週間ニュース


●1月27日(木)

野党の対人要求
 野党陣営は、ラチャブリ県で武装したミャンマー人グループが病院を占拠した事件は、政府の情報収集に問題があったからだとして、チュアン内閣に対し、責任をとって辞職するよう要求した。最大野党・新熱望党のアディソン副党首は、「昨年十月にバンコクでミャンマー大使館が占拠された事件に伴い、政府は情報収集を強化しているべきだった。国の諜報機関はなにをやっていたのか」と述べた。同副党首によれば、病院占拠事件の犯人たちは、越境してバスを乗っ取ってラチャブリの町までやって来たわけで、途中の検問所でなぜ阻止できなかったのか、そして、射殺された犯人十人全員の身元がはっきりしないのか疑問だという。

農相を弁護
 与党・チャートタイ党では、バンハーン党首が、農業省の改革資金六億バーツの使い道について、ポンポン幹事長(農相)を強く批判しているが、ポンポン議員の父で、党首を務めたことのあるプラマン元副首相が、息子を弁護した。バンハーン党首は、アジア開発銀行から融資金六億バーツの使途などに説明を受けなかったと憤慨している。同党首によれば、農相の仕事については、党にすべて報告されていなければならない。プラマン元副首相は、「ポンポン幹事長は農相として仕事をしっかりやっていないように言われ、気分を害している」と述べるとともに、同幹事長に対し、論争のエスカレートを避けるため、一歩退くよう求めた。

収容センター
 国家治安評議会のカチャッパイ事務局長は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の地域代表と会談した後、「ラチャブリ県のマニローイ・ホールディングセンターは、現在収容されているミャンマー人の元学生を第三国に定住させることで、年内に閉鎖できるだろう」と述べた。同センターには、ミャンマーの軍事政権から逃れてきた元学生が数千人収容されている。また、UNHCR地域代表は、「タイ国内のミャンマー人元学生はUNHCRの保護下にある。バンコクでは約八百人の学生がUNHCRの保護下にあったが、そのうち五百人あまりはマニローイに戻っている」と説明した。

立候補資格の問題
 憲法裁判所筋によれば、同裁判所は近く、上院議員選挙の立候補資格について検討を行い、資格がないとされた人々からの訴えを裁判所として審議するかどうかを決める予定だという。憲法裁判所が審議を行った場合、最終的な判断は二月半ばにも出るという。また、ワンノー国会議長は、失格となった人々の訴えを憲法裁判所に回さないと先に述べたが、実際には同議長は審議を要請していたという。上院議員選挙は投票が三月四日に行われるが、先月立候補届けを行った国立大学理事などが失格とされた。タイ選挙管理委員会によれば、俸給がなくとも理事には大学役員の任命権があり、公務員と見なされ、立候補の資格がない。


●1月28日(金)

マニローイ
 チュアン首相は、バンコクにいるとされる約千二百人に及ぶミャンマー人もと学生に対し、マニローイ・ホールディングセンターに戻るよう呼びかけた。チュアン首相は、「問題が起きないよう元学生たちを一カ所に集めておくというのが政府の方針だ。元学生たちが勝手にセンターから出てくるようなことは許されない」と述べた。国連難民高等弁務官事務所は、第三国への定住手続きのため、ミャンマー人の元学生に対し出頭するよう呼びかけているが、多くの元学生がこれに応ぜずバンコク都内に潜んでいるという。チュアン首相は、「問題を起こさないという条件で政府は、元学生たちの面倒を見ることにしている。彼らには同情する。問題さえ起こさなければ、元学生を見捨てるようなことはしない」と述べた。

情報収集の問題
 国家情報機関のプンマラット議長は、ラチャブリの病院占拠事件については、同機関による情報収入に至らない点があったと認めた。同議長は、「国家情報機関には今年、二億八千七百万バーツが割り当てられている。これはぎりぎりの予算だが、これが問題ではない。情報収集がうまくできないのは、ネットワークが不適切だからだ」と説明した。

メディアが妨害
 アカポン政府報道官は、ラチャブリ県の病院占拠事件ではテレビ、ラジオの放送が病院内部の犯人に当局の動きを伝えることになったと指摘した。このため、政府は、同様の事態が発生した場合に備え、二月四日に国内のテレビ局、ラジオ局の代表を集めて、話し合いを行うことにしている。同報道官は、「一部の生中継は不適切だった。犯人側との交渉にマイナスになった」と述べた。これについては、私立アサンプション大学が世論調査を行っている。それによると、生放送に満足しているとの回答が五七・四%で、また、人質救出作戦での当局の対応に関する疑問を払拭してくれたというものが六二%に及んだ。一方、人質の安全に関わることであり、生中継は好ましくなかったとの回答は二二・一%だった。同調査は、一月二十六日から二十八日にかけ実施され、千九十八人が回答した。


●1月29日(土)

不法滞在者の逮捕
 警視庁の担当者によれば、二月中旬にバンコクで第十回アンクタッド(国連貿易開発会議)が開催されることから、バンコクで不法滞在者の一斉摘発が行われた。逮捕者は合計千四百九十一人で、その八〇%がミャンマー人、ラオス人、カンボジア人、残りが中国人、パキスタン人、ロシア人、ポルトガル人などだった。同担当者は、「逮捕された外国人は、物乞いや盗みをして者で、中には売春宿を経営していた者もいる」と説明した。第十回アンクタッドは二月九日から十九日にかけクイーン・シリキット国立会センターで開催されるが、バンコクでは、検問所を設けて、武器を隠し持っていないかなどのチェックに力が入れられている。開催期間中は会場付近の通りでは検問が更に強化される見通しだ。

バンコク都知事選
 野党・プラチャーコンタイ党のサマック党首は、今年半ばのバンコク都知事選に出馬する可能性が高まっている。同党首は、先に実施されたアサンプション大学の世論調査で、新都知事に相応しい人物として第三番目に選ばれた。第一位はスダーラット元パランタム党議員、第二位はパウィナー国家開発党議員。サマック党首は、「党首にとどまったままで都知事を務めることができるかどうかまだはっきりしないが、都知事になった場合に備えて、政策などをまとめたいと考えている」と述べた。同党首によれば、立候補するかどうかは党執行部が最終決定を下すことになる。

赤字予算の継続
 タリン蔵相によれば、景気刺激策を実施するため、来年度も国家予算は歳出超過とされる予定だ。タイ商工会議所での会合で、タリン大臣は、「来年度(今年十月から来年九月)の予算は、約二十%が地方に割り当てられる。これはこの先六年のうちに三十五%に引き上げられることになっている」と説明した。同大臣の説明によれば、政府は意図的に歳出を、歳入を超えるものにして、景気刺激策に資金を投入してきたが、これを来年度も続ける必要があるという。また、政府が資金を投入するだけでは景気の順調な回復には不十分で、民間部門が積極的に投資する必要があるという。


●1月30日(日)

基本的権利の否定
 第十回国連貿易開発会議の開催期間中、会場のクイーン・シリキット国立会センター周辺で集会を開くことを政府が禁止したことに、市民活動家などは反発している。これら市民活動家によれば、貧困問題に直面している人々が、その窮状を訴えるために平和的に集会を行い、会議出席者の関心を惹こうとするのは憲法で定められた基本的権利であり、これを否定することはできないという。これら活動家は、国立タマサート大学で話し合いを行った。ここでは、「集会の禁止は、政府にとって重大な判断ミスである」と指摘した。また、国連貿易開発会議の組織委員会に対し、抗議書を提出することなども検討されているという。

サウジアラビア
 外務省によれば、サウジアラビア政府は、第十回国連貿易開発会議に代表団を派遣する意向を明らかにした。サウジアラビアとタイの関係は、タイ国内でサウジアラビア大使館員が殺害された事件、サウジアラビアの王宮からタイ人労働者が盗んだ宝石がまだすべて見つかっていない問題などで、ささくれだった状態にあったが、同省幹部は、「代表団を派遣することは、両国間の関係が改善に向かいつつあることを示すものだ」と述べた。同国はこの大型国際会議に、商務相、副外国貿易相、副外相、副石油相、副蔵相などを出席させる見通しだ。消息筋によれば、タイ政府としては、サウジアラビアの代表団と様々な分野について積極的に意見を交換し、関係をより良好なものにしたいと考えている。

情報ネットワーク
 軍関係筋によれば、カンボジアのフン・セン首相の殺害を試みたとされるカンボジア人容疑者がバンコクに潜んでいた事件、そして、武装ミャンマー人グループによるラチャブリ病院占拠事件に伴い、国の情報収集力に批判の声があがっていることから、軍部は、情報ネットワークを強化しようとしている。スラユット陸軍司令官は、陸軍に対し、情報収集ネットワークを根本から見直すよう命じたとされる。


●1月31日(月)

テロ行為の脅威
 ピチャイ副首相は、テロ行為の脅威が存在すると発言した国家情報機関のプンマート議長に対し、このコメントを裏付ける具体的証拠を示すよう求めた。ピチャイ副首相は、「記者会見でのプンマート議長の発言は、国民に警告を与えようとしたものとみられるが、そのコメントは、世界のテロリストがアンクタッドの開催地バンコクに集結しているような印象を与えるものだ」と指摘した。同議長によれば、タイ国内には、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム、ロシアの反政府分子が潜んでおり、また、アラブのテロリストの動向が心配されるという。第十回アンクタッドの開催責任者の一人、ピチャイ副首相は、「プンマート議長の発言には驚いた。プンマート議長には詳しく説明するよう要請した」と述べた。

ボーナスのカット
 先にテレビ局「チャンネル・ファイブ」で、カンボジアの首相を殺害しようとしたとされるカンボジア人容疑者の自白ビデオが放送されたが、これに関連した局員は、スラユット陸軍司令官の命令により、ボーナスが半分にカットされることになったという。同容疑者は強要されて自白分をビデオカメラの前で読んだと主張しており、また、下院外交委員会もこのカンボジア人が暗殺未遂事件に関与した証拠はないとしている。チャンネル・ファイブは商業テレビ放送局だが、その経営は陸軍が監督している。

占拠事件の犯人
 警察当局によれば、ラチャブリ病院の占拠事件で治安部隊に射殺された十人の犯人のうち、昨年十月初めのミャンマー大使館占拠事件に直接関わった者は二人であることが確認された。また、ラチャブリ病院は、事件に伴い、閉じられていたが、この日、業務が再開された。このほか付近の学校も事件に伴い休校とされていたが、この日、授業が再開された。

テレビ局の株式
 ニュース番組で定評のあるテレビ局「ITV」は、英字紙「ネーション」の発行元、ネーション・グループが大株主になる可能性があるという。現在、同テレビ局の大株主はサイアム商業銀行だが、同行は株を手放す可能性があり、その場合は、ネーションがシンガポールの通信大手からの融資で、同行の持ち株を取得することが考えられるという。


●2月1日(火)

立候補資格の審議
 国立大学の理事たちは、上院議員選挙に立候補できないとタイ選挙管理委員会に決めつけられたことから、憲法裁判所に最終的な判断を求める訴えを提出したが、同裁判所では、その審議を行うかどうかで意見が割れているという。これらの理事は、俸給がないため公務員ではないとしているが、選挙管理委員会は、任命権があり、公務員と見なされ、「公務員は立候補できない」との規定が適用されるとしている。憲法裁判所では、下院議員選挙の際と同様に各県の地方裁判所が扱うべき事柄だとする意見、そして、選挙管理委員会には立候補届けを行った者に立候補の資格があるかどうかを七日以内に発表した後は、資格の判断を変更する権限がないため、憲法裁判所が取り上げるべきだという意見に分かれているという。また、関係筋によれば、上院議員選挙に立候補する資格について憲法裁判所が審議するかどうかは、この数日中に最終決定が下される見通しだという。

警察官に同情
 警察官による路上での発砲でけがをした女性は、加害者であるこの警官に同情的な姿勢を見せている。一月三十一日、都内ディンデンで乱暴な運転をしていたサムロー(トゥクトゥク)に停車を命じたこの警官は、サムローが停車せずに走り去ろうとしたことから、この車に向けて発砲した。弾丸はサムローに当たらず、歩道を歩いていた中年女性の膝に命中した。この女性は、運び込まれた病院で、この警官が治療費として五千バーツ提供したことを知り、「安い給料の中から出してもらい、警官には同情する」と述べたという。担当医によれば、この女性は三ヶ月程度で普通に歩けるようになるという。また、発砲した警官は逮捕されたが、署の上司が保釈金を払い、釈放された。

駐車場の建設契約
 投資委員会(BOI)によれば、同委員会は、CPM社との間で締結したBOIフェア2000の駐車場建設契約を破棄した。同委員会のスパット事務局長補によれば、同社は会場のムアントンタニの五百ライの土地に千五百台が利用できる駐車場を建設することになっていた。同社は、駐車料金収入を得る代わりに、同委員会に合計五百万バーツを支払うことになっていた。支払いは五十万バーツ、五十万バーツ、四百万バーツと三回に分けられているが、同委員会によれば、最初の二回の支払いは小切手が不渡りだった。このため、同委員会は契約を破棄することにしたものという。また、同事務局長補は、「この会社には二百五十万バーツの賠償金を払うことになった。投資委員会としては賠償する義務はないが、この会社も騙すつもりで不渡り小切手を振り出したのではないと判断し賠償することにした」と説明した。

党首に謝罪
 チャートタイ党のポンポン幹事長(農相)は、農業省の改革予算約六億バーツの使い道について説明が足りなかったとバンハーン党首に謝罪し、同党首もこれを受け入れた。同党幹部によれば、ポンポン大臣は、バンハーン党首に対し、「もし私に悪いところがあったのなら、謝罪したい」と述べたという。


[BANGKOK SHUHO]