経 済

バンコク・メトロ社が有力

首都地下鉄運営権


 タイ初の首都地下鉄道の運営権を巡り、長引いていた民間会社の入札競争にようやく決着がつこうとしている。候補会社の中で有力視されているのはバンコク・メトロ社(BMCL)。国に納める事業権利料で最も良い条件を提示しており、同社の入札はほぼ確実と見込まれている。この最終選考会は今月十四日に開かれ、翌十五日の閣議で正式決定される予定だ。

 入札交渉が難航していた背景には、民間会社の提案した契約条件に対し、閣議の一致が得られなかったことがある。スパチャイ・パニッチャパック副首相兼商業相を除く副首相、その他タリン・ミニマンヘミン蔵相などで構成された地下鉄事業者選考委員会は、運営事業権利料(二十五年契約)の引き上げ、提案されていた運賃(十五バーツ〜三十八バーツ)の値下げ、そして実質インフレ率に沿った運賃設定ができるシステムを備えることなどを要求した。

 MRTAは七日、同委員会との会議後に事業権料をそれまでの六百六十億バーツから七百七十億バーツに引き上げると発表した。BMCLはこれを受け入れ、百十億バーツを上乗せすると返答、また運賃に関しても二〇〇三年まで十四バーツ〜三十六バーツ幅に値下げ、それ以降はインフレ率に対応した運賃設定をすると約束した。

 「バンコク都市輸送整備プロジェクト」の一環として開始された同事業は、当初道路上の高架鉄道として進められていた。しかし騒音や大気汚染など、環境面で問題があることが指摘され、後に路線長二十キロの地下鉄に変更された。

 このため工事費が予定を大幅に上回り、政府は建設を首都高速鉄道会社(MRTA)に、運営を民間企業に分担させる処置を取った。

 運営権を獲得すると同時に、BMCLは地下鉄車両を提供する会社を選択する必要がある。現在入札を狙っているのはドイツ、カナダ、日本とフランス提携、そして日本から四社あり、その中でもスカイトレインの車両を供給しただけでなく、信号機システムも導入した実績を持っているドイツのシーメンスが有力と言われている。

 しかしその実績がある反面、今回の入札では同社の車両価格は極めて高く、BMCLの決断を遅らせている。他社の車両が全て二百億バーツ以下であるのに対し、シーメンスは二百六十億バーツを提示しているのである。

 権利料を増やすなど政府の要求を呑み込んで、予想当収益額が望めなくなったBMCLとしては、出費を押さえたいところだが、ある情報では、そのシーメンスを選ぶようBMCLに政治的圧力が掛かっているという噂が流れている。

 経済協力開発機構(OECF)の借款を得て、ファランポーン駅とバンスー駅を結ぶ建設工事は九七年に着工、二〇〇二年に完成する予定だ。そして開通は、二〇〇三年七月を見込んでいる。


[BANGKOK SHUHO]