総 合

バンコク高架鉄道 通勤・通学客の利用促進

運賃割引キャンペーン実施(2月5日〜3月4日)


平日の利用者は1日 15万人

 昨年十二月五日バンコクに高架鉄道が開通してから二カ月が過ぎた。当初は交通渋滞の解消が期待されていたが、従来の通勤方法を高架鉄道に切り替える人はあまり見られず、運輸通信省陸運局のヨンユット局長も昨年末、「高架鉄道は渋滞解消に役立っていない」と述べている。事業社のバンコク・トランジット・システム社(BTSC)によれば、一日当たりの平均利用者数は平日が十五万人、休日が二十万人。これは採算ベースの六十万人を大幅に下回る。同社では高架鉄道の利用促進のため、今月五日より運賃の割り引きキャンペーンを開始する。

 高架鉄道の利用者数が伸び悩んでいる原因としては、路線網がまだ不十分なこと、運賃がバスに比べ割高なことなどが指摘されている。路線に関しては、タクシン橋駅から先を二・二キロ、チョンノンシ駅から先を八・五キロ、オンヌット駅から先を八・九キロ、それぞれ延長することを都庁が計画。昨年中に国家経済社会開発委員会の承認を受けている。また運賃の設定については昨年、安価を主張する都庁とBTSCの交渉が十月中旬まで難航した経緯がある。

 BTSCは今月二日に開催した記者会見で、新種のマルチカード、二十一歳以下の学生を対象とした「ステューデントカード」と、一般向けの「スカイカード」の発売を発表した。前者では運賃が三五%、後者では二五%割り引きとなる。これらは西暦二〇〇〇年を迎えたバンコクを記念したもので、発売期間、使用期間はともに今月五日から三月四日までに限定される。運賃二百バーツ分の乗車が可能で、デポジットの三十バーツを含めた販売価格は「ステューデントカード」が百三十バーツ、「スカイカード」が百八十バーツとなる。

 BTSCによれば、高架鉄道は学生の利用が比較的多いという。同社ではこれらのカードで通勤・通学客を呼び込みたいとしている。「ステューデントカード」は購入の際、学生証の提示が必要。改札を通すとランプが点灯するため、使用者が学生かどうかは係員が目で確認できる。ランプは二日現在、設置作業中とのことだった。

 高架鉄道は開通当初より、二種類の乗車券を発売してきた。シングルカード(Single Journey Ticket)は当日一回限りの普通乗車券で、自動券売機で販売される。一方、マルチカード(Stored Value Ticket)は、購入金額内で複数回の使用が可能。デポジット三十バーツが必要だが、運賃は一割引きとなる。百バーツから千バーツの範囲で販売されており、一旦購入すれば同じカードに度数を追加することもできる。自動券売機が硬貨しか受け付けないため、頻繁に乗車する人には利用価値が高い。

 しかしマルチカードについては、一旦購入したものの使わなくなった場合、払い戻しの手続きが繁雑との苦情も上がっている。払い戻しは即金で行われず、各駅で氏名、住所等を所定の様式及び返信用封筒に記載してカードを預けた後、小切手が郵送されるのを待たなければならない。この件について駅で尋ねたところ、小切手の郵送時期については「はっきり約束できない」という。但しマルチカードは使用期限が二年間となっているため、払い戻す人はほとんどいないそうだ。また度数を追加しながら使えば、二年目にはデポジットなしで新しいカードに変えてくれるため、二年毎にデポジットを支払う必要もない。BTSCでは「払い戻し手続きは会計システムの都合上すぐに変更はできないが、改善を検討する」と述べている。、

 BTSCによれば、マルチカードを使用する乗客は、開通当初、全体の二〇%しかいなかったが、現在は四〇%にまで伸びている。同社では、マルチカードの使用は今後も増え続け、最終的に乗客の七〇%に達するものと予想。販売促進のため、将来駅の窓口以外でも販売することを検討している。

(小林ゆかり記者)



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