は避けられないと見ている。
だが、もし国内の米価格が一トン四千バーツに値下げされると、農民によるデモが再発する恐れがある。これを避けるため、商業省貿易局はフィリピンへ十万トンの白米を輸出する契約を結ぶなど、米輸出業者と協力し輸出量増加と新市場の開拓に力を入れている。
米輸出量が下がった原因には、世界の米需要の低下や、他国との競争が激しくなったことも関係している。世界の米需要は、九八年が二千六百万トン、九九年が二千百万トンと縮小しており、その反面で、世界の米生産量は大幅に膨らみ、全体的に供給過剰状態になっているのだ
米輸出国の間で競争が激しくなる中で、インドの米輸出量は注目するべき伸びを達成している。耕地拡大と技術導入による土地生産性の増大に成功したインドは、バンクラデシュへの大量輸出により、九八年の米輸出量をタイの六百三十万トンに続く五百三十万トン、前年度実績の七五%増に引き上げ、ベトナムを抜く米輸出国第二位の座に着いた。
タイの米輸出量を回復させるには、昨年「二十世紀最悪の洪水」に見舞われ米収穫量を大幅に減少したベトナムの米輸出国へ、タイ産の米を売り込むことが一つの法と言えるだろう。しかし先に述べたとうり、タイ米は他の米輸出国と比べ割高であり、それが常にネックになることは間違いない。
また日本のように、米の需給均衡のために、価格の調整以上に生産調整に重点を置くような政策を立てることも考慮すべきだ。タイ政府は、どちらかと言えば、生産されたものを売りさばく方法に振り回されているようである。
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